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ポパイと千夜千冊のあいだ

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読んだ本を雑に、不定期に振り返ってみる。
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#本紹介

2025年1月に読んで面白かった本5選

マイケル・ライアン、メリッサ・レノス『映像分析入門』フィルムアート社凄く面白い。「映画がなんとなく好きなんだけどもっと深く考えてみたい」と思ったことがある人は絶対に読んだら面白い。技術的な分析と批評的な分析の2部構成になっていて、どっちからでも、目次を読んで関心のあるところから読んでも面白い。 例えば自分が好きな映画の1つに「マージン・コール」というのがある。この映画で不良債権の大量保有が発覚し、その対処についてエレベーターの中で2人の行員が議論するシーンがある。なんとこの

2024年10月に読んで面白かった本5選

先月、9月の5選はこちら 10月の本5選ヨハン・ノルベリ『資本主義が人類最高の発明である』News Picks Publishing 資本主義がテーマで、翻訳が山形浩生という最高タッグの本。問題は、反・資本主義を自称する自分にとってどこまで許容できる内容なのかというところ。結論、かなり説得されてしまった部分が大きい。最近特に、インパクト投資やソーシャルビジネスにかなり関心と期待を個人的に高めているのも影響していると思う。 本書はつまるところ、手放しで資本主義がいいんだ!

2024年9月に読んで面白かった本5選

上半期の40選はこちら 村上春樹『1Q84』新潮社かなり今更という感じではある。というのも8月の頭くらいから村上春樹にハマっている。既に『風の歌を聴け』、『1973年のピンホール』、『羊をめぐる冒険』、『スプートニクの恋人』、『海辺のカフカ』やいくつかの短編集とユリイカの特集を読んだ。そして今月中旬、1Q84を読み終えた。 総じて村上春樹作品はイキった青年が年上女性とああだこうだあってセックスする話。という印象がある。ただし、そこまでの過程がとんでもなく重厚でページをめく

2024年上半期 読んで面白かった本40選

2024.9.10更新 24年上半期のテーマは大きく、「民主主義」、「効果的利他主義の倫理」、「資本主義」(柄谷行人の反動)3つだったと思う。色々読んだり積んだりした中から、「今後も読まれ続けるであろう本」、「単純に凄く面白かった本」、「参考になることが多かった本」を中心に、社会学や哲学、サイエンス、ビジネスまで40冊を選んでみた。 後半以降、面倒くさくなってコメントを入れなくなった。気が向いたら加筆する予定。 社会学フェイ・バウンド・アルバーティ『私たちはいつから「孤