『 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である 』を読んで、新入社員の頃の苦い経験を思い出した。
未だに5日前に引いた風邪の症状が治まりきらないので、今日は図書館に行かずに自分の手持ちの本を改めて読み直すことにしました。
精神科医の名越康文さんの書籍で、もともとこのYouTube動画を拝見したことをきっかけに知りました。
この本は以前からずっと読みたかったのですが、近所の本屋を探しても、最寄りから3駅離れた大きな書店を探しても在庫が無く、結局メルカリで購入しました。
もともと自分の持ち物を増やさないように図書館で本を借りていたのですが、この本は読む前から、自分で購入して家に置いておきたいと強く思っていました。1度読み終わっているのですが、今回改めて読み直すことにしました。
読み直して気になる所に付箋を貼って後で見返せるようにしていきます。
いくつか付箋を貼った中で、自分の中に響いた言葉を1つピックアップしてみます。
この文章を読んだ時に、本当にその通りだなぁと感じました。なぜなら私自身、勤めていた会社の中で認めてもらいたいと思うがゆえに心身ともにエネルギーを消耗してしまい、会社に行けなくなってしまったという経験をしたからです。
私は20歳で短期大学を卒業したあと、とある中小企業に勤めていました。
その会社は、毎年新卒の社員を採用している訳ではなく、私が入社したときは約5年ぶりに新卒採用をしたとのことでした。
会社として久しぶりの新卒採用ということもあり、1番の若手社員である私に割り振る仕事がこれといって無かったようで、書類の整理やお茶入れ、その他雑務をするよう指示されていました。
入社当時、70代の社長から私に直接仕事を振られることも多くありましたが、社長と私は祖父と孫の関係ほど年齢差があります。
私の人生以上にキャリアを積んできた70代の人と、社会に出たての20歳の新成人では、知識も経験も雲泥の差。
ですが、厳しい社会を経験してきた社長から新入社員の私に
「君はなにをやっているんだ」
「そんなことも分からないのか」
「いちいち僕に聞くな」
日頃からそんな言葉を投げかけられる事が多くありました。
今思うと中々厳しいこと言われていたと感じるのですが、入社初年度の私は、「まだまだ勉強不足なんだから、もっと頑張らないと!」という気持ちで過ごしていました。
しかし、入社2年目にして私の体に異変が起き始めました。
それは入社2年目の秋頃、職場の女性社員だけでの食事会がありました。
私はその時、周りの上司や年齢が離れた先輩の方に凄く気を遣いながら過ごしていましたことを覚えています。
その場はなんとかやり終えたものの、翌日目が覚めると胃に激痛が走り、その日は仕事を休み内科を受診しました。
診断結果は「ストレス性 急性胃腸炎」でした。診断結果を見てなんだか納得。
あぁ、あの食事会は私にとってストレスだったんだなと。
そして食事会で感じた体の不調は完全に治りきらないまま、日々を過ごしていました。
年末が近づいてきたある日、私は仕事の一つである社長のデスクの整理作業を、社長が来る前にしていました。冬場なので足元に電気ヒーターがあることを確認していましたが、その時は電気がついてないかの確認をしてその場を去りました。
整理作業を終えて数時間後、業務時間中に社長から内線で呼び出され、社長の元へ行くと「足元の電気ヒーターのコードが伸びっぱなしで見栄えが悪い」とのこと。
それを注意されるだけなら、構いません。
しかし、社長は私に
「こんなコードの整理もできないようなら、もう会社になんて二度と来なくていい」
そう、強い口調で言い放ったのです。
社長室を出た後、私は職場の更衣室に直行、のちに大号泣。
その日以降、年末休みが来るまでの間、会社に向かう電車の中で涙が止まりませんでした。
「私って、何のためにあの会社に行ってるんだろう?」
そう思う気持ちとともにあの時、人生で初めて自分の体力ではなく精神力がすり減っていくのを実感したのです。
今振り返ってみると、社長や会社にあわせて私がもっと頑張らないといけないと考えて過ごしていたけれど、そもそも年齢差関係なしに、根本的にものの見方や考え方が合わなかったのかなと今になって思います。
私には社長の審美眼も、大切にしたい軸も、共感できるところも何も無かった。ただそれだけのことでした。
さて、ここまでの私の経験談と、名越先生の一節を合わせて、1番強く思う事は、
「自分の必要以上に、誰かのために
体力も精神力も使いすぎなくて良い。
自分らしく生きていくために
自分がもつエネルギーを、自分に
どうか向けてあげてね。」
この言葉を、約10年前の私に伝えてあげたいなと感じます。
そして10年前の経験によって他者の為にエネルギーを使いすぎると身を滅ぼすことも分かっていたので、「自分をもっと大切にしたい」という理由から、先日退職をすることも決めました。
約10年前の苦い思い出だけど若かったあの時の経験があったから、今30歳目前の私は自分を大切にしようって思えてるよ、ありがとう。ということも、伝えてあげたいです。