都市と装飾性
※本題に入る前に。以下の記事で創作大賞に応募しています。7月24日までのスキ数やコメント数が一次選考に重要らしいので、よろしければぜひご一読の上、スキ、あるいはコメントしてください。noteのアカウントがなくてもスキはできます。何卒よろしくお願いします。
今回の時差ボケは非常に手強い。曜日感覚はブレブレで、仮眠を取れば仮眠とは言い難い長さになる。そして目が覚めた時、朝なのか夜なのか一瞬わからなくなり非常に焦る。
というわけで、今日も今日とて寝落ちしてしまった私は、この記事を深夜1時から書き始めている。
時差ボケの原因は、先週木曜から土曜にかけて行われたホーチミンを経由したパリから東京への移動である。各都市間の時差に加えて、移動に伴う睡眠不足のせいで、目下私の生活リズムはぐちゃぐちゃである。とはいいつつも、仕事等の予定はあれこれあるので、早く日本標準時に適応した生活を取り戻したいところである。
時差ボケという大きなダメージを受けながらも、この移動によって得られた知見がある。
それは、「東京という街における装飾性の低さ」という気づきを得られたこと。
パリを歩いていると、古い建物にあれやこれやと装飾が施されているのに目がいく。動物や植物の模様、神様やら偉い人の顔などなど、そういったものを施すことにはきっと大変な労力が捧げられているはずだが、建物の利便性には一切寄与しない、装飾のためだけのものが至るところにある。また、公園にも銅像やオブジェがたくさん配置されている。
翻って東京は、比較するとそういう装飾のためだけに施されているものは非常に少ないような印象を受けた。その分、機能性がそのままデザインにつながっているような建物が多い。公園のオブジェ等の数も、パリのそれと比較すると劣っていると思われる。
そんなことを考えていると、こんな仮説が頭に浮かんできた。
「都市の装飾性が、そこで生活する人の装飾性に影響を与える」
つまり、装飾性が高い都市にいる人は、その人の装いにおける装飾性も高くなる、ということ。
これは「おしゃれかどうか」ということではない。装いの中に機能ではなく装飾のためだけのものが多いかどうか、ということだ。例えばパリにいる人の方が東京の人よりもアクセサリーを多用しているように思うし、歴史的な背景もあろうがタトゥーがよりカジュアルなものであるのにも関係していると考えられる。ファストファッションにおいてZARAが席巻しているパリとUNIQLOが強い東京という対比も、もしかしたらこれで説明できるかもしれない。
もちろん、この仮説は非常に弱い。「装飾性の高い人が多くいることにより都市もより装飾的になる」という逆の考え方もできるだろうし、「装飾性の高低というのはDNAに刻み込まれており、それが人種間で濃淡があることで各地域の建物や装いの装飾性は変わってくる」という可能性もある。
それらは重々承知しつつ、仮に都市の装飾度がそこで生活する人の装飾性に影響を与えるとした時、もしかしたらこれが日本において香水が使われないひとつの理由になっているのではないか、と私は考えた。香水という「香る」こと以外に機能のない、非常に装飾性の高いプロダクトを、装飾性が低い都市で生活している日本人は積極的に使おうとしないのではないか、と思ったのだ。
そして、だからこそ日本人は香水を使うにあたって、なんらかの機能性を求めがちなのではないか、とも考えた。「ただいい香り」ということは日本人が香りを使う際の訴求としては弱く、なんであれ“効果効能”がないと、心理的に使いにくいのではないだろうか。
弱い仮説の上にさらに仮説を乗っけた「砂上の楼閣」状態であることは重々承知の上、もし本当に私の仮説が正しかったとして。ブランドとして、日本人に香水を使ってもらう際、なんらかの形で“効果効能”を謳い使用におけるハードルを下げるのか、あるいは日本人の装飾性を高めるための啓蒙をするのか、ということが問われるだろう。
私は、その選択を迫られた時に、後者を選びたい。その理由は、効果効能をブランド側が限定すると「香水の自由」が損なわれるからであり、また装飾する選択のある文化の方がより豊かだと私が思うからだ。このことは過去のnoteにも何度か書いてきたので、ここでの細かい説明は割愛する。
日本人がもっと香水を自由に使うことができる日を夢見て、私は、そしてçanomaは、装飾することの豊かさを訴え続けていきたいと思う。
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