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「サロンドパルファン2024」での気づき

伊勢丹新宿店での「サロンドパルファン2024」の閉幕翌日の今日、私は一日中都内をあちこち移動していた。明日から週末まで出張ということもあり、今日のうちにやっておかなければならないことがたくさんあったのだ。

今は明日からの出張の準備をしているが、こちらは遅々として進んでいない。現在夜11時半。諦めてnoteの執筆に取り掛かった。

私はひどく疲れている。


昨日、「サロンドパルファン」の撤収作業をしながら、ふと、10年ほど前のことを思い出した。まだ私が渡仏する前のことだ。

それは多分第2回か3回の「サロンドパルファン」に赴いた時のこと(ちなみに今回が第12回)。最終日に会場にいくと、もう各ブースの販売員たちが撤収の準備に取り掛かろうとするところだった。

今回は、伊勢丹の閉店時間である夜8時に対して、「サロンドパルファン」最終日の閉場時刻は夜6時だった。きっと当時も同様だったのだろう。私の会場到着は多分閉場の10分前くらいだったはずだ。てっきり伊勢丹の閉店時刻まで開場されているものだとばかり思っていたのだ。

私の朧げな記憶が正しければ、その頃の「サロンドパルファン」は参加ブランド数もまだ少なく、会場も小さかった。ブランドとブランドの間をパーテーションのようなもので区切っていて、言い方は悪いが就職活動の合同説明会のような様相だった(とはいっても、かなり曖昧な記憶なので、私の思い違いかもしれない)。

その光景をよく覚えているのは、撤収作業に取り掛かる方々の表情も、会場の雰囲気も、ひどく暗かったからだと思う。客数も少なかったのだろうか、だからきっと皆閉場前に撤収の雰囲気を醸し出していたのだ。


それに比べると、今年の「サロンドパルファン」の撤収時は、皆の表情が明るかったように思う。閉場時刻になってもまだそれなりの数のお客さんが開場にいたし、ブランド側も最後の売上を立てるべく頑張っていた。私たちçanomaのブースも撤収作業に取り組めたのは閉場時刻から20分後のことだった。

この10年で、「サロンドパルファン」は大きな飛躍を遂げた、といっていいだろう。なんだか、すごいイベントになってしまった。


私の感覚としては、今年は昨年に比べると若い人の入場が若干減ったように感じている。その原因はブランドラインナップにあるのではないかと考えているが、いずれにしてもそれにはいい面と悪い面があるように思料する。

いい面は、相対的に「古き良きフレグランスファン」の割合が増えたこと。昨年はどうやって会場を回って、どのように香りを選べばいいのかがよくわからず、ブースに来ても困ってしまっている若い人が散見されたが、今年はそういう人にはほとんど出くわさなかったように思う。

悪い面は、もちろん、今はまだフレグランスのことがわからないが、その魅力に気づいて、将来的に「いいフレグランスファン」になっていく若い人にフレグランスの世界を体感してもらえなかった、ということ。やはり今若い人に訴求力のあるブランド(Le LaboやByredo、Diptyqueあたりだろうか)が出展していなかったことは大きかったのではないだろうか。それらのブランド側には出展するメリットもないのかもしれないが。


もしこの仮説、つまり、実際に「サロンドパルファン」に足を運んだ若い客層が減っていて、その原因がブランドラインナップにある、というのが正しかったら、私たちは日本のフレグランマーケットについて認識を改めなければならないと思う。

日本のフレグランス市場の盛り上がりは様々なところで言われている一方、本当に盛り上がっているのはごく一部でしかないのではないだろうか、と私は感じている。具体的には、「大手資本の入ったニッチブランド」がマーケットを押し上げているが、それ以外の「大手ブランド」と「ニッチフレグランス」は1ブランドあたりで見てみると、ここ数年横ばいか微増でしかないのかもしれない。もちろん、10年前と比べたら今は相当な盛り上がりを見せているが、コロナ以降に急速に成長していると言われている当該マーケットの実際の成長は、実はかなり局所的であると考えられるような気がする。


いずれにしても、数字を見て客観的に判断したわけではなく、私の肌感覚でしかないので、実際のところはどうなのかはよくわからない。

私としては、このマーケットの盛り上がりが局所的であることについて、特段悲観はしていない。フレグランスマーケットという大きな括りで盛り上がっていることは事実であるし、いずれまた盛り上がりを見せる場所は変わってくるはずだ。その“順番”が、我々ニッチフレグランスのところに来る時に(もちろんそれがいつ来るかは誰にもわからないのだが)、しっかり対応できるようにすることが重要なのだろう。


今回の「サロンドパルファン」での私なりの気づきをつらつらと綴ってみた。それはともかく、私としては今回のイベントは、とても充実したいい内容だった。これから名古屋、京都、仙台、と「サロンドパルファン」は続くため、体力的には心配なところもあるが、イベントそのものは楽しみでならない。

まずは名古屋の方々、楽しみにしててねー!

来てねー!


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