【楽】いますぐ儲からなくても、かならず報われる時が来る思考
私は7足のワラジの中でも、セールスエンジニアが最も長いキャリアです。
スタートは24歳で、現在までで10年以上セールスエンジニアとして活動してきました。
当然「セールス」と名前がついているので営業も仕事のウチです。
儲けることは大事だが全てではない
企業に勤めている以上、営利目的で活動しているので儲けが必要です。
従業員の給料・オフィス賃貸・仕入れなど、金銭がないと事業が立ち行かなくなります。
しかし、儲けばかりに目が向いていると息切れを起こします。
10数年前、とある店でひとり飲みをしていたら、隣の女性が話しかけてきました。
仕事は営業ということでしばらくは話がはずんでいたのですが、突然
「高いものを買ってもらうとき、どうしてる?」
と聞かれました。
私は素直に
「嘘はつかずに信用してもらう」
と答えると、彼女は
「へぇ~、私は床に頭をこすりつけても靴を舐めても買ってもらう」
と言ったのです。
他人の営業手法なので否定するもしないもありませんが、私の引き出しにはない手法を主張してきたのです。
私は
「その先には何があるの?」
と聞くと
「儲かって私がトップになる」
と答えていました。
名前も知らない女性営業さんですので、今でも営業を続けているかは知りません。
しかし、その手法で長くリピーターになってくれる顧客はいるんでしょうか?
その先になにか計画があるなら別ですが、靴を舐めるだけの営業は世の中の役になってないので、淘汰されます。
自分の信念や生き方を否定してまで儲ける仕事は長続きしません。
本当にその商品の良さを理解する・その商品が世の中のために役立つと自信を持ってすすめるほうが、顧客に高い満足度を提供できるんです。
もし「死ぬまで売れ、お前の代わりはいくらでもいる」という会社で働いていて辛い思いをしているなら、今すぐ辞めましょう。
「売れない」には理由がある
営業マンにも上手い・下手があり、売れる人と売れない人には大きな差があります。
私は24歳でセールスエンジニアになり、地方拠点で5年間勤めましたが、運の要素もあり5年間営業予算を達成していました。
しかし、私は自分で「スーパー営業マン」だとは1秒も思ったことがありません。
なぜなら、営業ひとりで儲けられるわけではないし、一回だけの取引をたくさん積み上げた「ノンリピート」の営業ではないからです。
私が考えるスーパー営業マンの定義は「気づいたら顧客側から連絡している」人のことを言います。
自分から訪問や電話営業などの営業活動をしなくても、お客さんの方から「買いたいから売って!」と来るんですよ?
自分は待ってるだけでどんどん売上が上がる。
最高の営業ですよね。
でもさすがにそんな人はレア中のレアです。
逆に顧客からの連絡もないし、営業活動をしていても全然注文がもらえない、という方のほうが多いと思います。
そんな方は、ぜひこの言葉を心に刻み込んでください。
先義後利
「せんぎこうり」と読みます。
道義を優先させ、利益を後回しにすること。
「義」は人として当然あるべき道の意。「利」は利益のこと。
引用:三省堂
つまり、「人のためを思って義理を果たせば利益は後から来る」という言葉です。
この先義後利を会社の理念に掲げたり、先義後利の信念を持ち社会貢献している方はたくさんいます。
元文元年(1736年)、業祖・下村彦右衛門によって「先義而後利者栄」を事業の根本理念として定めました。この言葉は中国の儒学の祖の一人、荀子の栄辱編の中にある「義を先にして利を後にする者は栄える」から引用したものです。企業の利益は、お客様・社会への義を貫き、信頼を得ることでもたらされるとの意味で、言い換えると「お客様第一主義」「社会への貢献」となります。これは、大丸グループ共通の精神、営業方針の根本となってきました。
引用:大丸
~前略~
「お客様第一主義」「社会への貢献」であり、ステークホルダーの皆様のことを考え抜き、行動することが、延いては事業の発展につながるということとなります。事業活動を通じて社会課題の解決を実現する“共通価値創造(CSV:CreatingShared Value)”とは、すなわち、当社グループの社是を愚直に実践することに他ならないと考えています。
引用:J.フロント リテイリング
いきなる商品を売るのではなく、まずは相手と人間的な信頼関係を作ることから始めるのが先義後利です。
「はじめまして、商品を買ってください」
これでは誰も話を聞いてくれません。
まずは『貸しを作る』と考えて行動しましょう。
相手が欲しい情報を渡してあげる。
相手の興味ある分野の情報を「お役に立てば」と言って渡す。
そうすると、不思議と相手はあなたのことをよく思い出し
「あの情報も持ってるかな?」
と連絡をくれるようになります。
まだ商品を売っていない状態ですが、すでに顧客の担当者とは人間的に話せる関係性を作れたことになります。
立場を対等にする
はじめから「売る側」「買う側」になると、取引を行っている間はずっと相手が上の立場になってしまい平等なやりとりができません。
敬意を払うのは前提ですが、神のように崇めるのは間違っています。
買う方も売る方も、どちらも「ありがとう」で終わることで、次回はもっと濃密で意味の深い取引を行うことができます。
そのためにも両者の信頼関係を築く必要があるんです。
『両社』ではありません。『両者』です。
購入相手は”あなたの会社”から買うのではなく”あなたから買う”ことを無意識で考えています。
あなたが家電量販店の<Aカメラ>と<Xカメラ>へ、イヤホンを買いに行ったとしましょう。
望みのものはなかったが、性能・色・価格すべて自分のイメージに近いものが見つかった。
どちらの店も3,980円、ポイントも同じ。
<Aカメラ>は、多くの情報を教えてくれた上であなたが欲しいとイメージしていたイヤホンをすすめてくれた。
<Xカメラ>は、質問したことには答えてくれたけど、それ以上の情報は言ってこなかった。
さあ、どちらのお店で買いますか?
言いたいことはわかりましたよね?
そういうことです。
おわりに
これからの時代は、どんどんITが進化しAI・DXなどデジタル社会になっていきます。
デジタルが主流になってくるからこそ、アナログの力が差別化のポイントになります。
目の前にある儲けではなく、来月花開く『義』を相手に渡し後から『利』をお返しいただく感覚で営業してみると良いかもしれません。
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