かわいいに溺れたプラハ旅行記
朝、9時過ぎの電車でプラハへ向かう。
チケットはインターネットで事前に取ってある。
駅に着いて、朝食にパンを食べる。席が見つからないので立ち食いだ。
とても美味しそうなチョコレートプティングがあったから、電車の中で食べようと思って買う。激甘な予感がするからコーヒーも買う。
リュック、貴重品が入ったバッグ、コーヒーとチョコレートプティングを持った私は結構大荷物だった。ホームで、携帯で、チケットを確認する。ホームにはこれからくる電車の車両が映されたディスプレイがある。3号車の17番・・・と思って探すんだけど、1と2しかない(6車両あるので1等車2等車を表してたんだと思う)もしかして座席は先着順なのか?と不安になりつつ、電車がくる。どう考えても座席が指定されてそうな新幹線のような電車だった。
もう一度、チケットを真剣に見る。pdfは2枚になっていて、2枚とも行きの分だと思ってよくよく見たら、1枚目が行き、2枚目が帰りのチケットだった。3号車17番は帰りだった。1枚目の行きのチケットには座席がなにも書かれていない。だけど座席には番号が振ってある。どういうことなのだろう・・・。適当に席に座ってみると、欧米系の女性に声をかけられる。「私の席なんだけど・・・」やっぱり座席はあるみたい。私の座席はどこに書いてあるのだ。「このチケットのどこを見れば座席はわかる?」とその人に聞いてみるけど「わからないわ」と返された。そりゃそうだ。車両と車両の間に座っている若い女の子たちがいる。まさか、私も立ちになるのか?4時間はつらすぎる・・・とりあえず車掌さんを探す。こぼれやすいコーヒーと木のスプーンを生身で渡されたプティングは確実に私のエネルギーを消費してくる。
車掌さんを見つける。私の席はどこなのか?と尋ねると、あなたは席を予約してない、とのことだった。電車を予約する時にそんな画面なかった気がする・・・今からお金はかかってもいいから席が欲しい、というと「空いてる席なら座っていいから、探して」と言われた。でも、また、人来るかもしれないじゃん。そのたびに移動するのいやじゃん。と思うけど、英語で伝える能力はない。「ここも空いてるよ」と車掌さんがいた付近の席を教えてくれるけど、向かい合わせの4人席にグループが座っている。そこに私が座るのはなんだか申し訳なさすぎる。お礼を言って、立ち去る。通ってきた車両の中に、静かにしないといけない車両(のぞみのS workみたいな)があって、そこが空いていたので、そこに行ってみた。空いている席はたくさんある。座席の上に番号が振ってある横のディスプレイに文字が書いてある。よくよく見ると、文字が座席によって違っていて、それがその席を指定した人がどこからどこまで乗るのかが書いてあった。そして、ひとつなにも書かれていないディスプレイがあった。ここは空席ってことか?!と思い、そこに座る。
車掌さんが来る。(さっき対応してくれたひととは別のひと)チケットを出してくれ、と言われるので携帯でさっきの画面を見せる。「これはチケットじゃない」と言われる。そして画面を拡大される。“This is not a ticket.” たしかにそう書いてある。びっくりしたけど、さっきの対応してくれた車掌さんが私が席を指定していないか探してくれたときに、もうひとつ別の画面が出てきたことを覚えていたので、そっちを見せる。QRコードが付いていて、読み取ってくれた。席についてはなにも言われなかった。ホッとしたら眠気が襲ってきた。たぶん、私は朝の数時間で疲れてしまったんだと思う。プティングを食べて、少し眠った。
目が覚めると、隣にはおじさんが座っていた。(席は指定されていたんだから当たり前!)残っていたコーヒーを少し飲むけど、もう冷めていた上に酸味が出ていたから飲むのをやめてプティングの容器の中にコーヒーのカップを入れた。電車が大きく揺れたときにコーヒーのカップが斜めになり、残っていたコーヒーがこぼれる。私よりもおじさんが驚く。(おじさんにはかかっていない)私はタオルハンカチでコーヒーを拭く。yeeのパンツは少し水を弾く素材だし、濃いオレンジだから、そんなに大ごとにはならなかった。そのあともタオルハンカチを落としたり、わちゃわちゃ慌ただしくしてしまい、そのたびにおじさんを驚かせてしまっていたので、おじさんはリラックスした移動にならなかったと思う。ごめんね、おじさん。
プラハにつく。駅舎がかわいい。
まずは、両替をする。
チェコはオーストリアのおまけ的な扱いをしていたので、ほとんど調べていない。チェコの通貨が日本円でいくらになるかもわかっていない。その場で調べると1czk(コルナ)は6.5円とのことだった。5000円くらい両替すればいいか、となにを血迷ったか30,000czkを押す。ん?逆か?と思って、取り消しを押したつもりが、両替が進んでいく。結果として私の残高にはそこまでのお金が入っていなかったのでエラーになる。もう一度やり直す。やっぱり計算がうまくできなくて、結果として2万円分くらいの両替になった。まあ現金で過ごせばいいか。
まずはホテルに荷物を置こうと、地下鉄に乗るためにチケットを買う。さっきおろした現金を使おうとしたんだけど、コインかカードしか使えないようなのでカードを出す。決済が進まずに画面が固まる。もう一度試す。やっぱり画面が固まる。レシートのようなものが出てきて、カードのエラーだからカード会社に問い合わせて、とのことだった。幸いなことに先程現金をかなり多く引き出していたからそこまで動揺はしなかった。今までの反省を元にカードは別にもう1枚持って行ってた。人が対応してくれる窓口もあったので、そこでチケットを買えばいい。人がいるところなら高額紙幣も対応してくれるだろう。
窓口はとてもきれいな顔の圧が強いお姉さんだった。1日フリー券を1枚、と伝えたら、高圧的に大きな声でなんか言われた。ただ、冷たい系のお姉さんだっただけかもしれない。日本にもそういうひとはいる。わかってるけど、朝からの積み重ねでもう疲れていた。(ちなみにその後会ったチェコのひとたちは全員優しくてこのお姉さんがただ単にそういうパーソナルなひとだっただけのことだと思う)
ホテルの最寄りの駅で降りると、建物がすべてかわいい。テンションがグッとあがった。チェックインまでは時間があったけど、ホテルのひとにお願いしてアーリーチェックインさせてもらおうと思ったけど、また冷たい対応をされたらいやだから、ごはんを食べて時間を潰すことにした。でも、ごはん屋さんの店員さんにも冷たくされたらいやだなーと思うと、なかなか決められない。着いて最初のごはんが日本にもあるチェーン店なのもな・・・と思いながら、ホテルの方へ歩いて行くとペリメニ屋さんがあった。私はペリメニが大好きなので、迷わず入った。(結局、ロシア料理かい!)
お土産物屋さんにもマトリョーシカがあったし、東欧の影響があるように感じた。そしてそこが私の好きなポイントにつながっていくんだと思う。
チェックインの時間になり、ホテルに入る。今日からのホテルは、ウィーンのホテルよりだいぶ広い。ベッドもダブルベッドの部屋を予約してたみたい。でもシャワーだけでバスタブはない。だいたいそういうもんだよね〜と思いながら、荷物を置く。
まだ、今日のいろんな出来事を引きずっている私は、外にすぐ出る元気がなく、ウィーンの旅行をまとめてしまおうと思った。なんだかんだ大作になってしまい、すっかり時間は夕方になっていた。(だけど日が長いから見た目は全然昼間)
トラムに乗って、観光スポットの旧市街に行ってみる。ホテルから一番近い観光スポットだったのと、観光スポットなら夜遅くまでお店がやっているとのことだったから。トラムを降りて歩き始める。歩き始めるとすぐに、量り売りのお菓子屋さんがあってテンションが上がる。昔、ハンガリーに行ったときに初めてこういうお店屋さんを見てめちゃくちゃかわいくて、最終日にもう一度行こうと思って行ったら定休日で悲しい思いをしたことがあったから。笑
そのあとも街をどんどん進む。すべての建物がかわいく見えたし、すべてのお土産がかわいく見えた。どんな現象?とにかく、わくわくとドキドキとときめきが止まらなかった。
ウィーンのnoteを書いてから出かけて本当によかった。チェコのかわいさを知る前と後では書き方が変わってしまうような気がした。だから、ホテルに篭って勿体無い気もしたけれど、よかった。
広場には、大道芸?でシャボン玉をしているひとがいた。周りで子どもたちがはしゃいでた。慌てて、シャッターを切る。私がハンガリーで撮った写真の中で一番好きな写真のことを思い出した。
夕焼けとか、飛行機雲とか相まって、あのときよりもさらにきれいだ。ここで日が沈むのを見ていきたい。そう思って、広場にあったテラス席のお店へ入る。
ビールもごはんもおいしくて、空はどんどん変わっていって、教会の鐘の音が聞こえて、来ることができて本当によかったな、と思った。
私の大好きな小説にあるこの文章を思い出した。失恋をした後のセリフなんだけど、そう、いつだって世界はきれいで、おいしくて、にぎやかなのだ。どれだけ落ち込むことがあっても、この景色を忘れたくないなあ、そう思った。
日が沈むと、風船売りが何人か現れた。透明な風船の中にいろいろなものが入っていて、持ち手と風船を囲むようにカラフルに光る電飾がついている。(浮くタイプの風船ではない)風船売りのひとりが、テラス席に来て、子供を連れた家族に声をかけている。子どもたちが風船を選んでいる。眺めていると、その風船のなかにユニコーンがいるものを見つけてしまった。え、欲しい。あの風船売りは手を挙げたらこっちにも来てくれるのか?子どもたち、どうかユニコーンを選ばないで!そう念じたけど、私の念は届かず、ひとりの子どもがユニコーンを選んだ。ショックだったけど、仕方がない。せめて、忘れないようにしようと思い、めちゃくちゃ拡大してユニコーンの風船を写真に収めた。
だいぶ空が暗くなってきたから、店を出る。そのとき、店の外に別の風船売りがいて、ユニコーンがいた。嬉しくなって、すぐに声をかけて買う。大人で持っているひとはいなかったし、そもそも風船を買っているひとはさっきの家族以外見かけなかったけど、そんなことは気にならなかった。
風船を持って、帰り道を歩く。本当に嬉しくて、にこにこだった。Xでも書いたのだけど、私はテーマパークとかで風船を買ってもらったことがないと思う。欲しかったけど、どうせダメって言われるだろうとわかっていたから、欲しいとお願いしたこともなかった。自分で自分のために風船を買ってあげる、それをしてあげられたことがうれしかった。
さすがのチープ感なので、ホテルに着くまでに電飾は消えてしまったけど、それでも最高の思い出になった。(そしてプラハのホテルに置いてきた。楽しい思い出をありがとう)
2日目
朝起きると、カード会社から問い合わせの返信が来ていた。セキュリティに引っかかって、一時的に使えない状態になっているとのこと。解除するためには電話で本人確認をする必要があるとのことで、国際電話をかけた。(たぶん初!)お盆なうえに祝日なのにすぐ対応してもらえてありがたい。カードは無事、使えるようになった。
今日は、プラハの名所をすべて回ることにした。
プラハ城
とにかくステンドグラスが素敵だった。あんなに素敵なものを生で見ることができて本当によかった。ミュシャのステンドグラスが見たかったんだけど、ミュシャ以外もすべて素敵だった。お城も、豪華絢爛ではなくて、好みの感じだった。この好みの感じが世の中ではどういう名前がついているのか知っていきたいと思う。そして、5億円あったらやりたいことも見つかった。私は自分の王冠をつくりたい!
ストラホフ修道院
きれいな図書館がある、ということで行ってみた。図書館も素敵だったんだけど、そのほかにも海の生き物や蝶の標本があって、それが本当によかった。通っていた大学の博物館を思い出した。お土産物屋さんが本当に好みで、たくさん買いたくなるのをグッと堪えた。自分のプラハのお土産はここで選んだ。
カレル橋とその周辺
観光地!という感じでお土産物屋さんがいっぱいあった。基本的に誘惑には打ち勝てたんだけど、チェコはビーズが有名で、ブレスレットやネックレスを売っているお店があった。とてもかわいいものを見つけてしまって・・・ほら・・・ブレスレットに囚われてるからこれはノーカン!と謎の言い訳を発動してブレスレットを買った。ビーズ単体でも売っていたから、みんなでブレスレット作る回のときにキラキラのビーズあったらかわいいじゃん!と思って、買った。ぜったい、開くぞ😇
カレル橋は渡るととても気持ちのいい橋だった。私はやっぱり水辺が大好きで、水であれば海でも川でも湖でも運河でもなんでも好き。思っていたより流れのある川でクルーザーもいるのに、空気で膨らましたようなボートもいて、なんかカオスだった。
市民会館
今でもコンサートなどで使われている市民会館。ここにもミュシャが手がけた部屋があって、それを見たかったんだけど、それにはガイドツアー(英語の)に参加する必要があった。まあ英語わからなくても見られればいいカート17時の回を予約した。予約したときにチケットをもらって、17時になって集合場所に行ったときにそのチケットを見せたら「あなたのチケットは別のチケットだ」とガイドに連れて行ってもらえなくて慌てる。え、どういうことー???と思い、よくよくチケットを見ると私が出していたのはストラホフ修道院のチケットだった😂😂😂とんだうっかり者だった。正しいチケットを慌てて出して、遅刻してこっそり入れてもらう生徒みたいな感じで入れてもらった。
こちらもすごく素敵な場所で、ガイドさんの言っていることは1/4くらいしかわからなかったんだけど、様々な素材を使っているニューデザインだ!と何度も言っていたような気がする。“ボヘミアン”という言葉も何度も出てきて、それが私のイメージしていたボヘミアンとは違うように感じたから、このあたりは調べてみたいなと思った。
見たいところをすべて見られて、満足した。今日の夜はペリメニパーティーだ!と決めていたので、ホテルのそばのペリメニ屋さんに寄る。心残りないようにたくさん頼もう!と決めて、3種類のペリメニを注文した。カードで会計をしようとしたら、レジが固まって動かなくなった😂10分くらい店員さんがいろいろ試してるのを待ったんだけど、どうにも動かない。もう最後だから私は現金をほとんど持ち合わせてない。「先に食べてて、レジが動いたら声をかけるね!」と言われたので、食べる。無事、お会計はできた。
チェコは本当にかわいくて、かわいくて、かわいかった。そのおかげか、かなり刺激を受けて、めちゃくちゃ思考が捗った。私の思考は、旅行と単純に相性がいいのだと思う。この気持ちを忘れないように、帰りの電車の中でnoteを書いている。ちゃんと3号車の17番に座っている。