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風を表す英語で一番強力なのは?

台風の季節ですね。年々、台風が大きくなっているようで怖いですね。

平安時代には台風という言葉はなくて野分と呼ばれていたとか。野分なんて美しい表現だと思っていましたが、野の草を吹き分けるほどの強い風、台風の余波の風も野分と呼んでいたとか。

台風を台風と呼ぶようになったのはほんのこの間・・・明治時代だそうです。意外ですよね。

風を意味する英語と言うと一番に脳裏に浮かぶのはwindでしょうか。これは風を表す最も一般的な言葉でしょう。英語のクラスでも「風が吹いている」と言うとすぐに皆さんはIt is windy.と言う表現を上げるようです。

風の強さの順に並べると、最も強力なのがhurricane やtyphoon、それから tempest大嵐、 storm暴風、 gale強風、 blast疾風、 gust突風、 breezeそよ風となります。

我々は嵐と台風を混同しがちですが、正確にはtyphoonも hurricane も地域的な名称であり、typhoonは西太平洋で発達した熱帯低気圧が北上し、中国や日本その他のアジア各地に到達するまでに被害をもたらすほどに発達した大風のことです。

hurricaneは、カリブ海で発生し、アメリカを襲うもの。このほかにもインド洋に発生してバングラデッシュを襲う大風をはcycloneと呼ばれ、チモール海で発生してオーストラリアを襲うのをはwilly-willyと呼ばれます。

hurricaneと言う言葉は嵐を意味するスペイン語から生まれた語です。 typhoonは台風の音訳です。台風は日本語として定着していますが、もともとは中国語で大風の意味であり、台風は古くはtyphon と書かれたこともありました。

typhon「激しい嵐、竜巻、トルネード」は1550年代にギリシア語のtyphon「竜巻」から派生し、巨人で風の父とされる人物に擬人化されまし た。おそらくtyphein「煙を出す」から派生したか、または、  PIE dheub-「深く、空洞」から派生し、「深海の怪物」と言う概念を経て派生したとされています。これはアラビア語、ペルシア語、ヒンディー語で「大型サイクロン嵐」を意味吸うtufanから来たもの。

Al-tufan は洪水や嵐を意味するコーランで何度か使用されており、ノアの洪水にも使用されています。中国語(広東語)のtai fung「大風」も英語の単語の形式または意味に影響を与えた可能性があり、この用語とインドの用語は相互に影響を与えた可能性がある。インドでは toofanは今でも「大嵐」を意味するそうです。

この言葉のこの意味は東インドの巨大な嵐に関するもので、16世紀半ばのポルトガル語で「サイクロン。インドまたは中国海の激しいハリケーン」という意味は、最初のヴェネチアの商人であるaesar Fredrickがインドへの公開のイタリア語の報告書のThomas Hickockoの翻訳で1588年にはじめて記録されたそうです。

155年にtyphonの語がつかわれるようになり、1588年にtyphoonが使われるようになりました。この2つはoが多いか少ないかだけの違いですが、 語源が違うとか、ギリシア詩に登場する風の神Typhoeus に由来するという説もあります。

アメリカではhurricane とtyphoonに名前を付けている。この慣習の起こりは20世紀の初めオーストラリアの天気予報官がハリケーンに自分の嫌いな政治家の名前を付け間接的にその政治家を批判したことだとか。その後、第二次大戦後、米の気象専門家たちはハリケーンに使や恋人に名前を付けるようになり、その後、アルファベット順にあらかじめ決めた男女の名前を付ける慣習が固定したようです。

日本語の台風の語源は日本語でなく、中国語か英語の様です。言葉は時代とともにさまざまな影響を受けて変遷していくものなので、どれが先と言うよりはイギリスや中東の国々との貿易船の往来により、台風と言う自然現象を様々な国の貿易商が伝えあっていくうちに言葉が変遷していったのでしょうね。

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