サロンドパルファン、はじまるよ。
3連休の最終日早朝、私は羽田空港にいた。16日から開幕する伊勢丹新宿店での「サロンドパルファン2024」のために来日する調香師Jean-Michel Duriezを車で迎えに来たのだ。
土曜はほぼ終日外でのミーティング、日曜は午後は買い出しで夜は作業。今日月曜も、結局作業やら「サロンドパルファン」の準備やらに一日中追いかけ回されることになった。
明日火曜は「サロンドパルファン」のブース設営と搬入の後に内覧会があるため、実質準備できるのは今日まで。あとは店頭に立って笑顔で接客をするだけ…のはずだが、うっかり忘れていることがないか、心配でならない。ここ最近、結構“やらかしている”ので、油断はできない。
「サロンドパルファン2024」のキックオフミーティングは今年4月に行われた。そこから半年間、私たちはこのイベントに向けてずっと準備を進めてきた。
忙しくなり始めた7月あたまにアシスタントが退職した。それに伴って今までお願いしていたあれこれを自分でやらなければならなくなった。ポンコツな私が遅れて提出した書類の数といったら。入館申請とか、マジで久しぶりに自分でやったわ…
そんなわけで、çanomaは多分伊勢丹の社員さんたちに一番迷惑をかけたブランドだったはず。まだサロンドパルファン開幕前だが、結構反省しているし、正直社員さんたちに会った瞬間に怒られまくりそうで怖い…
加えて、このイベントに向けて準備していた新作の製造もトラブル続きだった。なんとか新作はイベント前ギリギリに製造が完了したが、結局100mLのボトルは送られてきたキャップがすべて不良品だったため製造することができなかった。残念でならない。せっかく全商品が勢揃いすると思ったのに。
そんなこんなで、çanomaとしては3回目の出展となるが、過去2回と比べて今回が一番準備等で手こずった。そのせいもあってか、ここ数日は「あれ、ちょっと痩せた？」と友人何名かからいわれ、美容師さんからは「そろそろAGAした方がいいかも」と告げられ、大阪土産で買ってきた「じゃがりこ たこ焼き味ソースマヨ風味」の8袋を夜中にひとりですべて食べてしまった。これほどまでにストレスが溜まってしまったのはいつぶりだろうか。
それにしても、「じゃがりこ たこ焼き味ソースマヨ風味」、美味しかったな…
いずれにしても、これらの苦労やストレスも、明日からの「サロンドパルファン」本番のため。16日(水)から21日(月)の6日間、朝10時から夜8時まで、ずっと店頭に出ずっぱりになり、それはそれで疲れるが、はじまってしまえば楽しいはず。過去2回参加して、それぞれに大変なことはたくさんあったが、結果「参加してよかった」と思えているから今回も頑張れている節はある。
ここ最近、私がやっていることにどれだけの価値があるのか、について思い悩むことがあった。
結局のところ、人々が求めていることとçanomaとしてやりたいことにはかなりの乖離があるように感じられるのだ。世の中的にはわかりやすいものが求められている一方、私はどうしても「わかりやすくすること」で失われるものに目がいってしまう。そしてその失われてしまうものの中に、大切なものをたくさん見る。
そうやって“頑固親父”よろしく、こだわりをもってやることは今日日“イケてない”のではないか、とふと思ったのだ。誰もçanomaを通して私がやろうとしていることに、興味なんてないのではないか…そんなふうに考えたりもした。
ただ、実際のところどうであれ、私は私が信じたようにしかやることができない性分なのだ。誰にも見向きもされなかったとしても、残念ながらこのやり方でしかできない。それに、数こそ少ないかもしれないが、私のやり方に賛同してくれる人だってきっとどこかにはいるはず。
今回の「サロンドパルファン」では、なるべく多くの方を接客したいと思いつつ、こんな“頑固親父”の話を聞きたいと思ってくれている人にきちんと向き合えるように、座って話ができるスペースを用意した。オペレーション上どうなるかは正直よくわからないが、ぜひ立ち寄ってもらいたい。
なんだか今日は筆が進まず、もう深夜2時をまわってしまった。この半年間、あまりにも色々なことがあり過ぎたかもしれない。
ようやく開幕する。新作も発売できる。素直に嬉しい。
さぁ、楽しもう。
みなさん、ぜひçanomaのブースに来てね。待ってるよ。
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