【逆転裁判との違いは?】話題のインディーズゲーム「鳥類弁護士の事件簿」プレイレポ【おすすめ】
年末の休みに「鳥類弁護士の事件簿」(以下、本作)を一気にプレイし、一通りクリアしましたので、備忘録を兼ねてレポートしたいと思います。
プレイ前にざっとネットで調べた限りでは、登場人物が人間ではなく鳥版の「逆転裁判」とよく言われていて、元々逆転裁判好きな僕はかなり興味を持ってました。
プレイして思ったのは、逆転裁判好きなら絶対楽しめる作品だし、逆にアドベンチャーゲームにあまり触れて来なかった人でも、長すぎないプレイ時間(3時間強あれば王道ルートはクリアできると思いますね)でさくっと遊べるのでおすすめだ、ということです。
ここから先は、どんなゲームなのかざっくり知りたい!という方や、本作と逆転裁判との違いを知りたい!という方向けになります。
ネタバレは含みませんが、少しでも気になる方はここから先ご注意ください!
■本作のあらまし
舞台は19世紀のパリ。弁護士のジェイジェイ・ファルコンと助手のスパロウソンのコンビが、依頼人のためにパリの街を駆けずり回って手がかりを探し、事件の真相を追っていきます。
■本作のここが良い!
①ストーリーの緩急がうまくつけられている
登場人物のコミカルなやりとりが心地よい序盤から一転、後半の手に汗握る展開は予想できませんでした。控えめのボリュームでもかなり満足できたのは、シナリオの濃密さのおかげだったと強く思います。
前半で物足りなさを感じたとしても、後半でその不満は払拭されるかと思いますので、ぜひ最後まで進めてみることをお勧めします!
②高品質の日本語ローカライズ
海外ゲームあるあるの突拍子もない日本語は今作には皆無です!上から目線に聞こえたら恐縮なのですが、翻訳者の方の日本語のチョイスがどれも秀逸だと思います。今作は登場人物が動物なので、人間が使う言葉を動物風にアレンジした翻訳が散りばめられていて、(どんなものかはぜひプレイして読んで見てくださいね!)見かけるたびに結構笑えます。
今作の翻訳はフランス革命の知識も少なからず必要だったかと思うので、翻訳者の方は大変だったろうなと勝手に思いを馳せてしまいましたが(何様)、高品質な翻訳のおかげてスムーズにプレイできました。
意外と軽視されがちなローカライズですが、言葉が不自然だとプレイヤーにストレスがかかるので、そこのとこがきちんとしている点は評価ポイントだと思います。
③BGMが歴史的名曲揃いで耳に良い。
今作はオリジナルBGMはほとんどありません(数曲のみオリジナル)。
ほとんどの曲が、サンサーンスやドビュッシーといった名だたる作曲家のものです。
「え、他人の曲使ってるの…?オリジナル曲作らないの?」という感じでネガティブに思うかも知れませんが、どの曲もシーンにマッチしていて、ゲームの世界がリアルに伝わってくる感じがあります。
音楽とゲームの世界が心地よすぎて本当に寝落ちしたくらいです(笑)
■本作のここが気になる
①ボリュームは少なめ
前述の通り、集中してやれば、3時間ほどでコンプリートできるのではないでしょうか。がっつり長く楽しみたい!と思っていると、意外とあっさり終わったように感じられるかも知れません。
②捜索パートの残り時間が表示されない
この後も書きますが、今作は時間制限があります。限られた時間でいかに効率よく作業をするかがカギになるのですが、残り日数が表示されないのは少し不親切に感じられました(僕は残り日数を手元でメモりつつ進めてましたが、まあまあ面倒でした)。
③日本人に馴染みが薄い(と思われる)言い回しが一部あり
一箇所だけですが、登場人物同士の会話の中で出てくる例え話が全く知らないもので(おそらくヨーロッパの方では有名な昔話?)、その場でググる必要がありました。
もし可能であれば、ローカライズの一環で日本人にわかりやすい話に置き換られてたらベターだったと思いました(そもそも僕の教養不足が悪いと言われればそれまでなんですが…)。
■本作と逆転裁判との決定的な違い
このゲームが気になる方は、逆転裁判をプレイ済みの方も少なからずいらっしゃると思います。
僕が思う今作と逆転裁判との違いについて、2つに分けてご紹介しますね。
①捜索パートの時間制限
今作と逆転裁判の一番の違いは、捜索パートの時間制限の有無だと思っています。
ご存知の通り、逆転裁判は捜索パートを一通り終えたあとに裁判パートに進む、というシステムです。逆にいえば、捜索パートが終わるまでは絶対に裁判パートに進めない、と言うこともできます。それは必要な証拠品が手元にない状態で裁判に臨む、ということはシステム上ありえないということを意味します
今作はそこが違っていて、捜索パートに時間制限が設けられており、充分探索ができていなくても、一定の時間が経てば強制的に裁判パートに移行してしまいます。
もし証拠品が足りていない場合、当然ながら依頼人の無罪を証明するのが難しくなるため、裁判の結果に影響します。その裁判の結果がそのままルート分岐へとつながっていく仕組みになっています。
逆転裁判のように好きに行ったり来たりしているとあっという間に時間が経ってしまうので、どんな証拠品が必要かあらかじめ考えた上で、効率的に捜索を進めるのが大切なポイントになります。
②裁判パートがかなりあっさりで難易度低め
逆転裁判同様、本作も捜索パートと裁判パートが存在するのですが、裁判パートの難易度がめちゃくちゃ低いです。
逆転裁判のように、主人公(成歩堂くん)にプレイヤーが置き去りにされたり(成歩堂くん「わかったぞ…!そういうことか!」プレイヤー「いや分からん!勝手に進むなし!」みたいな)、何度も間違えてサイバンチョや検事に怒られる、ということは基本ありません。
証拠品が手物にありさえすれば(ここ大事)、迷うことなく一発正解できることでしょう。
そもそも、本作は開発側が裁判パートの難易度をさほど重要視していないように思えました。このゲームの肝は捜索パートなので、捜索パートで失敗すると絶対に裁判パートで詰みます。逆にいえばちゃんと捜索パートで必要なモノを集めていれさえいれば裁判パートは楽勝、というシステムなんですよね。
逆転裁判だと、捜索パートでいつまでも進めなくてダレちゃうこともかなりあったので、今作のメリハリを付けざるを得ないシステムも悪くはなかったです。ここは人それぞれ好みがあるでしょうね。
■まとめ
アドベンチャー好きならきっと楽しめるゲームだと思います!個性豊かな動物たちが織りなす、楽しくて真剣な非日常を楽しんでみてはどうでしょうか。