ロードムービー
はっきり書こう。最近、人生がわからなくなった。
こういう時こそ、「選択と集中」だと思う。闇雲に進んでいると、後戻りが出来なくなりそうな気がする。十代の頃のように、曖昧な言葉で前へ進むことが出来なくなってしまった。大人になったのか、感性が鈍ってしまったのか、もしくは両方か。
ロードムービーを作りたくて、始めた創作。その道のりで言葉に魅了され、いつしか居着いたのが現在。衝動とか、運命とか、いろんなものに導かれて、活動を続けてきた。
その中で夢という言葉の不正確さや、情熱と現実に思い悩む人々を見てきた。数えきれない人の話を聞いた。自分がいかにぼんやりと生きてきたか、時代に流されてきたか、軸のなさに消えたくなったこともあった。
今だってそうだ。記憶を操作できたら、自分なんかいなくなっても困らないのに。
必要としてくれる人がいるのかどうかもわからない。それでも、表現が好きだから、なんとか生き延びてきた部分も大いにある。表現に魅了され、時に打ちのめされ、時に救われた。今も信じてるし、これしか自分にないこともわかってる。
でも、自分よりもっと才能のある人はたくさん見てきたし、スターダムに上り詰めた人は遥かに努力しているんだろう。すっごく目移りしてしまうわたしは、そこに上り詰める資格がないのかもしれない。夢だった。叶うって信じてた。だけども、今はとても遠くて、儚くも上り詰めたいとすら思える。そんなの、一瞬の空夢に過ぎないのに。
最近はもういつ終わってもいいという気持ちで生きている。明日でも、いいや。今日でも、いいや。それはネガティヴなことではなく、極めて晴れやかで、極めてポジティブな気持ちである。
自分を知ったのだ。限界と、歴史を。わかってしまったのだ。未来を。
がっかりされてしまう方がいることも承知だ。これを書くことが、どんな意味をもたらすかも承知だ。だけど、書かずにはいられなかったのだ。
限界だ。今の自分は。だから、整理する。やり直す。
リセットではなく、大いなる再生を。基礎から作り直していく。それが活動で出逢ったすべての人に対しての感謝に繋がる。もっと良い作品をつくることにも繋がる。
やめないよ。限界でも。限界を超えるための力を身につけていくのだから。
エッセイ「詩の物語」
坂岡 優