飛田友宏元教諭が記事の削除を求める裁判(6) 「取材・報道の自由」を脅かす名誉毀損裁判の実態!
2023年5月9日11時16分、note運営事務局からメールが届いた。前日、私が「陳述書」と添付資料(証拠)を送っていたことに対して、まず、「ご返信くださり、ありがとうございます」と書かれていた。
続いて、仮処分の審理の進行状況について、以下のように報告してきている。
〈現在、裁判所でなおも審理中ですが、相手方から、まだ確定ではないものの、本申立ての取下を検討するとの連絡を受けております。今後、取下がされた場合は速やかにお知らせいたします。また、仮に、今後取下がされなかった場合は、頂戴したものをそのまま裁判所に提出する予定です〉
私は拍子抜けした。4月20日にnote運営事務局からのメールで〈横浜市が性暴力教諭の懲戒免職を隠蔽〉の記事を削除するよう求める仮処分が提起されたことを知って以来、全生活を犠牲にして、これに対応してきた。5月7日から8日にかけては、徹夜で「陳述書」を作成し、添付資料を揃えてnote運営事務局へ送った。
それが、仮処分を提起した飛田友宏元教諭(代理人:櫻町直樹弁護士)は、すでに取り下げを検討しているというのだ。しかも、そうなると、この間の苦労の結晶である「陳述書」は日の目を見なくなる。
5月16日10時49分、note運営事務局からメールが届いた。
〈東京地方裁判所で審理されていた削除請求の裁判の件ですが、先日、相手方が申立を取り下げました。ついては、これにより、弊社と相手方との間の裁判は終了しましたので、その旨、お知らせいたします〉
同日14時14分、私はnote運営事務局へメールを送り、質問した。
〈結局、私の陳述書と添付資料は相手方へ直送(寺澤注:裁判所を経由しないで、直接、送付すること)されるなりして、相手方が目を通したのでしょうか。今後のこともありますので、お知らせいただければ幸いです〉
翌17日16時7分、note運営事務局から返信があり、回答が書かれていた。
〈取下がされたため、頂いた陳述書と添付資料は、裁判所には提出しておらず、相手方にも届いておりません〉
飛田元教諭がnote株式会社相手の仮処分を取り下げたことについて、私は自分がnoteで運営しているメンバーシップで、〈note 株式会社相手の仮処分は取り下げ〉と題する記事を公開した。以下、全文を転載する。
私は、随時、メンバーシップでnote株式会社と飛田元教諭との間の仮処分に関して、私が関与している部分については、記事を執筆し、公開してきた。その場合、私は「第三者」という立場に置かれており、飛田元教諭の代理人の櫻町弁護士から「申立ての内容その他本件に関する情報を、インターネットその他の媒体を用いて第三者に向け発信する行為はお控えいただくようお願いします」と要請されているので、仮処分を提起している相手方が飛田元教諭であることさえも伏せて報じている。仮処分の取り下げを報じるさいも、同様だったというわけだ。
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