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新潮社、大好き!

昨日のお昼過ぎに1週間の仙台出張から帰宅した後、今日までずっと東京でバタバタと過ごしていた。明日は早朝から広島出張。正直、かなり疲れている。

1週間家を空けていて困ることのひとつは、荷物の受け取りである。昨日と今日はこの1週間で注文していたあれこれをいっぺんに受け取ったので、部屋の中が段ボールで溢れかえってしまった。ただでさえ整理整頓が苦手な私、これらの段ボールを片付けられるのはいつの日になることやら…


ところで、数日前から気がかりなことがあった。「新潮ショップ通販事務局」というところから荷物が届く予定になっていたのだが、私は8月にすでにその荷物を受け取っていたはずなのだ。内容はガルシア・マルケスの『百年の孤独』の文庫本化を記念して作られたTシャツだった。以下のものだ。

『百年の孤独』を読む上でひとつのハードルになるのは登場人物名である。たくさんの「ホセ・アルカディオ」と「アウレリャノ」が出てくるのだ。読んでない方は何をいっているのかイマイチわからないかもしれないが、とにかく「ホセ・アルカディオ」と「アウレリャノ」がいっぱいいる。うじゃうじゃいる。

なので、巻頭にある「ブエンディア家 家系図」を何度も見ることになる。そうしないと読書中に路頭に迷ってしまう。

今回購入したTシャツは、その家系図をプリントしたものなのだが、家系図部分が上下反転して印刷されている。これは読書中に読んでいる人がTシャツで家系図を確認できるように、という工夫(遊び心?)なのである。

こんな優れもの、買わない手はない。私は発売の1ヶ月ほど前の時点で予約しておいた。商品が手元に届いたのは8月中旬あたりのことだったと記憶している。すでに何度か着ている。「歩きブエンディア一族確認」(「歩きスマホ」よろしく、歩きながらブエンディア一族の名前をひとつ選んで、それがどういう人物だったかを思い出すことの意)までしてしまった。

それ以外で新潮ショップでの買い物はないはずなのだが…

あれこれ考えてみたが、新潮ショップで誰かが私にサプライズでプレゼントを購入してくれたか、あるいは新潮ショップが間違えて私にTシャツを2度送ってしまったか、どちらかの可能性しかなかった。そして、後者の方が確度が高いと見ていた。

今日の夕方、ようやく新潮ショップからの荷物の受け取りが完了した。開封してみると、やはり『百年の孤独』の家系図Tシャツ。新潮ショップは間違えてしまったのだろう、連絡して返品手続きをとろう、と思った時、段ボールの底に封筒があるのを見つけた。中には手紙が入っていた。一部抜粋して引用する。

さて、この度はお買い求め頂きました『百年の孤独』関連商品につきまして、誤植があることが判明いたしました。
家系図中、「sugundo」とありますのは、「segundo」の誤りでした。
正しく修正いたしまして、ここに修正版製品をお送りいたします。なお、誤植がありました商品は、大変恐縮ではございますが、お手元でご使用いただくか、ご処分いただければ幸いです。

「株式会社新潮社 新潮ショップお客様係」からのお手紙

以前購入したTシャツを引っ張り出してみてみると、

確かに誤植があった。

いや、あるけど…

『百年の孤独』が好きでこのTシャツの購入者の中で、この些細な、しかも実際の本ではなくTシャツの誤植を、気にする人ははたしているのだろうか…?

私は、全く気にならない。いずれにしても、わざわざ修正版を送ってもらうほどのことではない。

お礼の電話をかけたが、営業時間外で繋がらなかった。


私はこの新潮社の対応に、とても嬉しい気持ちになった。本来はお詫びメールを送るくらいの対応で十分だし、それすらもする必要はないかもしれないのに、わざわざコストをかけて生産し直して、手紙を添えて配送までしてくれたのだ。きっと出版社としての矜持があったのだろう。たとえそれがTシャツであっても、誤植は許されない、と。その心意気、そして誠実さを、この対応から感じ取ることができた。

すでに単行本は3冊ほど購入しているし、過去には友人にプレゼントしたこともあった。今回はこのTシャツの値段分の文庫本を購入して、読んでくれそうな人に贈ろうと思う。それがせめてもの新潮社への恩返しだろう。


改めて、いい会社なんだろうな、と思った。

みんなもガルシア・マルケスの『百年の孤独』、買ってね。çanomaの香水「4-10 乙女」のインスピレーションソースにもなってるよ。


新潮社、大好き!


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