あなたの「アウトプット」はあなたの「インプット総量」に100%依存する
なぜ、あなたは、そして私は、ブレイクスルーを起こせないのか。20年社会人をやってきて、ようやく、社会における物理法則ならぬ「成功を近づける」法則が見えてきたので共有する。
先に結論
結論は、簡単なことである。下記のようなことが書いてある。
人は「今自分が知っていること」しか基本的にはできないよ(「知らないことはできない」の法則)
できることを増やしたいんだったら「インプットを増やす」ことでしか、実現できないよ(「知ってることを増やすとできることが増える」の法則)
人よりも仕事の成果を出したいなら、人よりも多くのインプットをしないとダメですが、その際に自分で「経験」することも重要(知識と経験の大樹)
インプットについても「量」と「質」が重要で、これはAIのディープラーニングにも通じるものがあるよ
平日も土日も、仕事のことを無意識に考えている人は、結局インプットが増えるんだよ(「プライベートでは一切勉強したくない人」の寓話)
営業時間中しか仕事のことを考えていない人は、公私を切り分けて、知覚系を分けちゃってるから、仕事のインプットはほとんど増えないんだよ
最前線から一歩引いたコンサルさんは、ぶっちゃけ1~2年で最先端を知らない人間になっちゃうんだよ
インプットする際は、同業界だけではなく、隣接する業界の成功事例もインプットしておくといいよ(「有名シェフはオフの日に別ジャンルの有名店で食事する」の法則)
ちょっと長くなるけど、適度に読み飛ばしながら読んでもらえると嬉しい。
そもそもインプットとアウトプットとは
先に用語を定義しておく。アウトプットから。
アウトプットの定義
ここで言う「アウトプット」とは次のようなものを指す。上司の立場で考えると「あの人に仕事をお願いした場合の、返ってくる成果」と言って差し支えない。
高い品質、高いレベルの仕事の成果、成果物
「仕事ができる」=「アウトプットの質が高い」仕事における「新規性・独創性」
「企画力がある」「発想力がある」=「アウトプットに優れる」
要するに「仕事ができるヤツ」=「アウトプットの質が高い、幅が広い」という考え方で、「アウトプット」を定義している。
また、インプットとは次の二つに分けて考えると良いだろう。
知識系インプット
知識系のインプットは直接仕事と関係しない、知識・経験・情報である。平たく言えば、読書が一番それに近いだろう。
読書、動画視聴など、情報の収集全般(二次情報:弱)
直接話を聞かせてもらうなど、質の高い情報の収集(二次情報:強)
自分自身が見たこと、聞いたこと、体験したこと(一次情報:弱)
知識系のインプットは、言ってみれば「知識と経験の大樹」で言うところの、枝葉の部分である。
経験系インプット
知識系のインプットに対して、経験系のインプットは、自分自身の大樹における「幹」や「太い枝」の部分に当たる。しっかりした幹がないのに、枝葉だけ多いことは基本的に起こりにくい(知識が定着しない)。太い幹に多くの枝が現われ、多くの葉が茂る。
仕事中に自分で経験したことは、失敗を含めて、自分の価値判断において非常に大きなインプットとなる。
仕事上の経験、体験、成功・失敗など、自分自身の血肉に基づく知識の体得・会得(一次情報:強)
他人の事例、他社の事例などを自分事のように考え、自分の引き出しを整理しておくこと(情報整理による組み合わせ)
「良い仕事が人を育てる」みたいな格言があるのがその証拠。
なお、ルーティンワークとして時給で働いていることの多くは、残念ながら「インプットに繋がっていない経験」である。
常にPDCAサイクルを考えて、成功と失敗を定義しながら行う経験が、一次情報としての自分の血肉として「幹」になる。次は成功させよう! と思う必要がないルーティンワークから、学びはない。(=インプットとは呼ばない)
「知らないことはできない」の法則
さて、アウトプットは本質的にインプットに100%依存するよ、の件。まずは一つ目の話から。
人は「今自分が知っていること」しか基本的にはできない。(「知らないことはできない」の法則)
すごく大雑把なことを言ってしまえば、
誰かからやり方を教えてもらう
自分でググるとかでやり方を見つける
本を読んだり情報商材を買ったりしてやり方を知る
こういう手段を取らない限り、人というものは「自分が知ってること」しかできない生き物である。あなたに振られる仕事の大半は「あなたが今できる事」でしかない。
「いやいや、ググってやり方調べればできるし。」とお思いの方も多いとは思うが、そのレベルの話はまだ良いのだ。問題は、
従来にない発想で、新しい販促プラン考えてみて
コールセンターの離職率を抜本的に改善するプランを考えてみて
新しい商品作ってブランドマネージャーやってくれ
と言った、ググってもやり方が出てこなかったり、そもそも公開されている情報が自社のケースにそのまま当てはめられないケースの話が問題なのだ。
もう少しわかりやすい例で言えば、若い頃、仕事の進め方がよく分らず、何時間も掛けていた仕事でも、コツを掴むことで、数分で対応できるようになる・・・、といった経験もあるだろう。(経験の効用)
人間は、今自分ができることしか、できない。知らないことは、できない。能力がないのではなくて、知らないことを、思いつくことができない。(稲作の例)
では、どうするか。
「知ってることを増やすとできることが増える」の法則
これは先に述べた「人は今自分ができることしか、できない」の解決策に他ならない。「知ってることを増やせば、できることが増える」のである。
その際「人よりも仕事の成果を出したいなら、人よりも多くのインプットをしないとダメ」ってこともまた、確からしいのである。
知ってることが多い人 >> 知ってる人
> 知らない人
なのである。物知りはそれだけで仕事ができる・・・可能性が高い。特に、先ほどの「知識と経験の大樹」でいう、枝の部分、つまり経験が伴っている人が強い。
つまり、幹だけが太くて、枝がないのに大量の葉を広げるタイプの「読書好き」「セミナー参加大好き」な人物よりも、太い枝となる自分の経験ジャンルの先に茂らす葉が多い人こそが、ビジネスにおいて優秀な人物である。
「知っていること」を増やしただけでは、「自分でやったことのある」人には勝てない、ということは知っておく必要がある。
自分でやったことのある人 >>> 知っていることが多い人
少し話を戻すが、ではなぜ「知ってることを増やすとできることが増える」のか。一つの社会的な事実として。「あなたに仕事をお願いしたいと思っている人は、あなたがどのくらいできる人なのか、見ている」からである。
こう書くと、まるで第三者があなたのできることを増やしてくれるようだが、一面ではそう言う事実がある。仕事をお願いする側も、失敗したくない。「今から振るこの仕事、相手はできるかどうか」、それは見ている。
そのため、人からもらう仕事については、あなたに仕事を渡す相手が、まずあなたの業務範囲が広がったことを知る必要がある。
相手に対して、業務範囲が広がったことを伝えるためには、あなた自身も「インプットしたこと」を何らかの形で「アウトプット」する必要は、ある。
上司との他愛のない会話の中で伝えて行く
何かの際に、私にやらせて欲しい!と立候補する(そもそもインプットしてないと立候補する行動には至らないことが多いだろう)
同僚などからの推薦(あいつ最近勉強してるみたいですよ)
SNS等での発信でも構わない(社内SNSとか実はすごく有益)
結局のところ、地道にインプットしたことを、これもまた地道にアウトプットしていくと、誰かが見ていて、あなたに次の仕事をもたらしてくれるのである。(あなたのことは誰かが見ているの法則)
インプットの「質」と「量」の話
インプットについても「量」と「質」が重要で、これはAIのディープラーニングにも通じるものがある。とにかく、Twitter界隈では「量」が大事だ! と言われているが、なぜなのか。
その説明は、画像解析の人工知能で説明できる。人間をAIだと思ってみよう。ある写真を見せたら、それが「猿」だと判断してくれる人工知能。
ディープラーニングのAIについては、「猿」の写真を「猿」だと教えてあげることがまずは必要。つまり正解を認識させること。
この写真は「猿」だ。
そしてその後は、猿と、猿ではない画像をひたすら画像認識させる。大量の数を処理することで、何が猿かどうか、特徴を理解していく。
・・・そうなのだ。「正解を教えてあげること」と「大量の数を処理すること」で、何が猿かどうか、特徴を理解していくのである。
新人、若手のマーケッターなどもこれと同じである。数個の事例だけでは、再現性のある経験として、血肉にはなりにくいのだ。
何が正解か、書物やセミナーで分かった気になっていたとしても、全く同じ条件で施策が行われることはまずない。
何が効果がある施策か、どんな変数によってその結果になったのか、ひたすら数をこなすことで、どの変数とどの変数がどう絡み合うと再現性のあるロジックが作れるのか、分かってくるのである。
あらゆる条件において、最適解を考え出すには、自らの経験や知見の絶対量が必要である。(もちろん、最初に「正解」を教えてもらえることも大変重要である)
インプットの総量を増やす方法論
では、どうやってインプットの総量を増やしていくべきか。一つのやり方は、インプットを増やす活動に、お休みの日などを設けないことである。
平日も、土日も、なんやかんや、仕事や自分のインプットを増やすことをそれとなく考えながら生きるだけで、良いのだ。
例えばこちら。
日常的に、自分の仕事のことや、マーケティングを考えていると、この例のような発見は枚挙に暇がない。毎日見つかる。逆に、何も考えていないとそもそもこの告知が「目に留まらない」だろう。
慣れてしまうととても簡単である。全ての経験は自分の糧だと思って生きていくだけなのだ。失敗も成功も。
ところが、世の中では大半の人が、「プライベートでは一切勉強したくない人」だそうな。
プライベートでは一切勉強したくない人
「プライベートでは一切勉強したくない人の末路」というテーマではすでに数年前に話題になっているので、興味があればこちらを参照されたし。
要点を引用すると・・・
プライベートな時間に仕事のこと考えなくても、優秀であれば、相応の評価は得られる
ただし、そんな優秀な人はごく稀なのが現実
自分がその「優秀層」ではない自覚があるんだったら、「プライベートな時間にも勉強する人」にはいつか抜かれるのは受け入れないといけないよ
ということである。
そう、あなたのアウトプットはあなたのインプット総量に、100%依存するのだ。プライベートタイムにもインプットしている人は、大体、強い。仕事が人生の一部なのだ。公私を敢えて分ける必要性を感じないのだ。
公私をハッキリ分けるタイプには損失も生じる
なお、プライベートな時間はきっちりと区別して、営業時間中しか仕事のことを考えていないタイプの人も、世の中では多い。そのタイプは、公私を切り分けて、知覚系を分けちゃってることが多いように思える。
つまり、仕事脳だったら得られたインプットが、仕事脳を完全にOFFにしているがゆえに、見過ごしてしまい(本人はその自覚がない=仕事に活かせる情報に接した自覚がない)、仕事のインプットはほとんど増えない。
そういう方はきっと、このnoteを見ることもないだろう。評価が不当だ! とか言われない限りは、それもまたその人の生き方であり、優劣を付けるものではない(うちの妻もたぶんそちら側の考え方)。
特に、PDCAを回しづらい、ルーティンワークで「労働の対価としての報酬」を得ている場合、公私を分けてしまうことが多いと感じる。
インプットすべき情報にも、最先端と周回遅れがある
次は、情報の鮮度の話である。
マーケッターは企業に属すだけではなく、独立することも視野に入る職種である。最近、なぜ自分は現職を辞めないのか、少し考えた。そして一つの結論に至った。
「会社を辞めると、最先端の知見が手に入らなくなって、自分という人間の価値が下がる一方」
そう思っていることに気が付いた。特に、自分が所属している会社が最先端、最前線に居る先頭集団だった場合、そこから離れるとその時点でその人は、止まる。(「攻略組は2週間くらいしか離れちゃダメだよ」の法則)
最前線から一歩引いたコンサルさんは、ぶっちゃけ1~2年で最先端を知らない人間になっちゃうリスクにさらされる。
もちろん「周回遅れの企業」相手にであれば、最前線に居なくても、周回遅れの知識で、2周遅れの集団のコンサルはできるので、需要と供給のバランスは、あっている。
周回遅れではない、最先端のインプットが得られる環境に居るのであれば、その環境を捨てる時点で「インプットする情報の鮮度・質」が落ちることは想定しなければならない。維持するのは相当な努力か、前職の協力が必要。
また、若手にとっては、「質の良い・質の高いインプットを得られる環境」こそが、自分自身を成長させてくれる環境だと思って、会社を見た方が良いだろう。
情報と情報が組み合わさることによる二乗効果も重要
インプットする際は、自分が属する業界だけではなく、隣接する業界の成功事例や、古典的な成功事例もインプットしておくといいよ、と思っている。
これは、有名店のシェフが、オフの日には別ジャンルの有名店を訪れる話と同じではないだろうか。フレンチの有名店のシェフが、和食の有名店を訪れて、自分のヒントにするのと同じ発想が、我々にも当てはまるはずなのだ。
これを「有名シェフはオフの日に別ジャンルの有名店で食事する」の法則と名付ける。
通販業界であれば、リアル店舗での成功事例もとても勉強になる。また、私はかねてより、ソーシャルゲームのもたらした、「人をダメにする課金システム」もかなり参考になる事例として研究しようとしてきた。(無課金で!って時点でダメか・・・)
特に、ログインボーナスや、次々と課金してしまう射幸性を刺激するテクニックには、学ぶべきものがある。
そういった、ノウハウを流用できそうな「横」の事例こそ、自分の業界に導入しやすいブレイクスルーの種なのだ。(これ、本当にマジです、一番簡単です)
発想の神の訪れには古典的な成功事例も有効
なお、お風呂に入っているときに「閃き」(ひらめき)が降りてくることがある。就寝しようと思って布団に入った直後にも、ときどき降りてくる。
たまたま頭がクリアになったときに、過去のインプットが有機的に繋がって、それが「閃く」って事なんだと思う。なんてことはない。「閃き」なんてものは、インプットの努力で生み出せると思う。
私は単品リピート通販という特殊な業界に属しているが「マーケティングの成功事例」全般に飢えている。
例えばだが、先日「神が降りてきた」と思った閃きを得たが、その際に着想のきっかけになったのは、アサヒビールがキリンビールに勝った、スーパードライの成功モデルである。
職業柄、競合調査などで多くのインプットをまとめて行っているが、それだけを突き詰めても、発想の神は降りてこないように思う。下記の様に図で示したが、自分主体の情報インプットだけでは閃きの神は訪れない。
バイブル的な成功事例と、自分主体の情報インプットと、合わさることで初めて、ブレイクスルーが訪れる確率が上がるように思える。(※N=1)
そして、この古典的な成功事例や再現性のあるノウハウは、読書をすることによって得ることができるのである。競合調査よりよっぽど安い投資である。ここに、読書の価値がある。良書には「再現性のあるノウハウ」が書かれているのだ。
ということで、ここでもまた明らかになる。あなたの「アウトプット」は「インプット総量」に100%依存するのである。
世の中では、偉くなればなるほど、アウトプットの質を問われるようになる。20代ではそこそこのアウトプットで許されたとしても、30代、40代になると「(知り合いの中では)あなたにしか出せないであろうアウトプット」を出せなければ、市場価値のある人材として認められない。
※「知らない人」= 一旦は競争相手ではない
以上、「アウトプット」を高めたいのであれば、まずは自分が「インプット」しているかどうか、しっかりと向き合ってみよう。
完
おまけ
以下は、D2C化粧品・健食単品リピート通販企業にて働く私個人のインプットの方法論である。私はこういうインプットを日々やってるよってやつ。本質論ではないので、大変恐縮だが980円の課金コンテンツとさせていただく。色々書いたら結構良い内容になってしまったので、当初100円だったが、約1,000円に値上げすることとした。売れなくて構わないので、もしご興味あれば。(ノリで書いちゃったので捨てるのもったいなくて)
主として、通販会社の競合調査の内容について触れているので、そこに興味があれば、約1,000円の価値があるかも知れない。なんだかんだ、おまけコンテンツで3,800文字あるので、無駄にはならないとは思う。
わたしのインプット方法の一端
競合商品の購入を通じたインプット
まず、私は競合企業の商品はとんでもなく、たくさん買っている。あらゆる情報インプットの中で、最も費用対効果が高いのは競合商品の購入である。ただし、結構時間も掛かるのも確か。
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