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トルコのチャイ

来月のトルコ旅行を前に、このところトルコのガイドブックなどを開ける機会が増えました。たくさんトルコのことを学んでいます。

トルコへ行くとトルコ人がチャイを飲みながらおしゃべりをしている姿をよく見かけます。それもそのはず、トルコは世界一のお茶の消費国なんだそうです。最近のデータではトルコ人は一人当たり年間4キログラムのお茶を飲んでいるそうです。

日本人は一人当たり年間約1キログラムにも満たないため、何と4倍も違いが・・・。チャイが大好きなトルコ人は一日に何度もお茶を飲む・・・。

トルコは紅茶の生産が盛んで世界でも6番目という生産量を誇っているようです。ほとんどがリゼと言う地域で生産されているんだそうです。

リゼは黒海に面していて冬は暖かく夏は涼しいという恵まれた気候の地域。急斜面の土地に一大プランテーションが広がっているそうです。一年を通じて一定の雨量がある場所なので茶の木の栽培に非常に適していると言われています。

トルコ紅茶の歴史は意外と新しく1930年にジョージアから持ってきた種をリゼに植えたのが始まりと言われています。トルコでは紅茶よりコーヒーの方がずっと歴史が古く、紅茶が飲まれるようになったのは最近のことなのです。

1924年、トルコ共和国初代大統領ケマル・アタチュルクがコーヒーより安価でできる紅茶の生産を始めるべくリゼを生産地と決定し、栽培が本格化したのは1800年代後半でした。その後、国の財政難でコーヒーが輸入できなくなり、紅茶の生産が増えていったようです。

トルコで一般の人々まで広く紅茶を飲む習慣ができたのは19世紀後半以降、オスマン帝国時代と言われています。当時、財政難だったオスマン帝国が高価なコーヒーに代わるものとして、イラン経由で入ってくる安価なインドの紅茶を購入していたため、トルコでも広く紅茶を飲むようになったようです。

トルコでは紅茶のことをチャイと呼びます。チャイというと私たちはインドのチャイを想像してしまいがちですが、トルコのそれはミルクティではありません。トルコの茶とは砂糖をたっぷり入れて熱々のまま飲むのが一般的です。

茶葉をに出して淹れるトルコの紅茶は味が濃く、渋みのある不快味わいが楽しめるのが特徴です。

トルコ人たちは熱々のチャイを飲むのが一般的のようです。猫舌だから私としてはつらいところ・・・。

しかし、熱々だからと言って冷めるまで待っているとお茶を持って行ってしまう店もあるくらいらしいですよ。熱々のを持ってきてくれるのでトルコで紅茶を飲むときにはやけどをしないように注意することが必要です。

トルコではチャイは熱いもの。グラスのふちを親指と人差し指でつかむようにして持ってゆっくり飲むのがコツのようで、トルコでの絶対的王道のスタイルは紅茶にたっぷりの砂糖を入れて飲むということのようです。

トルコでは赤に近い鮮やかな色の紅茶がよく煮出されていて味も香りもおいしいとされています。このような紅茶は「ウサギの血のチャイ(ダウシャン・カヌ)」と呼ばれ、上質な紅茶として重宝されているのです。

世界一の紅茶消費国トルコでは、人々の生活に紅茶が密接にかかわっているようです。トルコ人が一般的に利用するチャイ屋さんが「チャイジュ」です。

街角や路肩の一角にある小さな店で腰掛や椅子がおいてあり、その場でもチャイをいただけますが、主に近隣の会社や店、家などに配達を行っています。

グランドバザールグランドなどで買い物をしているとバザール、チャイをのせたお盆をもって店々を回っているチャイジュの店員さんの姿を見かけます。トルコの人々は気軽にチャイジュにお茶をオーダーするのが一般的なのだそうです。

トルコ人は紅茶をマグカップなどで飲むことはせず、専用のチャイグラスで飲みます。チャイグラスは手のひらサイズで、チューリップのような形をしています。小さな受け皿もついていて、皿ごと手にとってグラスをつまんで持ちながらお茶は飲みます。

チャイグラスはその曲線の柔らかさも美しく様々なデザインが施されているものなどもあり、トルコ土産としても人気が高いです。

紅茶を飲むときはもちろん、日本酒を飲むときなどに使ってもおしゃれではないでしょうか。インテリアとして飾っておくのもいいかも・・・です。

チャイグラスの形はかわいいですよね。これはチューリップの形を模してデザインされたものだそうです。

ところで、お店の外とかでのんびりと座り込んでゲームに興じながらチャイを飲んでいる・・・そんな姿が50年ほど前にはよく見られました。特に男性で・・・。私としては彼らは仕事がないのか、などと思ったものでした。

トルコも変わりました。そんな暇そうな人もそう見られなくなりました。イスタンブール市役所からさほど遠くないアクサライなどは市内で一番発展しつつあるところなのでしょう、ツーリストの往来は多いし、皆忙しそうに見えました。

お茶も世界それぞれですね。この間のタイ旅行ではセブン・イレブンなどのコンビニも大手のスーパーにもタイの紅茶かグリーンティしか売っていなくて・・・紅茶がなくてずっと飲めませんでした。

タイの紅茶ってどんな茶かご存じですか?赤茶色で渋みがあって、まあ、おいしいと言えばおいしいのですが、毎日飲む気がしませんでした。

ずっと以前、ベトナムで飲んだグリーンティはすごく美味しかった・・・喫茶店で特別に淹れてくれたお茶だったのですが。

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