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[第2弾]①サッカーにおける『適切な集中状態』の”作り方"を整理してみた。
『競争闘争理論』を軸に整理してみた!第2弾。
今回は本書に書かれていた『サッカー(闘争)における適切な集中状態の定義』を軸に、「それって具体的にどうすれば身につけられるのかな?」という実践的な部分を自分なりに考察してみました!
(第1弾ではサッカーにおける”ミス”について考察してみました。)
本書を読まれていない方もいると思うので、まずは改めて①の記事で、そもそもの競争と闘争の違いから、サッカーにおける適切な集中状態の定義などをザックリと整理してみます。(必要のない方はこの記事をすっ飛ばしてください!)
改めて本書の内容を
ザックリ振り返る
『競争闘争理論』を端的にいうと、「スポーツをしっかり分類しようぜ!そうしないと痛い目見るぞ!」みたいな理論だと思ってます。笑
本書ではスポーツを『競争』と『闘争』の観点から分類しています。
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この2つの大きな違いは”時空間”と”妨害”。
![](https://assets.st-note.com/img/1667127496643-IS8eWi6SAO.jpg)
例えば短距離走(個人"競争")では、相手プレイヤーとはレーン(空間)が分けられていて、妨害されることもないので、自分の走り(技術)に集中できる競技。
(競争:自分の技術を発揮する権利が保障されている。)
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一方でサッカー(団体"闘争")では、相手プレイヤーと同じ空間・時間の中でプレーしています。
そのため、例えば自分の思い通りの場所にトラップ(技術を発揮)しようとしても、相手プレーヤーから妨害される可能性があり、必ずしも自分の技術が発揮できるとは限らない競技。
(闘争:相手に影響を与えられる権利が保障されている。技術を発揮する権利は保障されていない。)
みたいな違いを軸に整理されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1667127496618-JdB3fnoa3B.png?width=1200)
それを踏まえた上で重要なのが、『競争』と『闘争』では求められる姿勢、考え方、精神状態といった前提が全く異なることです。
「しかし、日本人はスポーツを全て同じものとして無意識に捉え、”(団体)闘争であるサッカーを競争のように勘違いした状態でプレーしてしまっている”。これが昨今のサッカー界で起こっている多くの問題を引き起こしている根本的な要因なのではないか?」みたいなことが本書で言われている大枠の話です。
(サッカーを含め、"団体闘争"のスポーツだけが、唯一世界で1位を取れていない理由も、この思考態度のズレが絡んでいると本書では考察されています。)
その中で今回は『適切な集中状態』に着目してみました。
ここからは改めて本書で書かれている『サッカー(団体闘争)における適切な集中状態の定義』について整理してみます。
『競争』と『闘争』」では、
求められる”集中する”が違う
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本書では『競争』は『技術』に、『闘争』では『影響』に集中した方がいいと整理されています。
理由としては以下の通り。
✔︎『競争は技術に集中』
→ 『ゲームの始まりから終わりまで』相手からの妨害を受けることがないため、自らの技術を最大限発揮することができる。そのためにも周りのことは気にせず、自分の『技術(を発揮すること)』に集中すべき。”自分と闘うスポーツ"
例)短距離走(個人競争)では相手選手から妨害されることがないため、自分にとっての最高な走り(技術)を発揮する権利が保障されている。そして、自分の最高の走りができれば、それに応じた結果(自己ベスト)もついてくる。だからこそ、できるだけ周りのことは意識せずに、自分の『技術(を発揮すること)』に集中したほうがいい。
✔︎『闘争は影響に集中』
→相手の妨害を受ける可能性があるので、そもそも自分の技術を発揮する権利が保障されていない。そのため技術に過度な意識を向けるのではなく、「相手が自分に対して何をしてくるか?」といった周囲の”影響”に集中することが多い。
その手段として見る、聴く、触るなどの方法を使い、周囲の影響を感じる(気づく)必要がある。”相手と闘うスポーツ"
例)サッカー(団体闘争)では、仮に最高のフォームで最高のシュートが打てた(最大限の技術が発揮できた)としても相手にブロックされる可能性がある。
だからこそ、周囲の影響(相手がシュートブロックしようとしていること。など)に気づくことで、キックフェイントで相手をかわしたり、トラップせずにワンタッチでシュートを打つといった、その状況に合わせた効果的なプレーができる。
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上記の内容をまとめて整理すると、、、
⬇︎
[競争における集中とは]
→自ら持つ技術を最大限に発揮するために求められるもの
[競争プレイヤーが集中できている状態]
→周りが見えない(気にならない)
⇨この『競争』における適切な精神状態を『内的集中』と表現。
[闘争における集中とは]
→自らに影響を与える可能性のある要素を最大限に把握するために求められるもの
[闘争プレイヤーが集中できている状態]
→周りが見える(気づける)
⇨この『闘争』における適切な精神状態を『外的集中』と表現。
ということで、サッカー(闘争)ではこの周りが見える(気づける)状態の外的集中がベースとして求められるというわけです。
言われてみたら「確かにそうだな」と感じますが、多くの人が『集中』と聞くと周りの音が聞こえなくなるような、目の前のことに没頭している状態(内的集中)をイメージするかもしれません。
それこそ重要な試合になればなるほど、そういう状態をめざす傾向が強くなるのではないでしょうか?
もちろんサッカーでは内的集中が求められる時もありますが、それがベースになってしまうと、『周りが見えない選手』という認定をいただくことがございます。おめでとうございます。
(ゴール前のフィニッシュに関与するプレーの時などは、逆に周りに気づける状態だと判断を迷わせてしまうことがあるので、内的集中の方が良い場合もありますよね。)
周りが見えていればいいって
わけでもない
![](https://assets.st-note.com/img/1675922763881-zu7aIQ81y1.jpg?width=1200)
とはいえ、サッカーのプレー中に、何でもかんでも周りが見えている(気づけている)状態がいいというわけではないと思います。
例えば以下の2つのようなデメリットが起こる可能性が考えられます。
①『必要のない影響(情報)をキャッチしてしまう状態』
→必要な影響に気づくために、あらゆる手段(見る、聴く、触るなど)を使ってみるものの、その状況に対して必要のない影響(情報)を認識してしまう。
例)自分がシュートを打とうとした瞬間。味方GKの「ディフェンスライン、リスク管理しておけよ!」という声に気づいてしまい、一瞬判断が遅くなってしまうみたいな。(これはなかなかないですが、そんなイメージです。笑)
②『過認知による悪影響』
→周辺の影響(情報)に"気づきすぎてしまう"ことで、取捨選択(判断)が遅くなり、もたもたして相手にボールを奪われてしまうみたいな現象など。
また、周囲のため息や罵声、お客さんの目といったものが悪い意味で必要以上に気になってしまい、プレーに集中できていない状態なども当てはまる。(こちらは④の記事でより詳しく整理してみます。)
つまりサッカーでは、『周りが見える(気づける)状態はベースとしてありつつも、必要のない影響に関しては見えない(気づかない)状態が望ましい』ということになると思います。
✔︎どうすればそのような状態を作れるのでしょうか?
そこで本書では、『闘争では適切な集中状態を保つために(無関係な影響を排除するために)”目的”を意識しなければならない。』
と整理されていました。
例えば、下記の画像を見てください。
![](https://assets.st-note.com/img/1674105856281-ui4CH1KEQ4.jpg)
キャラクターがたくさん描かれていますが、何も意識せずこの画像を眺めていても、『何が必要な情報で、何が必要のない情報なのかが分からない』と思います。もしかしたら全部必要な情報なのかもしれないし、もしかしたら全部必要がない可能性すらある。
では、「この画像の中から”ウォーリー”を探し出してください」と言われたらどうでしょうか??
そうすると、『ウォーリーを探し出す』という目的が明確になり、それに沿って画像を見れば、『ウォーリーだけが必要な情報、それ以外は必要のない情報』として取捨選択できると思います。
みたいなことがサッカーでも同様に言えて、たくさんある影響(情報)の中から必要な影響を取捨選択するために『サッカーの目的を意識する』ことが大事というわけです。
ではサッカーの目的とは?
サッカーの”ゲーム”の目的→『勝利』
(遊びではなく、競技としてのサッカーにおいて。)
それを踏まえて、その勝利(目的)を達成するために狙う的(ターゲット)
→攻撃時は『(相手の)ゴール』、守備時は『(相手の)ボール』
と本書では整理されていました。
(あくまでもこれは"ゲーム"の目的が勝利なだけで、選手がサッカーをする目的や、チームが存在する目的が勝利になるわけではありません。
選手やチームにとっての"勝利"は何らかの目的のための手段です。)
『サッカーにおける
適切な精神状態の定義』
上記のことを踏まえて、本書ではサッカーにおける適切な精神状態の定義をこのように整理しています。
▶︎『目的を達成するに際して、影響を与え得る可能性のある要素をより感じられる状態。』
ちょっと難しいと思った方もいるかもしれないので、これをもう少し分解して整理してみると、、、
✔︎試合終了のホイッスルがなるまで持ち続ける集中状態
→『今この瞬間で自分たちの”勝利”に繋がる可能性が高い要素をより感じられる状態』
✔︎攻撃時
→『今この瞬間で”ゴールを決める”ために必要となり得る要素、もしくはその障壁となり得る要素をより感じられる状態』
✔︎守備時
→『今この瞬間で”相手ボールを奪う”ために必要となり得る要素、もしくはその障壁となり得る要素をより感じられる状態』
これらの状態が、サッカーの試合中にベースとして求められる集中状態だと考えています。
ということで、ザッとここまでが本書で書かれていることに補足を加えた、大枠の基礎的な内容でした!
とはいえ、「よし!じゃあ明日から自分たちの”勝利”に繋がる可能性が高い要素を感じられる状態でプレーしてみよう!」と思っても、「じゃあ何からスタートすればいいのだ?」と感じる人もいるんじゃないかなと。
ということを踏まえて、「じゃあどうやってこの適切な集中状態の作れるんだ!?」というのがここからの内容であり、本題です!笑
流れとしては以下の通り、
-①の記事(これ)-
サッカーにおける適切な集中状態の定義について整理
-②の記事-
適切な集中を使えるための”前提条件”とは?
-③の記事-
適切な集中状態を身につけていく流れを整理。
-④の記事-
→脳科学の観点から適切な集中状態の作り方を考察。
②”4つの集中モード”から整理する、サッカーにおける適切な集中状態を使用できる"前提条件"とは?
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