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ヨーロッパSAKE事情 ~イギリス編~
こんにちは。
株式会社小林順蔵商店の小林佑太朗です。
今回は、ヨーロッパSAKE事情~イギリス編~を語っていきたいと思います。
イギリスの概要
ご存知の方も多いでしょうが、英国の正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」といい、英国もしくはイギリスはその通称です。これは、英国がヨーロッパ大陸の北西岸に位置するグレートブリテン島・アイルランド島北東部・その他多くの島々からなる同君連合型の主権国家であるからなのです。
事実上の公用語は英語であり最も広く使用されているが、いわゆるイングランド以外の地域では、スコットランド語やウェールズ語、アイルランド語も話されており、それぞれの国で話されている。
共通通貨はスターリング・ポンド(GBP)であり、EU加盟中もユーロへの通貨統合はついぞ実行されずに、その通貨は今も使用されています。
イギリスで一番記憶に新しいのは、2016年に国民投票によって正式に決定した「EU離脱」ではないでしょうか。この現象はBREXITと呼ばれ、広くEU圏外でも議論が交わされていたが、2020年1月31日に47年間加盟していたEUを正式に離脱しました。
様々な議論が交わされていましたが、イギリス国内では(意外にも?)肯定的な意見が多くこの決定を前向きにとらえているみたいです。
イギリスにおけるSAKE事情
皆様ご承知の通り、欧州の中でも英国での日本酒のプレゼンスは相対的に高くなっています。近年、認知度が上がってきたIWC(International Wine Challenge:国際的なワイン品評会)でも2007年から日本酒部門が設立され、この部門の受賞酒は「外国人に受け入れられやすい日本酒」として注目を集めています。2018年には、過去最多の456社から1639点が参加しました。さらに、10周年となる2016年には兵庫県、2018年には山形県で、IWCの日本酒部門が開催されています。
イギリス在住の日本人なら必ず訪れたことがある「JAPAN CENTRE(通称ジャパセン)」にも、様々な日本酒が数多く陳列されており、やはり欧州における日本酒ブームを牽引している国だなぁ、とおもわず感動しました。
きちんと冷蔵される必要のある日本酒は、きちんと冷蔵されて保管されており、やはりしっかりしてるなぁ、と何度も頷いてしまいました。
ただ、やはり現地の人に話を聞いてみると、イギリスに数多く存在する日本食レストランには(日本産の素晴らしいクオリティの)日本酒がいくつも並んでいるが、現地系のレストランに浸透していくにはまだまだ時間を要する、という話もありました。
しかし、首都ロンドンには多くの居酒屋や日本食レストランが存在していますし、やはり他の欧州諸国と比べると圧倒的に日本酒が浸透しています。
これからも欧州の日本酒ブームを引っ張て行くような存在であることは間違いないと思います。
イギリスに日本の酒蔵が?!
今回私は、英国の中心・ロンドンの他に、そこから1時間半ほど離れたケンブリッジシャー州にも訪問しました。この地には、2018年10月に新たにオープンしたDojima Sake Brewery(堂島酒醸造所)があります。Dojima Sake Breweryは、大阪に位置する堂島麦酒醸造所様が日本企業で初めて欧州に設立した酒蔵です。
Dojima Sake Breweryは、イギリス東部のケンブリッジから車で30分ほどのフォーダムアビーという自然豊かな町で酒造りを行っています。その敷地総面積は、10万坪という広大な土地で、その中には18世紀に建てられた重要建造物に指定されているマナーハウスが建っており、今後試飲会やイベントを行うそうです。
欧州にもこれまで現地系でSAKEを醸造する企業はありましたが、日系企業が欧州で醸造所をオープンするのは史上初とのことです。
お話をお伺いすると、機材から原料米から全て日本から輸入して、出来る限り日本と同じように酒造りが出来るように準備されたようです。
Dojima Sake Breweryのコンセプトは、簡単に言えば「SAKEの高級化」です。
本酒蔵の基本ラインアップは精米歩合70%の「堂島」と古式造りの「懸橋(ケンブリッジ)」です。これらの価格はいずれも1,000ポンド!つまり、日本円で約15万円です。
日本酒はその味わいや技術など、世界の酒と比較しても劣るものではないですが、まだまだ過小評価されてしまっています。
世界の数多くの高級レストランでは、価格が安すぎるという理由で日本酒がメニューに採用されないという事実があります。
Dojima Sake Breweryはその世界での日本酒の認識自体を変革させて、世界の名だたる高級酒に堂々と肩を並べられるよう日々努力をされております。
今後は、広大な敷地を活用して、酒蔵ツアーやレストラン、イベントなど色々と日本酒文化を伝えられるような取り組みを行っていかれるようです。
世界では、色々な視点から日本酒を盛り上げようと様々な企業が取り組んでおられますね。
これからも、もっともっと日本酒が認知されていくことを願っております。
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