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子どもが元気に過ごすために大人ができる事。【欲求階層説】のお話。

こんにちは。yutoriです。
お読みいただき、ありがとうございます。

子ども2人が小学生になると、子ども達からお友達の話がたくさん聞こえてきます。

「○○君、側転が上手なんだよ!」
「○○ちゃん、テニスで県大会行くんだって!」

お友達の得意な事や頑張っている事が伝わってきます。

運動会や学習発表会でも、我が子やお友達が頑張っている姿を見ると、「元気だな。良い顔してるな。成長したな」と嬉しく感じます。

ここでお話したい「元気」とは、単に「病気や怪我がない」という事でなく、「体も心も健康で、やりたい事に力を注いでいる」という状態を言っています。

我が子達も「元気だな」と思いますし、お友達も元気な子が多いなと感じています。

体の健康は、よく食べて、よく寝る事である程度は保持できるでしょう。

では、心が健康で、やりたい事に熱中できるようにするには、何が重要なのでしょう。

ここでは、マズローという心理学者の「欲求階層説」という理論に沿って、考えてきいたいと思います。

ちなみに、私は子ども達についてお話しますが、この理論は子どもに限った事ではなく、大人にも同じく当てはまる事です。

欲求階層説とは

人間は何か欲求・動機があるから行動します。

お腹が空いたから、ご飯を食べる。
試験に受かりたいから、勉強する。
仲良くなりたいから、人に優しくする。

という感じです。

怒られたくないから、勉強する。
嫌われたくないから、人に優しくする。

なんていう、嫌な事を避けるための行動もありますね。

マズローの理論は、人の欲求は大きく5つに分けられ、それらが階層になっていると考えます。

マズローの欲求5段階説

図のように段階的に捉え、人間は下位の欲求から満たそうと行動する。それが満たされたら、より上位の欲求に従って行動する、と考えます。

つまり、まずは「生理的欲求」を満たすために行動し、満たされたら、次は「安全欲求」を満たすために行動する、という事ですね。

これらの欲求について詳しくお話していきます。

生理的欲求
食欲、睡眠欲など、人間が生きるための本能的な欲求です。当然、これらが満たされていないと、体が育ちませんから、子どもにとって保証されなければいけませんね。

安全欲求
次に、安全で安心できる環境を求めます。自分を守ってくれる家、家族。また、基本的に社会や他人を信頼できるという感覚も重要です。特に、子どもは学校や幼稚園などの社会的な環境への安心感がなくてはなりませんね。

社会的欲求
家族からしっかり愛情を受ける、友達や仲間、恋人との関係を持つなど、他者との繋がりの欲求です。家庭や社会的な集団に所属している感覚が必要です。これが満たされてないと、不安や孤独感などを強く感じる事になってしまうでしょう。子どもの社会的な世界は、基本的に集団ですから、そこに属している、繋がっていると感じられる事が重要なのです。

承認欲求
自分を認められたい、尊敬されたい、地位や名声が欲しいといった欲求です。自分で自分を認める力も必要だと思いますが、子どものうちに家族や仲間、先生に認められるという経験がないと、それもできるようにならないでしょう。この欲求が満たされると、自信や意欲に繋がると期待できます。

自己実現
自分がやりたい事に挑戦する、なりたい自分を目指す、希望や夢に向かって行動する欲求です。下位にある4つの欲求が満たされて、やっとこのような欲求を持ち、生きる事ができると言えます。

このように、人間にはいろいろな欲求があります。子どもは、まだこれらを自分の力だけで満たす事はできません。

だから、初めに挙げたような子どもに出会うと、

「やりたい事を夢中で頑張れるような安定した生活、愛情のある親子関係、先生やお友達との良好な関係があるんだろう。だから、生き生きした顔してるんだろうな」

と感じるのです。

では、子どもの欲求を満たすために、大人ができる事はなんでしょう?

家庭と学校(幼稚園など)それぞれ考えてみます。

これは、私個人が子育てや臨床の経験から考えているものです。

自己実現のために大人ができる事

生理的欲求を満たすためにできる事
家庭では…
⚪︎子どもに適した食事を用意する。
⚪︎よく眠るための環境を整える。音や光によっ て、眠りを妨げないようにする。
⚪︎排泄できる方法を整え、安心してできる関わり をする。上手くいかない事があっても叱りすぎない。

学校では…
⚪︎給食での不安を軽減する。苦手な物を食べる事を強制しない。
⚪︎可能な範囲で食物アレルギーに対応する。家庭と協力する。
⚪︎排泄に困らないよう、トイレの場所や使い方をきちんと伝える。
⚪︎活動中に行きたくなったら先生に言えるような安心できる関係性を築く。活動中にトイレへ行く事をとがめない。

安全欲求を満たすためにできる事
家庭では…
⚪︎基本的な日常の世話をしながら、親子の信頼関係を築く。
⚪︎家の中に危険な箇所を作らない。ある場合は、子どもが近づいても大丈夫なように対処する。
⚪︎大人が暴力的な言動をしない。
⚪︎不安を感じるような場面があれば、大人が落ち着いて行動し、「こうすれば大丈夫」と具体的な対処法を教える。

学校では…
⚪︎子どもが先生を信頼できるよう、初めて会う時には穏やかな態度で接する。(威厳を示そうとして、最初に厳しい態度をとる事は、子どもを怖がらせるだけ)
⚪︎わかりやすく、守りやすいルールの中で生活させる。
⚪︎非常時の行動を教えたり、練習したりする(避難訓練)。
⚪︎非常時は先生が落ち着いて行動し、「先生が守る。大丈夫」と言葉で伝える。子ども達から離れない。

社会的欲求を満たすためにできる事
家庭では…
⚪︎親子間で会話やスキンシップなどのコミュニケーションを大事にする。
⚪︎大切に思っている事を言葉で伝える。
⚪︎一緒に遊び、一緒に楽しむ。
⚪︎簡単にできるお手伝いを頼み、できたら「ありがとう。助かるよ」と言葉で伝える。
⚪︎何か決める、選ぶ時に、子どもの意見も聴く。

学校では…
⚪︎自分のクラスや席がある、担当の先生がいるなど、所属や担当をはっきりとさせる。
⚪︎簡単な係や仕事を任せる。
⚪︎考えや意見を話した時には、まず「あなたはそう考えたんだね」と肯定的に聴く。最初から否定しない。
⚪︎子どもの集団は、みんなに平等に関わる。特別にかわいいと感じる子、先生に寄ってくる子がいる場合、その状況を先生がきちんと自覚しながら過ごす。
⚪︎学校や幼稚園に来られずにいる子についても、席やロッカーはみんなと同じように配置する。配布物をきちんと渡す、その子の状態に合わせて連絡をとる、嫌がらなければ手紙やオンラインでクラスとの関わる場面を作るなど、所属感を持てるようにする。

承認欲求を満たすためにできる事
家庭でも、学校でも…
⚪︎ 頑張った事を褒める。結果だけでなく、挑戦した事や過程も褒める。
⚪︎幼いうちは、分かりやすい褒め方をする。言葉はもちろん、頭を撫でる、抱きしめるなどのスキンシップも大事。また、シールを貼る、メダルや賞状をもらう(折り紙などで作った簡単な物で十分)など、見て分かる物も使って褒める。
⚪︎何か賞などを受賞できたら、その知らせを掲示するなど、広く知らせる。
⚪︎嬉しい事は一緒に喜ぶ。上手くいかずに悔しがっていたら、悔しい気持ちを受け止める。

自己実現欲求を満たすためにできる事
家庭でも、学校でも…
⚪︎子どもがやりたい事に挑戦できるよう可能な範囲で援助し、応援する。
⚪︎子ども自身の達成感、満足度を大切にする。


私は上記のように考えています。
家庭も学校(幼稚園等)でも、大人ができる事はたくさんありますし、子どもの健やかな健康のためには必要な事だと思っています。

このような事を当たり前にやっている方も多いでしょうから、「自分のやっている事は合っているようだ」と感じていただけたら嬉しいです。

いよいよ新学期。
我が子達も何やらやる気に満ち溢れています。
子ども達が元気に頑張れるよう応援してあげたいですね。

長文でしたが、最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

*参考文献*
・はじめて出会う心理学(有斐閣アルマ)

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