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さっと見るだけ7時間かかる、世界最大級の美術館の話
普段はひきこもりなのに、旅行に行くと急にアクティブになります
ゆーたろーです。
今回行った美術館では7時間ぐらいウロウロしてました。
そんなわけで今回は、世界最大級の美術館であるメトロポリタン美術館へ行ってきた時の話。
はじめに
ひと言で「美術館に行ってきました」とは言いましたが、ざぁーっと流してみただけでも7時間かかるほどの広さを誇るメトロポリタン美術館。
特徴を挙げると
・300万点以上の所蔵品
・寄贈者による個人的に収集されたコレクション
・入場料は寄付制
などなどの特徴があります。
この美術館のガイドになるために、1年以上かけて勉強してなった日本人の方もいるとか。
ガイドブックも何ヶ国かわからないほどに用意されていました。
もちろん、日本語版もあります。
兎にも角にも、色々な人が来る場所です。
僕が見ている最中も、中国系の人から欧米系の人まで、本当にさまざな人とすれ違いました。
一日と+αで回ったため隅々まで細かく見ることはできませんでしたが、要所は抑えたと思うので、もしよろしければ軽い世界一周をお楽しみくださいませ。
エジプト
「エジプトと言ったらファラオでしょ。後は、ラーとオシリスとオベリスクと…」
と言うぐらいにエジプトに関する知識が遊戯王カードぐらいしか持っていない私。
この壁画の黒い猫みたいなやつも
こいつの顔も
この建物の感じも「全部遊戯王カードで見たことがあるな」って。
一般教養のなさがバレますね。
一言で言えば、エジプトはイメージしていた通りの感じでした。
こんな船を使って移動もしていたようです。
このころのエジプトの主な食べ物は小麦とビール(スープ)で、それにその時とれた野菜や魚が付いてくる。そんな感じだったようです。日本でいうご飯と味噌汁的な存在。
それに加えて、貴族はスパイスを効かせた肉を食べていたそう。
貴族か庶民かの違いは肉を食べられるかどうかだったみたいです。人間は昔から食にはうるさかったみたいです。
この頃の人たちに「今や野菜は肉よりも高いよ?」なんて言ったらおったまげるかもしれませんね。笑
ネイティブアメリカとアメリカ
ネイティブ(native)とは「その土地に元々いた人」という意味で、形容詞として使われるときは「自然の・天然の」という意味を持つ言葉。
ピーターパンに出てくるようなインディアンを創造していただけるとわかりやすいかもしれません。
こんな服を着た方々。
こちらの、ヨーロッパの方々が来たときの構図を見ていただけるともっとイメージしやすいですかね。
先頭のインディアンの持っている緑の草が彼らにとってのご馳走だったのかどうかは定かではありませんが、両者の服に差がありすぎて驚きです。
欧州から来た人々は暑くなかったのでしょうか。もしくは、インディアン達は寒くなかったのでしょうか?もしかすると、服という服があまりなかったのかもしれません。
そんなインディアン達も300年の間に急激に変わっていき...
だいぶ、現在イメージのできる「アメリカ」となっていきました。
未開の地に文化をつっこむとこうなるのですね。急激な発展なんてものじゃないです。
ただ一方で、こう言った目線で見てみてもアメリカ自体の歴史って浅いのだなあ、というのがわかります。自国内で発展していったというよりは、外部からソフトを入れてアップデートしたような印象。
実はこれは食文化にも顕著に出ていて、アメリカインディアンの伝統料理って意外と質素で、メインとなる食材は豆やトウモロコシ、カボチャやズッキーニなどの瓜系野菜。肉系だとウサギ、シカなどの野生動物にカモ、七面鳥などの鳥類が主に食べられていました。(特にニューヨークは色々な鳥がいることで有名)
調味料もブルーベリーやチェリー、松の実、セージ、ショウガなどで、自然の甘さやフレーバーで味付けをしていたそうです。
ただ、ヨーロッパ人が来たことにより、北部や南西部の不毛な土地に追いやられ、インディアンたちはそれらの物を食べられなくなってしまいます。
もちろん食べるものが無くなれば、インディアンたちは生きていけません。そこでアメリカ政府が小麦粉、砂糖、塩、ラード、チーズ、など、脂質や糖分が多い加工食品の配給を始めたそうです。ここが変化の分かれ道。
アメリカ人と言えば、デカイ。そんなイメージもありますが、実は現在の白人はそこまで極端に太っている人は少なく、ネイティブアメリカ系の人の方が極端に太っている人が多い気がします。
質素なものを食べ続けていたアメリカインディアンにとって、砂糖やチーズなどから得られる快感は少々刺激的過ぎたのかもしれません。
結果的に、食べるべき量よりもずっと多いエネルギーを摂取することとなり、現在の大きいアメリカ人が出来上がりました。GDPベースで見るインストールには成功したのかもしれませんが、それで原住民幸せになれたかどうかはわからない。そんな印象を受けました。
ヨーロッパ
何をどう基準と捉えて「レベルが高い」とするかは難しいところではありますが、ヨーロッパのエリアの品々はわかりやすく美しいものが多かったです。
いやー、ひたすらに綺麗です。
これらの美術からきているのか、食べ方もとても綺麗で貴族は基本的に一日二食。昼間にたくさん食べて、夜は軽くつまむだけだったそうです。
たまに間食をすることもあったそうなのですが、そこまで食事をとる必要がないぐらいに動かないぐらいがカッコ良いという風潮があったらしく、積極的にガツガツ食べることはなかったそう。
少し、現代人を連想させますね。というより、一日三食ってやっぱり必要なさそうですね。
主な食べ物はパンやパスタ。栄養が必要なので野菜を食べていたそうなのですが、肉(鶏肉と豚肉)はやはり貴族の食べ物だったそうです。
美しいものに囲まれながら、綺麗に食べる。現代のわたくし達もこの価値観に多少なりとも影響は受けているように思えます。
というよりも、人間のパフォーマンスとして正しい食生活をしていたということもあり、ヨーロッパを中心に世界は発展していったのかもしれません。何と言っても脳は地球最強の生物の核ですから。
中東
「ヨーロッパとアジアを足して2で割った感じ」と言ったら中東の方々に怒られそうですが、そんな印象を受けた中東エリア。
それでも、とても美しい作品が多かったです。そう言えば、絵画はあまり見られませんでしたが。
なんというのでしょうか、美的センスに溢れてますよね(語彙力が残念すぎる)
とにかく、中東と言えばトルコ。トルコと言えば世界三大料理(他はフランスと中国)のうちの一つです。美しい芸術品のあるところに美味しい料理はつきものです。
トルコ料理と言えばケバブを連想される方が多いかもしれませんが、実はヨーグルトの発祥の地でもあり、トマトやレモンなどを料理によく使うことが多いので、酸味を活かした料理が多いようです。
以前ギリシャ料理を食べにいった時にそんな印象を受けましたが、実は自分でしっかりとした本格的なトルコ料理を食べに言ったことがないので、一度しっかりと食べて見なければいけませんね。
下手に書けない。
というわけで、ずっと行ってみたいと思っている「ブルガズ アダ (BURGAZ ADA)」さんの料理の写真を貼っておきます。めちゃくちゃ美味しそうです...
アフリカ
すごい「アフリカだなぁ」って思いました。笑
色が少ない。
ただ、実はアフリカ大陸って広い上に気候も違い、色々な国に植民地にされた経験があるということで、北アフリカや南アフリカなどで全然違う、多彩な食文化が繰り広げられているそうです。
南アフリカにあるケープタウンなんかはフランスに気候が似ているということで、ワイン造りで有名だったりするぐらいに。
ただ、いかんせん「器」がしっかりしてしておらず、食材に良い環境というわけでもなく、経済的にもあまり豊かではない地区が多いので「食文化」という点においてそこまで大きく発展しているわけではないようです。
そう言えば、フランス料理、中華料理、トルコ料理と世界三大料理って、全て綺麗な器に盛られていますね。世界三大料理ではないですが、世界で食されている日本料理しかり。
もしかすると、その国の料理の発展は器なしにはあり得ないのかもしれませんね。
屋上
メトロポリタン美術館の屋上ではアルコール類を飲みながらのんびりできるスペースがあります。
美術品も展示してあり、セントラル・パークの緑とその向こう側にあるビルが一望できます。美術館内には緑があるわけではないので、歩きつかれた時にはちょうど良い場所です。
ただ、この日は外が暑すぎたので中に僕は入ってビールを飲んでゆっくりしました。
ブルックリンラガー。
軽め、もしくは癖のあるビールが多いアメリカにおいてかなり日本人にとっては飲みやすく美味しいと感じるビールでした。
高いけど。
アジア
次はアジアのエリアです。
割合でいうとかなり中国が多め。4000年の歴史は伊達じゃないです。
まあ、日本とかなり近いんですけどね。
ただ、像を祀るにしてもその趣向は全然違い
偉そうな大仏がいたり
なんとも言えない表情してたり
がっつり目が開いてたり
なんか楽しそうだったり
像だけに象だったり
縁までついてたりと、まあ、様々。
日本国内だけでもみてもどれだけの数の神様がいるかわからないレベルなので、必然といえば必然なのかもしれませんが。ヨーロッパの像が芸術なのに対し、アジアの像は神様のような扱いを受けていることが多いなあというのをすごく感じました。
食に関しは他国に比べ「発酵食品」が圧倒的に多いです。
日本の味噌、タイのナンプラー、中国の醬、インドネシアのテンペ...などなど挙げていったらキリがありません。
腸内環境を整える事の重要さは現代人にとってしっかりと証明されているレベルで大切な事ですが、その微生物の働きによって生まれた食べ物が体に良いことを本能レベルで感じ取っていたのかもしれません。
人間は基本的に体に良いものを「美味しい」と感じますからね。
そういえば、日本の醤油を手に入れたヨーロッパのシェフが自国にそれを持って帰って隠し味として使いまくっていたなんて話を聞いたことがありました。
それぐらいに美味しいんですよね、醤油って。
日本
醤油に少し触れたという事で、最後は日本です。
やっぱり日本の文化といえば京都なんだなあ、と。
同じ関西方面という事でか、入り口には鹿が。
なぜクリスタルだったかはわかりません。
その奥には大仏。
先ほどいろいろな大仏を紹介しましたが、やはり日本の大仏は落ち着きます。
それとやはり絵。
美しく、奥ゆかしく、綺麗な絵です。
欧米のものと比べると「地味」とも表現できるかもしれません。
器も、青磁
織部
天目の茶碗
など、入り口の鹿がなんであんなにド派手だったのかと疑うぐらいに「静」の芸術。
昔ながらのというより現在の東京ではほとんどみられないであろう、畳をベースとした場が展示されており
BGMとして、こちらの石から水が流れる音が粛々と流れていました。
江戸のことについても度々触れられていましたが、やはり日本の原点というか、日本らしさを海外に表現するとなるとベースとなるのは京都なんだなあ、というのを改めて実感。
「日本に帰ったら京都観光したい」
そんなことを思ったニューヨークの美術館での日本コーナーでした。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
旅行をする中で、その町の美術館や歴史的な場所には行くことにしているのですが、ここまで世界中の文化に触れられる場所はなかったような気がします。
なにせデカイので。
本文の中では触れませんでしたが
リンカーンの像や
現代アート
レオナルドダヴィンチの書きかけの謎の作品
などなど、本当に見どころたっぷりの美術館でした。
一人の人間、料理人として、こういった芸術作品に触れられるというのは素晴らしい経験だったと思いますし、世界の中に入ることで、世界と比べることで、改めて日本らしさというものを感じることができました。
もちろん、比べてみる事でアメリカとヨーロッパの違いも感じられましたし、世界各国それはもう様々です。
本当に、文化って人間だよなあ、と思います。
どんな人間でも文化の中に入ればその文化っぽさが入るし、それが若ければ若いほど(何もなければないほど)スッと入る。
「僕には何もスキルがない」なんていういう人もいますが日本にいて、義務教育を受けて20歳まで生きればそれはもう世界で見たら十分な個性。
逆に文献を残す、文化の継承がほとんどなかった、無に近かったアメリカは歴史を重ねたヨーロッパと交わる事でほとんどヨーロッパになってしまいました。
なぜなら外から来たヨーロッパが物理的にもあまりにも強く、弱く、中身の薄かった先住民の歴史は後から来た大きなものに簡単に書き換えられてしまったからです。
確かにそれはGDPベースで見たら正解だったかもしれません。
ただ、「文献を残す」という術を知らなかったネイティブインディアン達の伝統料理は口頭でしか伝えられていなかったため、かなり曖昧なもののようです。淘汰されていくのが伝統とは言いますが、ゼロとなるのはやっぱり少し寂しいような。
僕ら人間は経験が積み重なっていくので、30歳の時にアメリカに行ったからといって急に夜中ピザを片手に街をふらふらするような事はないでしょう。
でもそれって素晴らしい事で、日本人として生きたという事をベースに新しいものを取り入れるとオリジナリティが生まれると思うんですよね。
世界で働いてみたり、観光してみたりすると、意外と自分らしさというものを目の当たりにできるかもれません。「自分探しの旅なんて意味ない」とは言いますが、一回やってみるのも面白いのではないかなと思います。
世界全体で見たときの自分の特異性に気づくかもしれません。
そんな事を感じた、メトロポリタン美術館でした。もしアメリカに行く機会があったら是非とも立ち寄ってみてくださいませ。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
そんな感じで、今日の話は終わります。
では^^
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![ゆーたろー(和の料理人)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8317634/profile_d2751aad5dcfe8a277195f28f63d4ff8.jpg?width=600&crop=1:1,smart)