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指を下げる

こんなジェスチャーをしている絵、あるいは写真を初めて見たのはいつのいつのことだったでしょうか。はっきり覚えているのは、イタリア ローマに旅した時に夫が買ってくれたローマについての日本語版(ちゃんと日本語の本がイタリアのお土産屋さんにありました。50年以上前のことなのですが)に沢山載っていたことです。

それを見て「ああ、そういうことなんだと思ったことを覚えています。

不賛成、拒否を意味する英語にthumbs-downというのがあります。thumbと言うのは親指です。

英語では親指と他の指とを区別して親指だけはfingerを用いず、thumbを用います。(ただし、場合によっては日本語と同じでfingersで親指も表すことがあります)

つまり、 thumbs-downとは、直訳すると「親指を下げる」と言うことになりますが、それがどうして不賛成の意味になるのでしょうか?

これは古代ローマ時代に遡り、闘技場の慣習に由来するのです。

観光名所のなっているローマの有名な遺跡に巨大な円形闘技場コロシアム、古代ローマ時代にはそういった闘技場でよく剣闘士の試合が行われました。



映画『 グラディエター」などでご覧になった通りです。試合で勝敗が決まると、勝者は観衆の方を振り向く。そうすると、観衆たちは親指を上げるか下げるかによって「殺すなか「殺せ」の合図を送ったのです。

なんともcrazyな習慣だと思います。

野蛮なこと!

観衆が親指を上げると敗者も健闘したのだと認められたことになり、その命は救われたのです。下げれば、勝者は敗者を殺すことができた・・・。

ここから親指を下げるthumbs-downが不賛成や拒否を意味するようになったのです。

ところで、海外で見た剣闘士についてのTV番組で言っていました「剣闘士として戦うことは非常にハードなので,剣闘士は20回競技場で戦うとリタイアしていいのだと。後はゆうに暮らせしていけるお金をもらえる」と。

映画で見た彼らの姿とはずいぶん違うと思いませんか。

 thumbs-upとは逆に親指を上げるthumbs-upはアメリカ人がよくするポーズ。

例えば、1992年当時のブッシュ大統領が夫人と来日しましたが、帰国時、夫妻は見送りの人々に向かって親指を突き出すhumb upポーズを見せています。これは、大丈夫、うまくいった、満足と言った意味でしたしぐさだったのでしょう。

さて、競技場で行われたこの野蛮な「催し」が一つだけ今も残っているのをご存じですか?

スペインと科に行かれた方は見られたかもしれませんね。メキシコでも見られると聞きました。

私は無理です。そんなもの見たいとは思いません。

闘牛です。

スペインの闘牛場の隣には闘牛で死亡した牛を解体するところそして肉屋さんがあるそうです。

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