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福祉職にありがちな排除の論理

福祉の仕事をして15年になります。訪問介護、入所施設、障害者デイサービス、高齢者デイサービスなどを経験してます。

転職する度に、職場を転々としている質問をされます。仕事が嫌で人間関係が理由で転職した事は一度もありませんし、次に働きたい場所やキャリアの目標を決めて、退職した次の日もしくは有給消化中に次の職場の引継ぎに行ったりしながら休養や充電する事なく福祉の仕事を続けてきました。

その中で、ほぼ全ての職場で見てきた事と自分は何も解決出来なかったけど、そうならない環境を作る努力をした事を伝えていき、一人でも多くの方に伝わって福祉業界がより良い方向に進むといい提案をしたいと思います。

他人のせいや他力本願過ぎる

福祉の仕事に限りませんが「誰かがやってくれるやろう」って思っていたり、コールが鳴っても「さっき行ったし」「私ばっかり行ってる」みたいな場面はよく見てきました。事務所の電話でも平気で「私はわからないのでまたかけ直して下さい」と伝言のメモすら残さない人もいました。「私には関係ない」そんな事は職場にいる限り絶対にあり得ません。そういうのがまかり通るの福祉業界だけかもしれません。働いた事はなくても、客としてお店に行っても、会社を訪問しても、商品に問い合わせしても「私は関係ない」って客に言うた瞬間売り上げは無くなるし、会社も潰れかねません。コールが鳴ったら進んで行くし、周りが気を遣うくらい反応良く行ったら「次は私が行きます」って流れができました。ってか当たり前なんですけど。私ばっかり行ったら経験も積めるし、利用者からの信頼も大きくなる。

学ぼうという事より教えてやろうという意識

相撲部屋のような(入門した事ないですが)しきたりというか、長いこと職場にいる人のやり方と言うことを聞かないといけない場面も見てきました。それが利用者ファーストではなく職員ファーストであったり、施設ファーストであったりするから理由を尋ねても「昔から決まってる」やり方を変えたら「余計な事するな」「点数稼ぎか」と言われてしまう。郷に入れば郷に従えという考え方を全く無視するつもりはないが、ご利用者の満足度や自立や機能維持につながることを優先することで時間のかかる事もある。他にも例がありますが、しかし時間がないから介助(私からしたらお世話)した方が早いという理由で、施設や職員の都合でルールが決められていて、声の大きい勤続年数は長いけど知識は乏しい職員がグループの頂点に立っている。私の働く場所は障害者が多かったのもありますが、ご利用者が手伝っていただける事は施設の運営に関わる事については、ご利用者の意思とやりがいと「必要とされてる」「そこにいる」喜びにつながるので、すすんでやって下さる方にはどんどん協力してもらって学ばせてもらってます。また、新しい職員が来て、特に経験のない職員が来たら必ず聞くのは「世間の常識や人間の価値観と比較して、この施設の利用者は人間らしく過ごせているかどうか教えてほしい」って聞くようにしている。そうすると本当にわかりやすい答えも返ってくるし、より良い施設に変わっていく実感もある。もちろん、新しく入った人も最初から「やり方がおかしい」「変えてやる」だけでは良い関係性は利用者とも築けない。働く人全てが、周りの人から学ぶ姿勢を常に持ち続けないといけない。

親しみやすさと馴れ馴れしさを履き違えている

「信頼関係の証」と言ってタメ口であったり、くんちゃん呼びだったり、乳児や幼児のように対応、いや、扱っている場面を見た事がある。丁寧な言葉を使うように提案すると「よそよそしい」「距離を感じる」と返ってくる。サービスの7割から8割は国民の社会保障費で行われているサービスやないかい。自分だけはええのか?私が国民なら納めた金を返してくれって言うよ。ホテルのような対応をすればよそよそしさを感じるかもしれないが、「丁寧な言葉」は絶対に使わないといけない。そして仮に同じ苗字の都合なら名前の後ろに「さん付け」ご家族から愛称でと言われても愛称の後ろは「さん付け」でないといけない。そして職員同士も年上年下役職関係なく「さん付け」です。これは絶対です。常に監視カメラとご家族が盗聴してるっていう気持ちで仕事をすべきだと思います。

上記3つが揃うと「排除」がはじまる

本当に身勝手だと思われるかもしれないが、上記3つの対策をまだまだ不十分とはいえ自分が実行できたのは5年ほど前からです。それまでは上記3つのうちのどれかを場面によって行っていた記憶と心当たりがあります。そして福祉施設などで働く人の離職理由の半数以上と言ってもいいのが「人間関係」であったりするわけです。一つのグループで何人働いてるかわかりませんが、誰でも得手不得手があるわけで、コミュニケーションスキルはあっても介護技術は誰よりもあったり、その逆であったり、スタッフにも個性や性格があるわけだから尊重されるべきなのに、時には悪口を言ってストレスのはけ口にしたり、上司の悪口を言ったりしても楽しいとも思わないし「働きたい職場」にならないと思います。例えが極端かとは思うが、自分の好きな芸能人やタレントのマネージャーの仕事を頼まれたら、給料安くてもやりたいと思う人の方が多いと思います。誰かを排除したり、排除されたりが福祉職員の離職率が高かったり、人手不足につながっていると思います。あ、3K(きつい、汚い、給料安い)は福祉だけじゃないですから!他の業界もノルマであったり、顧客獲得の為の手段が自分のポリシーや哲学に反していたりなりふり構ってられなかったり、そういったしんどさや困難さとストレスを比較したら対価としての給料は安いかもしれない。だから福祉だけが給料が安いとかきついとか汚いとかは当てはまらない。またそういった理由で利用者に対してストレスをぶつける行為は虐待でもあるが、犯罪だと思います。福祉の給料を下げているのは社会保障費の枠組みの中でしか給料が払えないのもありますが、福祉の仕事が本格化してきた時と同時に広がってきたのがIT関係だったりして、顧客満足度の高い企業が生き残るという競争の中でサービスの質も高まっている。利用者からのセクハラとか暴力はどうすればいいの?って思う方は施設の方針や理念に沿って行動するのは当たり前で、上記に掲げた他のサービス業と同じような接遇や接客や対応を行った上での事なら、警察に通報すればいいだけの話です。1ミリでも対応に非があったり、言葉遣いなどの対応が悪ければ、利用者が納得してご利用いただくといった契約を結んだ施設の責任です。

仲間を大切に出来ない職員が利用者を大切に出来ない

最後はこれですよね。入ってきた職員は絶対に辞めさせてはいけない。仲間を尊重して仲間で経験と技術を積み重ねて、利用者の満足度と信頼関係を積み重ねて、自分の家族や大切な人が入ってほしい、利用してほしいサービスを提供できている施設かどうか?悪口や批判の空気は誰よりも利用者が一番わかっています。ある職場を退職する時は「アンタがおらんようになったらとんでもない事になるわ」って利用者から聞きましたが、その後はいろいろあったかどうかはわかりません。全て円満に退職して、今でも交流のある方も居ます。利用者から他の職員へのクレームなどを聞いても、「絶対に自分も言われたり思われたりする事があるので気をつけます」と返答していました、よくある質問かどうかわかりませんが、「私一人がそれをやっても職場は変わらない」って思っている方も多いでしょうが、間違いなく変わります。決まっていないやり方や方法を後に掲げる原理や法則や欲求に当てはめて支援すると利用者からの信頼は大きくなるので、周りも変わります。私も日々勉強で周りから学ぶ姿勢は忘れない事と、良かった時こそ「もっと良い方法があったのでは?」と考えるようにします。万が一「あなたのやり方や考え方が間違っている」と言われたら「この仕事の正しい答えはずっと探し続けないといけない」対案を申されたら利用者ファーストでなければ論外、そしてバイスティックの7原則とマズローの5段階の欲求と照らし合わせても間違ってると言うのなら改めます。というスタンスです。

久し振りに長文書きました。皆さんからのご指導をこれからもよろしくお願いします!


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yutakazu/想創家
オープンでフリーのノートとマガジンです。