小規模事業者持続化補助金 図解&解説
本noteについて
こんにちは!中小企業診断士の横田優斗と申します!
Twitterにて中小企業・フリーランス・会社員でも使えるような補助金などの支援策について図解をしています。おかげ様で、昨年の12月から本格運用を始めたましたが、現在720名もの皆様にフォローをいただいております。ありがとうございます。
そんなTwitterでは、あまり知られていない、わかりにくい支援策を、図解することで中小企業の皆様へ届けることを目指しています。
今回は図解したもののうち「小規模事業者持続化補助金」について、本noteにて細かく解説をしてみたいと思います!よろしくお願いいたします。
小規模事業者持続化補助金とは?
基本的には図解の通りとなっていますが、
●上限50万円(補助率2/3)
●コロナ感染拡大防止対策でさらに50万円(クラスター対策が必要な事業者はさらに50万円)
のようになっています。ただこんな声が聞こえてきそうですね。
小規模事業者持続化補助金なんて名前が難しすぎて、それだけで受け付けない事業者の方も多いでしょう。ピコ太郎が単語をくっつけたようなくらい単語がくっついていますね(どうでもいい)
ただこの小規模事業者持続化補助金。名前こそ難しいですが地域経済の原動力となる小規模事業者を支援するための補助金なんです!
そんなことはございません!様々な事柄に使えるものなのです!次の章にて詳しく解説します。
実際に補助対象となる取り組み事例は?
図にて補助対象となりうる取り組み事例を紹介させていただきました。ご覧の通り様々な使い道があるのです!
キーポイントは「販路開拓」のための取り組みです!小規模事業者持続化補助金は、販路開拓のためにする取り組みに対して補助金が出るのです。
新商品のための商品棚を新たに購入することだったり、新商品の開発費用だったり、そしてできたPRチラシを作成する料金だったり、それをポスティングする費用だったり・・・ネット販売を始めるためのシステム構築費用だったり、国内外の展示会に出展する費用だったり・・・そして事業効率化のためのIT導入であったりと様々な用途に使えるものなんです!
新しいことをやろうと思う小規模事業者ならば利用できる可能性は大いにありますね!
コロナ感染拡大防止対策でさらに補助
そして只今、緊急事態宣言が広がりつつあるほど新型コロナウイルスの感染拡大が止まっていません。そんな中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために行った費用も上限50万円、定額で補助されるのです!(※補助金支給対象者の上乗せです。この補助のみはありません。)
マスクやフェイスシールドを購入したり、アルコールや換気設備の向上などで感染対策もばっちりにして営業に臨むような場合には補助の対象となるんですね。
さらにクラスター対策が必要な事業者(※)にはさらにプラスで上限50万円の定額補助があります。活用の幅が大きい補助金なのですね。
※屋内運動施設・バー・カラオケ・ライブハウス・接待を伴う飲食店など
ではその小規模事業者とは?
ここもあまり詳しく知られていないかもですね!図にも載せましたが以下のようになります。
小規模事業者とは、
●商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)・・・常時使用する従業員の数が5人以下
●サービス業のうち宿泊業・娯楽業・・・常時使用する従業員の数が20人以下
●製造業その他・・・常時使用する従業員の数が5人以下
となっています!
ただ様々な業種もあり、小規模事業者持続化補助金においては分類は実態に基づくものとして、通常の業種分類とは異なる部分もございます!
なので判断が難しい業種の事業者は、ガイドラインに従いながら見極める必要がありますが、少しだけ紹介させていただきます。
悩みそうな分類の例
ここで迷いそうな例を、少し紹介させていただきます。そもそも業種で迷うというのはどんな問題があるのかといいますと、
小規模事業者の人数定義を超えているのかどうか?
ということに絡んできます。
例えば自社が「サービス業」だと思っていて、従業員の人数を数えてみると、10名いた。その場合は小規模事業者とは認定されないかもしれません。しかし、小規模事業者持続化補助金のための分類で考えると「製造業」扱いとなり従業員基準は20名となります。その結果、小規模事業者と認定されることがあるのです。以下、公募要領から抜粋をします。
他者が生産したモノに加工を施したりするなどして、更なる価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)」のことを言います。
おおまかに説明をすると、従業員基準が5名の「商業・サービス業」のように思えても、従業員基準が20名の「製造業その他」の扱いになることがあります!
以下少しだけ例を紹介いたします。
●ソフトウェア開発会社
無形のソフトウェアなどの開発会社は通常の分類では「ソフトウェア販売」のような形で「商業」扱いになってしまいますが、小規模事業者持続化補助金における分類では「製造業」となります。
●自身で生産・採取した農産物を販売
「農産物を販売」であると、八百屋のようなものがあり、それは「商業」に該当しますが、自身で、生産・採取した農産物を販売する場合には「製造業」になります!このパターンには漁業も含まれます!
※ただし系統出荷(JAなど)を通して販売しているだけだと、そもそも小規模事業者持続化補助金の対象外となるので注意!
●材料を仕入れて販売する弁当屋
食材などを仕入れて自社にて調理し、お弁当として販売する弁当屋。これは「製造業」となります!同じような形ですと食材を仕入れて自社にて調理し、店内で飲食を提供するカフェのようなものは「サービス業」となるので注意が必要ですね!
●様々な業種の事業を行っている
小規模事業者であるが、飲食店を経営したり、配送業をしたり、建築をやったりと様々な事業を行っている場合は「その他」となります!
例については以上になります。具体的に自社がどの業種になるのかは、お住まいの地域の商工会議所や商工会にご確認ください。
常時使用する従業員に含まれないもの
すでに見てきました通り、分類はしっかりと掴めたところでまた次のような意見が出てくるかもしれません。
まだ諦めないでください!今度は「常時使用する従業員」という部分を深堀していきます。
実際に従業員がいたとしても「常時使用する従業員」にカウントされない場合がございます!その分を減らせば小規模事業者と認定されることもありますのでご確認ください!以下、例を挙げさせていただきます。
●会社役員
役員は常時使用する従業員にカウントされません。ただし、従業員と兼務している場合にはカウントされます。
●個人事業主及び同居の親族
個人事業主の場合、本人と同居の親族は常時使用する従業員にカウントされません。
●休業・休職中の職員
育休中ですとか、病気による休職中などの従業員については、常時使用する従業員にカウントされません。ただし、法令や社内規則等に則ている必要があります。
●一部のパートタイム労働者
2カ月以内の期間を定めている労働者や、一般の従業員に比べ勤務日数が3/4以下の従業員に関しては、常時使用する従業員にカウントされません。ただし、実態に基づく必要がありますので申請をする時には注意が必要です。
以上の要件を、分類と合わせて考えてみたら、小規模事業者に認定される場合もあるのではないでしょうか?
対象者&対象外
・・・誠に申し訳ございません!ここにきていうのも心苦しいのですが、法人形態などによって対象外となる場合もございます!ここについては、公募要領から抜粋をしながら説明をしていきたいと思います。
●対象者
・会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合
同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)
・個人事業主(商工業者であること)
・一定の要件を満たした特定非営利活動法人(※)
以上のようになっています。ポイントとしては「商工業者」であることです。こちらは対象外になる方にも絡んできますのでご注意ください。また、特定非営利活動法人の要件について下記の通り、引用いたします。
※注:特定非営利活動法人は、以下の要件を満たす場合に限り、補助対象者となり得ます。なお、同要件を満たす特定非営利活動法人の「常時使用する従業員の数」の適用業種は「その他」として、「製造業その他」の従業員基準(20人以下)を用います。
(1)法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条に規定される34事業)を行っていること
(2)認定特定非営利活動法人でないこと
●対象外
・医師、歯科医師、助産師
・系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
・一般社団法人、公益社団法人
・一般財団法人、公益財団法人
・医療法人
・宗教法人
・学校法人
・農事組合法人
・社会福祉法人
・申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)
・任意団体 等
などなどです!個人事業主であっても、医者などは該当しなかったり、前にも述べましたが、農協などに販売しているだけの農家なども対象外となります!
そして法人形態として財団法人・学校法人等は対象外になってしまいます。ちなみに私が本業で勤めているところは「一般財団法人」であり対象外でした。従業員は4人しかいないので小規模事業者だと勘違いしていました...こういうこともありますのでしっかり確認が必要ですね!
まとめ&Twitterアカウントの紹介
いかがでしたでしょうか?今回は「小規模事業者持続化補助金」の概要について説明をさせていただきました。
noteを始めたばかり(再スタート)なのですが、これからは小規模事業者持続化補助金で採択された事例の紹介とか、他の補助金の概要とか、補助金申請にあたる心構え・マインドセットなどを書いていけたらと思いますのでよろしくお願いいたします。
ちなみにこのnoteの元になる、補助金などに関する図解を私のTwitterアカウントにて発信しております!
Twitterではすでに沢山の図解を用意しておりまして、最新の補助金情報なども発信していますので合わせてご登録いただけたらと思います。
それでは読んでいただきましてありがとうございました!さようなら!