【邦画】"告白"を見て、シーンを妄想しまくった。
ネタバレを含みます。
"告白"を見てから読むのをおすすめします。
それでも大丈夫な方はお進みください。
0. 映画”告白”の概要・登場人物
僕はNetflixで見ました。
2010年公開のR15+の映画で、原作は「リバース」や「ユートピア」の作品でも有名な”湊かなえ”さんの小説です。
映画の監督脚本は中島哲也さんです。
中心となった登場人物は、主演の森口先生こと松たか子さん、エイズの夫の桜宮先生こと山口馬木也さん、亡くなった娘役こと芦田愛菜ちゃん、新米先生の寺田良輝の通称ウェルテルこと岡田将生さん、主犯の少年Aこと西井幸人さん、と少年Aを捨て研究者への道に変えた母こと黒田育世さん、巻き込まれてかわいそうにの少年Bこと藤原薫さん、と、かわいそうにの少年Bの母こと木村佳乃さん、少年Aの彼女にもなる学級委員こと橋本愛さん、です。
また、映画ではモブキャラでも一人一人にニックネームがあったみたいです
では、ここからは本題の妄想をしまくっていきます。
1. 異様な冒頭。
生徒は森口先生の話を聞かない。それを生徒の一人が注意する。
みんながそれぞれアップになる。ケータイいじる。メールする。
それらがリアルに感じるが、よくよく思えば誇張されてる。だがリアル。
この教室冒頭のおかげで、すぐに学校ものの話とわかる。
それもちょっと暗い話で、森口先生の娘の死に関わる。
犯人探しか?と思えばあっさりネタバレ。
あれもう終盤?と思ったので、この冒頭だけで映画の何割か気になった。
まだ3割弱だった。
色調はモノトーンで、見ただけで暗い印象とわかる。
対して娘の回想シーンではセピア調で、過去とわかる。
冒頭だけでも、いろいろ感じるものがあった。
学校生活。いじめ。スクールカースト。成績優秀なやつ、落ちこぼれ。
先生は生徒を叱るものの、その先生も完璧ではないこと。
そして、少年法。
故意の殺人でなければだが、生徒の年齢の殺人が無罪になる。
こういうのをあまりに坦々と語るので、狂気を感じた。
見ていて思ったのは、
「先生という大人が、生徒というクソガキどもを蹂躙するさま」だった。
おまいら何もわかってないんだね。無様だね。自分で自分を守れない程度だから少年法で守られてるんだよ。せめて人様に迷惑かけないで真っ当に生きてね。みたいな。
そして誰とは特定されないが、メール文。
イデアのような、”生徒たち”という人間集団のグロさも感じ取れる。
2. エンディング:妄想によって広がる分岐
気になるエンディング。
本当に”少年Aの母”は、爆弾で死んだのか。
そこで、「a,生きてる場合」と「b,死んだ場合」を考えます。
a,少年Aの母が生きてる場合
まず、少年Aの母の死の描写が、少年Aの頭の中だけの想像のようにも見え、目撃したシーンではなかったことです。今までリアル描写だったのにいきなりのVFXでのCG映像が、これは少年Aの想像に過ぎないぞ、という印象づけにも感じました。
また、牛乳にエイズの血を混入するのも、桜宮先生によって事前に防がれているので、森口先生自身は、命を奪う行為はしていないことになります。
最後も「なーんてね」で結んでいるので、そこまではしていないような印象にもなります。
それに、あれだけの爆弾を学生が作れるとは思えない、とかもありそうですね。
また、先生をやめて学校を出ていった森口先生が、最後にまた先生として学校に戻り「ここから君の更生が始まる」と先生らしい言葉を、自分も涙目になりながら告げてます。
b,少年Aの母が死んだ場合
さあ本題です。笑
とにかく森口先生は復讐をしています。
何なら「周りに殺されたり自殺したりしてくんねえかなー」と、二人に限らず学級崩壊までお構いなしです。
牛乳に血を混入したかしてないか?そこはいいんです。
それ以上に、森口先生は”一度も自分の意志で復讐行為をやめていない”んです。
血の混入も桜宮先生のおかげで阻止されただけで、自分から止めるつもりは毛頭ないんです。
ファミレスで、少年Aの彼女に会ったときにとある子供からお菓子もらいましたが、ファミレスでてそれを見て泣いた後、「くだらない」ってなってます。
復讐をやめそうな伏線が、一向に立たない。
つまり、復讐は止まらない。まるで進撃の巨人です。笑
そして、少年Aの母の死に直結する爆弾問題。
少なくとも少年Aの母には会いに行っていて、爆弾が入っていそうな鞄を置いていっている。
そして、その爆弾は体育館にいる自分と生徒らを吹き飛ばすほどの火力。
少年Aは光の電子工作のインタラクティブや、危険な電気装置で科学賞を取れるほどの腕。そして母の優秀な研究者の血を引いている。
爆弾くらい作れちゃうよ伏線は立ってるんです。
そして少年Aは、森口先生から電話で聞いたとき、泣き叫びます。
爆弾のトリガーは少年Aのガラケーで遠隔起爆。そんな遠くは起爆できないなら、そこまで泣き叫ばないはず。そして爆弾開発者は少年A自身。
そして森口先生の最後の「なーんてね」
これ少年Aの口癖っぽいですが、これの意味するところが、
「先生として、君を更生させるためにいろいろ嘘ついたと思った?」
「命を大切にしてほしくて考えをあらためて欲しくてと思った?」
「違うよ?復讐だよ?ばーか。」
的なことだったんじゃないかと。
忘れてはいけません。少年Bを。
少年Bの母は死んでます。
少年Aだけ母が死なないでめでたし?そんなわけにはいきません。
つまり、
「少年Bも少年Aも殺すつもりだったが、二人にとって大切な存在の母を、自らの手で失わせるのも、復讐。」
とも捉えれるんじゃないでしょうか。
3. 若者の情弱性
エイズに対しての生徒たちの反応。エイズについてあまりにも知らなかったため、息を止めたり、触られただけでも感染するものと思い込んだ。
たしかに、バイアスや思い込みはあるだろう。それに結局少年ABも共にエイズにはならなかった。
人殺し。なら軍人は?人殺しにもさまざまある。故意。正当防衛。事故。それぞれの正義。
人殺しだから悪だ、とそれ以外の思考ができない。偏った全員一致の意見ほど危険かもしれない。
教育本の信者。新米先生のウェルテルも、教育本の信者すぎたためか森口先生の復讐にいいように使われてしまった。そしてそのことを明かされるまで誰も気がつかなかった。
少年法。ある意味これを知っているだけでも情強かもしれない。だがこれもバイアスで「少年法だから大丈夫」と身勝手していれば、やがて本質を見失い、取り返しがつかなくなる。
4. 命への問題提起
命は重いのか。軽いのか。
みなさんはどう思うでしょうか?
もしかしたら、"優生学"や"自分の価値観"で命の重さを変えるかもしれません。
僕が思うには、命の重さは、各々によって変わるんだと思います。
それはつまり、誰にとっての誰の命か。
「赤の他人が1000人死ぬ」のと「身近な人が3人死ぬ」のでは受け取り方が変わりませんか?
「蚊を叩き殺した自分」と「大切な人を殺した無差別殺人犯」では罪の大きさは、どう変わるでしょうか?
命の重みの多くは、主観で決まってしまいそうではないですか?
5. 復讐と更生
扁桃体と前頭葉な感覚もある。
感情に流されるのか。理性でコントロールするのか。
感情の扁桃体はアクセルで、理性の前頭葉はハンドルとブレーキ
なんて言ったりもしますが。
6. これはノンフィクションに元ネタがあるのか
編集者に「いい話は他の人もかける。悪意を書ききって。」みたいに言われたらしく、こんなドス黒くも、人間の底知れぬ深さを描かれた感覚になるんですかね。
フィクションだとは思います。
でも創作するときには作家さんの心も投影されると思います。どこか命に対しての思いがあったのかもしれない。娘を失うような重い思いが。
ルシファーのなんかは一応元ネタあるみたいっすね。
7. 情報なんて断片的
少年Bの母の、我が子を擁護するような話し方。
あっちが悪い。こっちは被害者なんですよ。
母親なんだから仕方ない?それってあなたの感想ですよね?
とか言ってる私は、自分の感想を書きまくってますけどね。笑
みなさんは情報を伝える時、どのように伝えているでしょうか?
あとがき
松たか子さんの、あの口角の上がり方がやばい。たまらん。
まあ確かに爆弾はやりすぎ感ありました。
せっかく電気系統の伏線があったので、たとえばプールの授業で感電死の機構とか。まあ爆弾も電気起爆なので良きですね!笑
このシーンを入れた意図は何なのか。なぜここでこうなのか。みたいな見方っていいっすよね。
にしても、パラサイトといい友罪といい、告白といい、なんかドス黒めの邦画とかがアジアは得意なのかな。深みがすごいんよ。
だから今度インド料理食べに行ってインド映画見よ。
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