
会員制カフェのすすめ - カフェ開業をしたい若手女性起業家の方々に -
「地元が好き。若くて経験不足でも女性一人でカフェをやりたい」という方を地方で折々で拝見します。
一方で、ざらりとした現実ですが、開店したものの、男性客の待ち伏せや、付きまとい、店内の長時間の居座り。
顧客の男性たちから、事実上の風俗店と解釈される。
耐えがたい大きな精神的苦痛が極まり、閉店に追い込まれてしまう事態が、残念ながらありえます。
対策で、「彼氏や旦那さんと一緒にやるか、用心棒の男性を雇えばいい」「夜のお店で働いて、男性のかわし方を学べばいい」「強くなればいい」と考える方もおられるかもしれません。
ですが、問題は男性側にあります。
女性問題は男性問題です。
男性のように強くなって、いわば名誉男性になる道が正しいとは思えません。
「男性の連れや用心棒がいないとカフェができない」は屈辱的であり、落胆。
もはや問いは、暴力との闘いです。
この問いを見誤ってしまうと、とても正しく対処できません。
不埒な男性心理としますと、若い女性が個人店でカフェを地元で開いてくれたら、「嫌がらせする先ができた」と喜ぶだけです。
解決の方向性の一つとして、会員制カフェにして、規約に賛同くださる方々だけを受ける選択肢は、もっと知られるべきと私は思います。
たとえば会員制カフェと検索すると、近年で少しずつ各地で広がっているようです。
従来の会員制カフェの多くは価格や効率が魅力とされましたが、担い手である女性起業家や、そこに来店される女性顧客の方々を守る仕組みとしても、重要と考えられます。
もしも規約なく「若い世代の女性が安心してこれるお店にしたい」と開店してしまうと、女性顧客や女性起業家を目当てにする男性たちが押し寄せ、精神的苦痛が高じては、痛ましいばかりです。
規約に同意した人しか入店できない会員制を採用し、暴力が構造的に発生しにくくして、場の安全性を担保するための工夫を進めることで、ご自身が本来やりたい事業が実現することが、大切と思います。
そして、もしも精神的苦痛に遭遇したら、またはかすかでも、その予兆を感じたら、どうかためらわずに、お仲間の方々、弁護士、行政、警察に相談することを提案します。
弁護士相談では、たとえば法テラスが各地にあります。
一方、もしその相談を受けたら、相談を聞いて瞬時に「性暴力の被害者だ」と繊細に察知する感性が欠かせません。
「つらかったよね。怖かったよね」と、まず痛みに寄り添うことが不可欠です。
それを飛ばして、まして雑な応答をしては、より相談者の傷が深まります。
被害者が何回も精神的苦痛を話すことは、より辛く、二次被害になりますので、専門家や司直に早くつなぐ対応も不可欠です。
"二次被害を防ぐために何ができるか"(警視庁)
https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/suisin/kihon/6/nakazima4.pdf
概念図に整理してみましたが、ジェンダーの理解そして女性支援ができなければ、女性起業支援はできません。

ぜひ次の記事も、ご確認をお願いします。
こと地方で男性があまりに個の尊重の理解が弱すぎる場合、女性たちが疲弊し、大都会に出ていってしまう。
このままでは、地方の持続性が弱まる一途です。
本来は男性の意識変革が急務ですが、現時点では会員制にして、若き担い手を暴力から守るやり方が、現実的かもしれないと痛感しました。
個の尊重の考え方を体系的に学ぶには包括的性教育が最善と思います。
私なりに勉強した理解ですが、「個の尊重」という切り口を用いると、現代社会のさまざまな問題の糸口が見事に見つかります。
「性教育とは、性行為の教育では」と矮小化した誤解が広まっていますが、「包括的性教育とは人間性教育である」と言えます。