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【小説】愛着障害児日記 5.ぎゃぅずで初詣

 ぼうとトラック遠征行ってきたよ。
 触られたけど、
 なんとか太ももで手を動かせないようにして
 撃退できた。

 きっと、ぼうとのことはもう大丈夫。
 これからも自衛できると思う。


 それはそうと、
 私たち「ぎゃぅず」は、
 毎年年越しを氷川神社ですることになっている。

 「ぎゃぅず」の一人のあれたは、
 お父さんが大工で、
 お母さんがフィリピンパブで働いている、
 いわば「いいお家」の人で、
 上質なコンクリートでできた一軒家に住んでいる。

 そんなあれたん家から、
 正月、年越しのあと
 泊まりに来ないかと誘われたのだ!

 すごく楽しみで、
 いてもたってもいられなかった。

 お泊まりの準備をしていると、
 お母さんから、

「正月に人の家に行くものではない。断りなさい」

 と怒られた。

 正直意外だった。
 こんなことで怒られるなんて
 思ってもいなかったから、

 「じゃあもういい、家出てくから。さよなら」

 と言って、私は家を飛び出してしまった。

 そのすぐ後、ぼうから恐怖の着信……。

 恐る恐る、出てみると、

 「帰ってきなさい」

 と、朴訥とした話し方で言われた。

 あまりの恐怖に、すぐに家に戻った。

 悔しかった。本当に楽しみにしていたのに。

 渋々、あれたにそのことを話すと、

「仕方ないよ、またいつでもおいで」

 と言ってくれた。

 最高、ズッ友だわおまえゎ。

 それはそうと、
 年末年始の氷川神社では
 たくさんのクラスメイトに会えるからだいすきだ。

 今日も何人かの友達と会えたし、
 ぎゃぅずでたくさん写真が撮れた。
 0時0分のタイミングでみんなでジャンプした。

 FOXには会えなかった。
 FOXと一緒に写真とか撮りたかったなあ。

 翌朝、年賀状が32枚
 輪ゴムで止められ届いていた笑

 今年は、中学生。

 どんな出会いが待っているんだろう。

 「ぎゃぅず」の中でも、
 「とも」は、中学校が別々になってしまうけど、
 ずっと心友でいたいな。

 FOXと同じクラスになれますように!


つづき

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