【詩】秋分のよる

秋分のよる、
目を閉じて
耳をすませる。

鈴虫の声。

カサカサとゆったりうごめく
森のところまで連れて行ってくれた。

それは赤に変わる前の深緑。
これから色が移り変わっていくなんて
まったく信じられないほど深い。

だけど、変わってゆくものなのだ。
木も。人も。


緑から赤に、
赤から黄色に。

どうしても深くて暗い色だって、
明るくなる日が来るということ。


そんな言葉が浮かんだ矢先、
空想の森の中。
コウモリの目がパチクリと光って
消えた。




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