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サインは◯◯で決まり!

「サインをいただくことになっているのですが…」

「へ、サイン…?そんな話ありましたっけ…?」

これは伊勢丹の社員と私の間で交わされた会話の一部だ。もちろん、前者が伊勢丹社員、後者が私。


今日は伊勢丹新宿店で明日からはじまる「サロンドパルファン2024」の設営及び内覧会だった。

午前中にヒゲを整え、ランチをかきこみ、午後一で伊勢丹へ。設営中に別のミーティングが入ったり、広いスペースをどううまく活用しようか侃侃諤諤の議論をしたり、調香師Jean-Michel Duriezを迎えに行っていたら、あっという間に内覧会になってしまった。

2時間の内覧会も、新作が気になってきてくれたお客さんや訪ねてきてくれた知り合いに応対していたら、矢のように過ぎていった。予想以上に新作「10-20 蜻蛉」の評判がいい。そして私としては意外なのだが、昨年限定ボトルで出した「7-18 浮舟」の通常ボトルバージョンが高評価を得ている。

どんなサロンドパルファンになるかな…ここ数日のハードスケジュールで既に満身創痍だが、この先の6日間、楽しみながら駆け抜けたい。


ところで。

設営中に、今回çanomaを担当してくれていた伊勢丹の社員さんに声をかけられた。つまり、今回私たちに終始迷惑をかけ続けられた張本人である。

会った瞬間、私は土下座をするべきか迷ったが、先方が笑顔だったので、事なきを得た。

彼はいくつかの事務的な確認事項をするためにブースに来たようだ。チェックリストの事項をひとつずつ確認しながら、丁寧にリストを埋めていく。私はまた何か“やらかして”いるのではないかとドキドキしながらも、そのリストが埋まっていくにつれて、心の中で安堵がゆっくりと広がっていった。

特に問題なくチェックが終わった。よかった、これであとはお客さんを迎え入れるだけ、と思っていた直後に交わされたのが冒頭の会話だ。


「へ、サイン…?そんな話ありましたっけ…?」

「はい、有識者のパネルが店内奥の方にあるのですが、そこにサインをいただくことになっておりまして」


「サロンドパルファン」における「有識者」とは、各ブランドにおける特別ゲストのことを指す。例えば海外のブランドであれば来日するファウンダーや調香師がそれにあたる。

çanomaにおける有識者を誰にするか尋ねられた際、せっかく調香師Jean-Michel Duriezが来日するのだから、彼を有識者として申請しようかとも思った。ただ、最終的にはやはりファウンダーである私を有識者とした方が自然だろうという判断を下した。


今日設営時に知ったのだが、各ブランドの有識者は店内奥に各1枚のパネルで掲示されている。そしてその伊勢丹の社員によると、有識者は自身のパネルにサインをすることになっていたようだ。

し、知らなかった…


これまでもお客さんからサインを求められたことはある。その際は、日付と名前に加えて、筆記体で「Merci beaucoup :)」と綴って“お茶を濁して”いた。一般人である私が慣れた手つきで“キメキメのサイン”をしていたら、それは些か違和感のあることだろう。だからあえてサインなんて準備してこなかったし、お客さん個人へのサインであれば、これだけでも十分に“様になっていた”(と思う)。

それが、パネルへのサインとなると話は違う。衆目に晒されることになるのだ。しかも私以外の有識者はそのご尊顔を拝するに、皆たいそう立派なサインを持っていそうなのである(その時点ではまだ誰もサインをしていなかった)。

ブースの設営はまだ終わっておらず、内覧会がはじまるまではもうあまり時間はない。サクッとサインを書いて、準備に取り掛からなければならない。


どうする、私…?


もうどうにでもなれ!という気持ちで、いつもの通り私は、私の名前を殴り書きした。

すると、右下に不自然なスペースが空いてしまった。何かで埋めたい。どうしよう、何で埋めよう…

咄嗟に私は、そこにイラストを描いた。

それが、こちら。

渡辺裕太2024、有識者パネルの前にて(パネルの写真は渡辺裕太2020)

おっと、これは会場でぜひ実物を見てほしいので、ここでは秘密。


ということで、今回の「サロンドパルファン2024」で、もしサインを求められたら、名前の下にこのイラストを描くことにした。


理由は、かわいいから。


私のサインが欲しい人がいたら、çanomaのブースに来てね。

待ってます。


え、いらない!?

かわいいのに?


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