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郷愁の西東京

1ヶ月ほど前にロードバイクを購入した。それまではクロスバイクに乗っていたのだが、だんだんと長距離ライドをするようになり、もっと性能の高い自転車が欲しくなったのだ。

それまで愛用していたクロスバイクとは比べ物にならないほどの値段だったが、購入する車体を決めた時、私は「健康を購入した」と感じた。いい自転車を手にすることでより定期的に運動をするようになり、結果的に健康になるだろう、と思ったのだ。

その憶測は今のところ外れてはいない。以前よりも自転車に乗る頻度は増えたし、週に1度は80kmから100km超のロングライドに出ている。どういうわけか痩せる気配は一切ないが、定期的に自転車に乗って運動をするというのはいずれにしてもいいことだろう。


今日もそんなわけで朝から自転車で遠出をした。まずは自宅から狭山湖付近にある「トトロの森」を目指した。30kmちょっとの道のりが楽に感じられるようになったのはロードバイクに慣れてきた証拠だろうか。

森の中を軽く散歩した後に、入間にあるギャラリー兼カフェの「acht8(アハト)」に向かった。当初の予定には組み込まれていなかったが、Googleマップ上で見ると「トトロの森」から10kmほどのところに位置する。以前から行ってみたいとは思っていたがついぞ機会がなかった。10kmだと1時間もかからずに行けるので、それならと思い足を伸ばすことにしたのだ。

ランチのパスタは美味しかったし、ギャラリーも素敵だった。買い物をして、オーナーさん(だと思われる方)とあれこれ話した。思いがけず楽しい時間となった。

駐輪場まで自転車を取りに行く途中、お茶屋さんを見つけた。埼玉といえば狭山茶。「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」という言葉があるくらい、味には自信がある狭山茶なのだから、この機会にお土産に買っていこうと思った。

立ち寄ったのは「増田園本店」。お茶をいくつか買った後、私がもっていた空の水筒を冷たい狭山茶で満たしてくれた。帰りの道中、狭山の甘露が私の渇いた喉を潤すたびにその美味しさに舌鼓を打った。

東村山のあたり、小川が流れるところで休憩していた。大きな魚が流れにゆったりと逆らいながら同じ場所に止まっていた。

その時、私の後ろからその魚の方角に向かって、水色が通りぬけた。魚の頭上を抜けて飛び去ったそれは、きっとオオルリだったのだろう。


ロードバイクの楽しみは人それぞれだろう。広い国道を車に対抗しながら駆け抜ける、河川敷をひた走る、輪行(自転車を公共交通で運ぶこと)して自然の中をライドする、等々。

私は、どういうわけか西東京ののどかな風景の中をのんびりと自転車を転がすことが大きな癒しとなっているようだ。ロードバイクを買ってからというもの、とにかく西東京に足が向いているのもそれが理由なのかもしれない。

私は八王子生まれなので、もしかしたら西東京の風景に郷愁を覚えているのだろうか。両親が九州出身で私自身も中高6年間を佐賀県で過ごしたこともあり、八王子や西東京を故郷だと捉えたことはあまりなかったが、生まれ故郷であることは間違いがないわけだし、やはり落ち着く場所は西東京にあるのかもしれない。


ふと、いつの日か西東京の田舎に引っ越すのはどうだろうか、と考えてみた。奥多摩や秩父は近くなるし、少し足を伸ばせば山梨にも届く。自然へのアクセスは抜群だし、都心からも離れすぎていない。

悪くないかもしれない。


今は仕事の関係で都心での生活を離れるというのは現実的ではないが、中心から少し離れたところに住めるようになる日が、そう遠くないうちにくるといいな、と思う。

といいながら、なんだかんだで近い将来引っ越しちゃったりして。


いずれにしても、西東京、意外にいいよ。足を伸ばしてみてはいかが?


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