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マイクラ住民だった次男が現実世界に気づいた話

たまにアイスを買いに行ってくれていた子供たちは大きくなってコンビニより少しだけ遠い小さな町のスーパーまでは行ってくれるようになった。
すると
「ママ!安い!万代このアイス100円せえへんねん!コンビニやと156円やのに!」
感動して帰ってくる。

流石に100円を切るのはその時だけのセールだと思うが、コンビニと比べてスーパーが安いのは確かだ。
だから普段はスーパーを利用することの方が多いんだよと話す。

なんでコンビニの方が高いの?と11歳になったばかりの次男が問う。

コンビニは24時間空いているからね。お客様が来ない時間も人がしっかりいて、人件費をかけていつでも来てね、ってしているの。
その経費をひらたく商品代に入れないと、商品が売れるたびに赤字になっちゃうでしょ。

そう答えると、神妙な顔をして聞いていた次男が
「コンビニばっかりで買ったら僕たちもお金無くなっちゃうからスーパー行くんだよね。
でもそうしてたらコンビニ潰れない?」

と問う。
「お仕事が夜の8時に終わる人だったらどう?
お仕事帰りにかいてるスーパーがあったら使うかもしれないけど、7時に終わるスーパーだったら買えないよね?」

「そっか?じゃぁ夜だけ開ければいいんじゃない?」
なかなかいいところついてくる。
「でも、今日みたいな暑い日にスーパーの方行ってって言ったら行ってくれる?」
「…」
「コンビニの方だったら?」
「近いから行ってもいいかな」
「同じように思う人が少なからずいるんだよ。少し歩くのもしんどい人だと近い所にあるなら暑くなくても、そっちが助かるよね。お金の多い分は自分達の近いところまで運んでくれた手間賃なんだよ」
そんな会話を
「なるほど。元気で時間があってお昼間とかはスーパーに行けば良くて、近い方が良い人とか、夜遅くまで働いてる人はコンビニ使うからどっちも潰れないんだね」
と、まるで国営テレビの社会の教材番組のようなまとめ方をする次男。

つい最近までマイクラというゲームの話しかしなかった次男。私はゲームの話が全く分からないので、「ごめん。わからない」とほとんど会話にならなかった。ゲームの会話は子供同士にお願いしていた。
そんな彼が現実世界に気づいたのだと、ふと思う。
小さなころから買い物に一緒に連れていき、産地や価格の話をしていた長男長女。一緒に行っても父親と別のところにいることが多かった次男。感じることが違って当たり前。
同じように育ててきたと思っていたけど、違ったな…と振り返る。
長男長女は「家庭科の時間なんかほとんどママから聞いたことばっかりで、何それ?って思ったこと一回もない」と言っていたから、4人ともがそう感じるものだと、次男との会話になる日までは考えていた。

違う。きっと違う。下2人にはそこまで細かく話してきてないかもしれない。次男が現実世界に気づいたのではなく、親の私たちが、現実世界を生きさせていなかったのかもしれない。


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北山 悠【主役力で小さな経営はうまくいく】
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