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精神薬と死への誘惑

世の中には精神病患者が溢れている。鬱病、統合失調症、摂食障害、色々な病名が作られては精神薬が処方されていく。果たして精神病は、薬で治るのだろうか?私の経験から、それは有り得ない、そう思っている。

私も精神科に入退院を繰り返して、精神薬を沢山飲んできた。しかし、私の精神は薬を何錠飲んでも安定するどころかますます情緒不安定になっていった。
唯一、不眠症だった私は睡眠薬には助けられたと思っている。しかし、薬は飲めば飲む程、効かなくなっていくし量も増えていく。それに伴い副作用も沢山出てくる。足がムズムズするアカシジアという副作用には本当に困った。じっとする事が出来ずに、椅子に3分も座っていられなくて病院の中をうろうろと歩き回った。他にもよだれが止まらなくなったり、急激に太ったり、呂律が回らずうまく喋れなくなったりもした。しかし、精神科の入院生活は友達も出来たり意外にも楽しくてよく笑っていた。退院してからの方が、居場所が無くなったようで寂しくて仕方なかった。また入院して友達に会いたい、そんな想いが沸き上がってくる。毎日、仕事もせずに家にいる事が、家族にも申し訳なくて私は余計に自分を責めてしまうようになった。

「死にたい」
と、いう想いばかりが毎日、募る。実際に遺書を書いたりもしたし、どうやって死のうかその方法ばかりを考えてしまう。私はその当時、15錠程の精神薬を毎日飲んでいた。何故、こんなに薬を飲んでいるのに私は死にたくなるんだろう?抗不安薬を飲んでいるのに不安で仕方がない。これからの人生にもう、何も希望を見出せそうにない。家にある包丁を部屋に隠し持って布団の下に置いて眠っていた。もう、いつでも死ねるように準備をしよう。

どん底まで落ちたら、このままではいけないと少しずつ思いはじめていた。だって、死にたくても本当に死ぬ事なんてやっぱり私には出来なかった。これ以上、家族を悲しませたくない。そして、このまま薬を飲み続けてもきっと私は良くならないだろう事に気づいてしまった。こんなに沢山薬を飲んでいて死のうとしている自分がどう考えても、可笑しいと思った。私は精神薬をなんの為に飲んでいるのだろうか?

それからありとあらゆる本を読み講演会に参加し、精神科の歴史や精神薬の真実を知っていった。私は少しずつ薬を辞めていく努力をした。離脱症状で何度も私はまた変になって暴れたりして、精神科に入院せざる負えない状態になった。それでも、諦めずに試行錯誤を繰り返し、ついに断薬に成功した。

今は人生で一番、健康的な状態を保っている。富士山に登ったり、無人島に行ったり人生を謳歌している。あの時、死への誘惑から逃れられて本当に良かったと思う。どうせみんないつかは、死ねるのだから。急ぐことはない。

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