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「身体にいいこと」の幸福に占める割合
松山を定刻から10分ほど遅れて出た飛行機が羽田に到着したのは夜6時を少し回った頃だった。今年最初の出張は、その目的をしっかり果たせたということに加え、今まで知らなかった松山という都市の一端を垣間見えたという点においても、非常に有意義なものとなった。
必ずしも全ての出張が収穫をもたらすわけではない。当然ながら“行き損”もそれなりにある。ただ最近は、自分にとって何が有益であるかが朧げながらわかってきたこともあり、どうにかして遠出を実りあるものにして帰って来れるようになった、ような気がする。「転んでもただは起きぬ」の精神である。私も、逞しくなったものだ。
羽田到着後はそのまま新宿へ向かい、閉店15分前の伊勢丹に駆け込んだ。今月末に伊勢丹で貯めていた一部のポイントが失効するため、その前に何かしら購入しようとここ数日あれこれ見ていたのを、出張中の熟考の末、最終的に買うものを決めたのだが、週末にのんびり行けばいいものを、買うと決めてからはいてもたってもいられずに、スーツケースを引き摺りながら赴いたのだ。
ポイントの失効を気にしての買い物というのは私としてはどこか“不本意”なところがあったので、今後そうったことのないように、溜まっていたポイントもこの機会に全て使い切ることにした。少し思い切った買い物ができたこともあり、今私は晴れ晴れとした気持ちと共にnoteを書いている。
とはいいつつ、今宵はまったくもって“書けない夜”である。深夜1時まで1文字も書けなかった。こうして何とか書き始めたものの、この後に何を書くべきかはまだ何も決まっていない。
さて、どうしよう。
七草粥を食べた翌日の話でもしようか。
数日前に、一日遅れで七草粥を食べたことをnoteに書いた。以下の記事だ。
記事の中では触れなかったが、実は私はそもそもあまりお粥が好きではない。今でこそ少し硬めのお粥なら抵抗なく食べられるようになったが、昔は全くダメだった。特にあの中途半端にとろみのあるお湯の触感が嫌いだった…といって、どれほどの人に伝わるだろうか。とにかく、大人になるまで私はお粥を避けて生きてきたのだ。
そんなわけで、ある程度味のしっかりしたお粥でないと今でも積極的に食べたいとは思えない。七草粥はその点、春の七草たちが大変いい仕事をしてくれているので、美味しく食べることができた。
その日のおかずはあまりものの筑前煮とキノコのソテーだった。普段夜はしっかり食べる、“食いしん坊”な私からすると、かなり軽めの夕飯だった。
その日の夜は、眠気が弱く感じられた。いつもであればある程度の時間になると眠くて眠くてしょうがなくなり、noteを書き上げてお風呂に入り、布団に横になって数十秒で意識が飛んでしまうのだが、その夜は終始元気で、翌日早いからと思い適当な時間に横になったものの、すぐには眠りに落ちなかった。ただ、「寝付けない」とか「目が冴えている」というネガティブな感覚とは少し違い、終始心地よさを覚えていた。最終的に、いつもよりかは多少時間がかかったものの、結局入眠までの時間はさして長くなかったような印象だった。
その日の睡眠時間は5時間ほどだった。出張で移動を伴う日はどうしても短時間睡眠になってしまうことが多いが、5時間という睡眠時間は私にとっては十分からはほど遠く、移動中に死んだように寝ることで睡眠負債の返済に躍起になるはめになる。朝の支度も、ゾンビのような顔をしながらのそのそと取り掛かっている。
ただ、その日は目覚めはスッキリで、身体はすこぶる軽かった。パパッと支度を済ますことができたので、早めに家を出ることまでできた。それだけ睡眠の質が高かったのだろうか。
いつもより朝が楽なことに気づいたのは、スーツケースを引きずりながら最寄駅のあたりまで来た時だった。足取りが軽かったし、晴れやかな気持ちだった。ふと、なぜだろう、と考えてみた。思い当たることは七草粥しかなかった。
胃に負担をかけない夕飯がこんなにも翌日の朝に影響を及ぼすなんて思ってもみなかった。逆にいうと、それだけ私は朝がキツくなる夕飯を普段食べていることになる。
普段飲んでいる人が一定期間お酒を断つとすこぶる体調がよくなった、という話を時々耳にする。私はかれこれ5年ほど飲まずに生活しており、もはやこの状態がデフォルトになっているので、断酒の恩恵がよくわからなくなっているが、きっとそれは七草粥を食べた翌日に私が感じた爽快感と同じようなものなのだろう。
今まであんなに苦手だったお粥が、これからは定期的に食卓にのぼる可能性が出てきた。
もちろん、会食や付き合いもあるので、毎晩をお粥にすることはできないが、週に1回程度でももしかしたら身体は大きく変わるのかもしれない。それほどまでに、七草粥の翌日のインパクトは大きかった。
「身体にいいこと」の幸福に占める割合が大きくなるのは、加齢に伴う現象なのだろうか。いずれにしても私は、豪華な夕飯よりも、爽快な朝に価値を見出すようになったらしい。それはきっといいことなのだろう。
といいつつ、今夜はがっつり中華にしました。明日の朝は、眠いんだろうなー。
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