マーケティングの『4C』をサッカーに置き換え、監督のニーズを整理してみた。(2/3)
前回の記事。
前回の内容をザックリ整理すると、、、
日々、サッカー選手は試合に出るために悪戦苦闘しているわけですが、よくよく考えると、これまでサッカー人生の中で「試合に出るためには、ここを意識した方がいい!」というポイントを誰かから教わったことはないし、サッカー界全体としてあまり整理もされていないなと。
その中で「もしかしたらマーケティングの視点が参考になるんじゃないか?」みたいな話でした。
ということを踏まえ、今回はその内容の本題。
実際にマーケットインのコツをサッカーに置き換えたらどうなるかを整理してみました。
この記事では、上記の図にもある
『①監督の求めていることを知る・理解する』
について整理してみました!
(あくまでもこれは、サッカー選手がなんとなく考えているであろうことを可視化させているだけなので、頭の整理だと思って読んでいただければ!)
お客さん(監督)が
商品(選手)を選ぶ際に、
大きな影響を与える4つの要素
マーケットインとは要するに、お客さん(監督)の視点に立つこと。
そして、その際に意識する指標として、
ロバート・ローターボーンさんという方が『お客さんが商品を選択し購入するまでに大きな影響を与える4つの要素』である『4C』というものを提唱してくれていました。
で、これまでの話を踏まえて、これをサッカーに置き換えることが可能なら、
『"お客さん"が商品を選ぶ際に
大きな影響を与える4つの要素』
⇩
『"監督"が選手を選ぶ際に
大きな影響を与えている4つの要素
(監督が求めていること)』
に変換できると考えたわけです。
ザックリ以下のように整理してみました。
①顧客価値 →『監督が選手に感じる価値』
監督が選手に価値を感じる具体的な要素とは?
-根本的な指標-
結果を残せる選手かどうか、監督が求めていることを体現できるかどうか、計算しやすいかどうか、など
-監督特有の指標-
監督が目指しているサッカーを体現できるかどうか、監督の好みにマッチしているかどうか、監督の采配の傾向にマッチしているかどうか など
これらを軸に問いを立て、監督のニーズをより細かく整理していく。
[具体的な問いの事例]
・「今の監督は目に見える結果を重視するタイプか、能力を重視するタイプか?、それとも調子が良い選手を積極的に使うタイプなのか?」
・「監督がスタメンに選ぶ選手の共通点は何か?どういった傾向があるか?」
・「どういったプレーをすると褒められて、どういったプレーをすると怒られるのか?よく口にする言葉は?」
など。
②顧客にとっての経費→『監督が選手を起用する際に支払うリスク』
監督としても結果を出さなきゃいけないので、パフォーマンスが常に安定している選手ほど使いやすいはずです。
逆を言えば、選手として調子の波がある選手の起用は博打となりやすく、なかなか選びづらいと思います。
[起用のリスクが低い選手の例]
・ボールロストが少ない
・球際で勝てる
・余計なことをしない
・監督が求めている「これぐらいはやってほしい」という基準を日頃の練習から満たし続けている など
こういった安定性に繋がる部分が足りてないと、監督としては起用するリスクが(精神的に)高くなってしまう。
[具体的な問いの事例]
・「監督が日頃から求めているこれだけはやってほしいという基準は何か?」
・「監督が自分(のポジション)に求めていることが理解できているか?それをどれぐらい体現できているか?」
など
③顧客の利便性→『選手として起用しやすさ(計算しやすさ)』
サッカー選手として「こいつはこの場面で〇〇ができる!」とすぐに頭に思い浮かぶぐらいの何かを持っている状態。
逆に特徴が分かりづらい選手ほど起用しづらい。(途中交代になると尚更)
[計算しやすい選手の例]
・明確な武器を持っている。
→武器の中でも、技術よりもフィジカルの武器を持っている選手の方が計算しやすい。
(「パスがうまい」「足元がある」よりも「足が速い」「身長が高い」の方が、不確定要素の多いサッカーでも比較的発揮しやすいため。) など。
※計算のしやすさの指標は、スタメンor途中出場か、試合展開、マッチアップする選手の特徴などで変わる。
(事例)
・スタメンを軸に考えてみると、『90分間走り切れる体力を兼ね備えている』ということが計算のしやすさの指標の1つになりますが、
途中出場ならその指標はさほど重要ではなくなり、局面を打開できる高さやスピードといった武器を持っている選手の方が起用されやすくなる。
・メンバーに入ることを基準に考えてみると、複数のポジションを高いレベルでプレーできる選手ほど選ばれやすい。など
[具体的な問いの事例]
・「監督が求めているプレーと自分の武器はマッチしているのか?」
→試合に出ることが目的なら、監督のニーズと自分の武器がマッチしていない時は、自分のやりたいプレーをしすぎるのは逆効果の場合もある。
・「(選手起用の特徴を踏まえ、)どんなプレーを発揮すると使いやすいと思ってもらえるか?」
など
④顧客対話→『監督と良好な関係を築けているか』
普段から質問や相談がしやすい関係を構築できているかどうか。
関係性の質が高ければ、相手のニーズを聞き入れやすいし、自分が行っているプレーとの擦り合わせもしやすい。
自分自身も監督の言っていることをしっかり聞き入れる準備もできている。
また、監督も人なので、あまり人間関係がうまくいってない選手よりも、日頃から良好な関係を築けている選手の方が、信頼されやすく、起用される可能性は高い。
[具体的な問いの事例]
・「そもそも今の監督は、選手との距離感をどうしたいと考えているか?」
・「質問してくるタイプを好むか、それとも選手とはそもそも喋りたくないタイプか」
など
ーーーー
他にもたくさんあると思いますが、ざっとこんな感じで整理してみました。
たぶん多くのサッカー選手はなんとなくこういったことを考えていると思うのですが、
事前にこの4つの指標を知っておいた方が、よりスムーズに整理できそうな気がしています。笑
「今、何に取り組むべきか」
を明確にするために。
①の監督が求めていることがある程度整理できたら、次は『②ピッチ内外で行動し、そのニーズを満たす』をしていく必要があります。
とはいえ、行動に移そうと思っても、時間や労力には限界があるので、「今、何に取り組むべきか」と優先順位をつけなくてはいけません。
ということで、その優先順位をつけやすくするために、こちらもマーケティングの世界にある『3C』というものを活用してみたいと思います。
続きはまた明日!
『3C』を活用し、「試合に出るために、今何をするべきなのか」の精度を高める。(3/3)