ユートピアについての10冊
大宮夢中飛行の10月の選書テーマは【ユートピアについての10冊】でした。
トマス・モアやウィリアム・モリスの社会主義的な文脈での正当派なものやら自分が思うユートピア的なるものを選びました。
ユートピア/トマス・モア
正統派路線。
ユートピアの消滅/辻井喬
こちらもユートピア論的な正統派路線。
ユートピアだより/ウイリアム・モリス
定番のやつ。
ハックルベリー・フィンの冒けん/マーク・トウェイン 柴田元幸・訳
ここらへんから自分の趣味で選んだもの。
トム・ソーヤよりハックに憧れるしユートピアがあると思う。とくに柴田元幸渾身の名訳『冒けん』に強くユートピアを感じる。
ハックとジムがミシシッピをくだって何かピンチを乗り越えるたびにキャンプを張って煙草をかみながらチルってるさまが本当に好き。というかほとんど「ちょっと頑張ったから休もうぜ」な描写なのがいい。
胡桃の中の思想/澁澤龍彦
幻想文脈でのユートピア論。
まだまだ知らない夢の本屋ガイド
本屋がユートピアであってほしいという思想により何か本屋をテーマにしたものを選びたいなと思ってこちらをチョイス。
日本の路地を旅する/上原善広
中上健次文脈のユートピアも入れたいと思ったのでこちらをチョイス。毎回ついつい中上健次入れちゃってる気がする。澁澤龍彦も。
ムーミン谷の彗星/トーベ・ヤンソン
こちらも児童文学を代表するユートピアものということで。
しかし第一作めにしてディストピアに襲われるというそのSF的な危機も含めて真に小さくて無力なものたちの世界を描いているなと思わされます。
江戸へようこそ/杉浦日向子
杉浦日向子さんによって紹介される江戸は戦もなく、のんきで牧歌的でペンギン村のような世界としてわたしたち現代人の眼にうつります。