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クラシックカメラ
カメラにハマっている大学生の上の子と新宿へ中古カメラを見に行った。
かくいう僕も15年程前まではジャンクカメラ修理が趣味だったので、だいぶ足繫く新宿西口に通ったものだ。
さて、クラシックカメラからは長く遠ざかっていたので、新宿のお店も相場もすっかり様変わりしており、当時は人気の高かったS型ニコン、ツアイス・コンタックス等はほぼ半値程に下落しており驚いた。
今はフィルムで写真を撮る事は金満な好事家のする事であり、ミラーレス一眼デジタルカメラが台頭してきた現在、レンズは資産として価値があるものの、ボディーの価値は暴落している様であった。
ただ、そんな中でもやはりライカは別格らしく、レンズ、ボディー共に未だ当時の相場を保っており、逆にレンズなどは高くなっている程である。
また、昔は雑多で黴臭い雰囲気のカメラ店が多かったものだが、子供に連れられて入った「北村写真機店」はオシャレで若い人や外国人に人気のお店の様だった。
ジャンクフロアもあったりして、当時の僕だったら喜び勇んで入り浸っていた事であろう。
ところが今はカメラに対して殆ど興味を失ってしまったので、子供がレンズを物色している間、ヒマでヒマでしょうがない。
あんなに大好きだったクラシックカメラ店でこんな心情を抱く事になるなど思いもよらなかった。
ライカ、コンタックス、S型ニコン、バルナック・キヤノン、ローライコード…仕事場の飾り棚で今も鈍く輝いているクラシックカメラを見るたびに、若人よ、今、楽しい時に楽しんでおけ。と思わずにはいられない。
どんなに好きなものだって、いずれは色彩を失ってしまう。
この歳になると、何かを心から好きになる事だって稀になるのだから。