お米の炊き方はいつもいっしょ?
今でも学校ではご飯の炊き方なんて学習しているのでしょうか。私も母を手伝って小学生だった頃からご飯を炊いていた記憶があります。
まだ、その頃はガスが通っていませんでした。台所の片隅に土でできたかまどがあったのです。毎朝、小さな木片に火をつけるところからご飯炊きは始まっていました。考えると便利になったものです。
イタリア、ポンペイの遺跡を見に行った時、私が幼い時から見ていたかまどとよく似た形態のかまどを見つけ何千年前から遠く離れた国でも同じような設備、方法で調理はされていたんだ、人間の考えることは材料さえそろえばどこでも同じか、と思ったものでした。
ガスが実家に通ったのは私が小学校4年生の時でした。プロパンガスでしたが。それでもご飯炊きにはかまどがまだまだ活躍していたのを覚えています。実家の家が新築されるまで、時にはかまどは使われていたのでしょうか。なつかしい景色です。
時代は変わって、今じゃあ、オール電化でシステムキッチン…。クリーンでいいですが、何かの時に電気がストップすると全部アウトでお手上げになりますね。
中学生になると、どれくらいの分量の水を入れて炊く、とか習いましたね。
それが、ノルウェーでご飯に関してすべてのことをご破算にしてしまう炊き方を学んでしまいました。
まずはお米は無洗米でした。お米は箱の中からがさがさと音を立てて鍋に落ちました。
ノルウェーにおいて、ご飯が食べたいときは、私は鍋で炊いていたのですが、義母やお姉さん、友人宅はなぜかフライパンでした。
では、彼らの炊き方です:
フライパンにお米を適当に入れ、次は水ですが、これも適当に入れ火を付けます。はじめちょろちょろなかぱっぱの、やり方ですが、まあ、最初はこのやり方に沿っています。
ノルウェーの調理エネルギーは電気ですので、少々時間がかかります。じわじわと熱くなって、やっと沸騰したら,彼らのやり方に沿うと、とにかくそのまま強火にかけておきます。
どうなると思いますか?
お米がご飯になるまでひたすら炊き続けるのです。ときどき柔らかさをチェックしながら。
炊きあがった時、水気が多すぎたら、それは単に捨ててしまって、それでご飯は炊きあがったことになります。
何も考えることなく、適当な分量のお米、水で調理するので面倒は無いかも知れません。
おいしそうに思われたら、試してみてください!
友人宅でご飯炊に遭遇した時には大変でした。私のために用意してくれようとしたのでしょうか。私もノルウェーに住みだしてからそう日がたっていなかった時で、電気でご飯を調理するなんて、どうも勝手が違っていて、急に「次はどうしたら?」と言われても戸惑ってしまいました。
沸騰している段階で、台所に呼ばれて「次はどうする?」と聞かれてしまったのです。
はて?と思っていると、「日本人でしょう?毎日、お米を調理し、食べているんでしょう?」と言われてしまいました。
皆さんだったらどうされます?
のちに鍋を半分くらいずらしておけばいいのだ、と言うことを学び我が家でも実践しました。もっともそんなことをしている人はノルウェーではいませんが。
なお、お米を洗う、と言う表現は生徒さんでも何も考えず(?)日本語からの直訳で、I wash rice などと言いますが、これは間違いで、正しくは、polishを使います。
海外のテキストにお米の炊き方でPolish rice madlyと載っていました。「気が狂うほど洗え」て、どれほど洗うんだ?と思ってしまいますが。
さて、炊きあがったご飯ですが、たいていはライスプディングなどのデザートになります。
ご飯を炊く、たったそれだけ一つをとっても万国共通ではないということを学びました。白いごはんのまま食べるのは、日本と中国の一部、そしてインドネシア位だということをどこかで読んだことがあります。私は韓国もそうだと思うのですが。
インディカ米を食べる料理圏では鍋がぐつぐつ沸騰してお米のねばねばの汁吹きだして来たら、ふたを開けてねばねばの部分を救ってとってしまう、と言うのが常識みたいです。