京都大学の研究をベースに出汁を引いて味噌汁作りました。
「出汁でコケたらその日の味全部コケる」
という事を修行していた日本料理屋で大将が煮方の人に言っていたのをふと思い出しました。
こんにちは、ゆーたろー です。
というわけで今回は「コケたら(失敗したら)終わり」の出汁を、昔見た京都の大学と料理人さんが作った研究データをベースに温度と量を測りながら作る方法について紹介していこうと思います。
初めに
用意する食材はこちら。
・水 500ml
・かつお節 15g
・昆布 5g
・味噌 適量
・万能ネギ 適量
注意点としましては、水は軟水のものがオススメ。水道水だと変な匂いがありますし、硬水だとかつおや昆布の旨味成分が溶け出しにくいためです。
鰹節と昆布に関しては、出汁用のものであればとりあえずOK。お好み焼きにかける用の鰹節はあまりお勧めできません(おいしいけど)。
味噌は「出汁入り」と書かれたものや「添加物(アミノ酸等)」があまりないものが良いですが、とりあえず家にあるものでも大丈夫です。余談ですが「出汁入り」のものだとセブンイレブンのものが好きです。
それでは、調理に入っていきます。
調理編
まず初めに「昆布って前日から水につけておいた方が良いの?」という問題がありますが、正直、どちらでも良いです。
京都大学の研究による昆布出汁の最高の取り方は60度で1時間温めるというものですし、水につけた場合においても30分つけた場合と6時間のつけた場合の差はあまりないです。
ただ「あ、昆布水に浸けておくの忘れた!」という事を防ぐという意味では大事なので、うっかりさんは前日からつけておくのをオススメします(僕はそうしてます)。
また「今すぐ昆布出汁が欲しい!」という方は昆布に切り込みを入れる事で気持ち早く出汁を引くことができますので、いざという時にはそう言った対処法もあります(ごめんなさい、こっちの方法の方がよく使っている気がしてきました)。
というわけで、昆布を温めていきます。
「60度なんてわからんわ」という方は、鍋淵の気泡を見てあげるとわかりやすいです。大体70度付近になると鍋淵に気泡が見えてくるので、そこまでいきそうになったら火を弱めるなどしてあげると、目分量でもある程度ですが、温度のコントロールはできます。
全然関係ないですが、温度に対しても目分「量」って使えるんですかね?
そのようにしてざっくりと温度をコントロールしながら、味見をしながら、昆布出汁の味を見て、味がでてきたら昆布を取り外します。
昆布は70度を超えるとアルギン酸というエグミの元となる成分がでてくるので、そこだけは注意です。
昆布を取り出したら、そのまま昆布出汁を温めていきます。
京都大学の研究によりますと、ベストな鰹出汁の引き方は「85度」。なので、鰹節を入れると温度が下がるという事を加味すると、87度ぐらいで鰹節を入れるのが良いです。
なので、よくある出汁の引き方のポイントでもある「沸騰した昆布出汁におたま一杯の水を入れると温度がちょうど良い」と言う考えにそってやれば、良い感じに出汁がひけます。先人の知恵は偉大ですね。
通常の一番出汁ですと、軽くおたまでアクをとり、1分ぐらい鰹節をおいた後に静かに濾して、完成です。
ただ、今回はあくまで「味噌汁用」の出汁をひいているので、鰹節さんにはギリギリまで頑張ってもらいます。
95度以上まであげると香りが飛ぶ鳥のごとく消えていくので、とろ火にして5分ほど煮て、その後、鰹節が沈むまで待って、ザルで濾します。
鰹節の雑味はお吸い物などにする時にはあまり好まれませんが、味噌汁や煮物に使う分には奥深さになると思うので、しっかりと絞ります。
ここら辺、日本酒でいうところの「雑味」と考え方が近いような気がします。「綺麗な口当たり」の反語が「米らしい味わい」なのと同じように「澄んだ出汁」の反語が「奥深い味わい」なのと同じ感じです。わかりにくいですね。
ただ、めっちゃ熱いのでやけどにだけは注意です。
これで、味噌汁用の出汁が引けました。
あとはこちらを沸騰しないぐらいまで温めます。ここまでせっかく香りを残してきたのに、ここでグツグツさせてしまったら台無しです。
十分に温まったら、味噌を溶き、ネギを散らしたら、完成です。
見た目はこの上ないほどに地味ですが、出汁の良さを存分に楽しめる味噌汁です。
もちろん、色々な煮物料理やお浸しにも使えます。
「日本人は出汁の香りを嗅ぐと自律神経が整う」とも言われているぐらいに、出汁とともに生活してきました。ちょっと面倒かもしれませんが、もしよろしければお試しくださいませ。
では^^
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