【詩】公園に住む小人






いつもタイヤの遊具の根本のところに
隠れていて
ひっそりと子どもたちを見ている



今日はあの子 友達といるぞ
自分から声をかけたぞ すごいぞ



昨日は猫に追いかけ回された
首根っこを噛みつかれそうになったけど
ようやく逃げおおせた



今日はブランコに大人が座っている
ブラックコーヒー片手に
なんだか生気がない
パリっとした黒い服を着ている



何度も息を吐き出して
小さくて黒い画面を見つめている


その人のまわりには
見えない鎖があるみたいだ



小人は見つめつづける



あの子どもたちのように
騒いで宝探しをしてみたら


なんにもならない
ごっこ遊びをしてみたら


突然の追いかけっこをはじめて
夢中で走ってみたら



この人の目も光るのだろうか




なんて、
考えていたら
遠くから猫の気配がしたので

逃げた







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