読書日記 『Shoe Dog』
Phil Knight 作 大田黒奉之
【一行説明】Nikeの創業者、Phil Knightが創り上げたものは単なるアパレルブランドでなく、ランニングというカルチャーだ。
【趣旨】オレゴン出身の元大学ランナー、バック(フィルのニックネーム)は、世界を旅した後あるバカげたアイデアを思いつく。止まることを拒み、ひたすら全速力で走り続けることで、やがて世界を席巻する一大帝国を築き上げた。
【考察・感想】今では誰しもが少なくとも人生で一度は靴ひもを結び、家を飛び出し汗を流す、そんな経験はあるのではないか。しかし1960年代、ランニングは大衆的なものでなく一部の競技者たちのみが行うのマイナースポーツであった。大学での競技者としての夢破れたフィルであったが、走ることに対する情熱は失っていなかった。
馬鹿げたアイデアだと言いたい連中にはそう言わせておけ。走り続けろ。立ち止まるな。目標に到達するまで止まることなど考えるな。”そこ“がどこにあるかも考えるな。
と自分自身に言い聞かせたバックの情熱はランニングをサポートするというベクトルを向け、母校の恩師で伝説的コーチであるバウワーマンとともに日本からの靴の輸入会社を立ち上げる。それから同じ志を持つフリーク達と共に全速力で走り続け、世の中にランニングというカルチャーを創り出した。まさしく走るような疾走感で進んでいくテンポ感にあっという間に読破してしまった。金の為ではなくその仕事の為に人生を捧げた男たちが出会ったものはまさに天職だったのだろう。今年から社会人として働き始めるが、人生でここまで熱くなれるものに私は出会えるだろうか。