丸い世界で探すあなた

泡沫に時は流れ、
まるで飲み干した水の様に
私達は当たり前に生きる

それが無いと生きていけない物は、
それが無いと生きていけない癖に、
それが無いと
生きていけない風には
思えない位簡単に、
消費しているものだよね

そしてその、
「それが無いと生きていけない物」は、
大概は目に見えないか、
或いは限り無く透明に
近いものなのだよね

それは…

ひとつは水と呼ばれる物。
生命に等しい私達の親、
或いは私達の半身。
時に私達の命すら奪う、
厳しく、何よりも寛容な存在。

それは…

ひとつは時と呼ばれる物。
成長や風化そのもので有り、
私達の脳が保有する原初の感覚。
人はそれを少しずつ
切り取って、思い出と呼び
様々な色や情景を
投影する際に用いる、まるで鍵。
過去や、或いは未来の為に開くべき箱の
千人千種の形をした、
実に手に馴染む鍵。

それは…

ひとつは愛と呼ばれる物。
愛と呼びはするが、
誰しもが探求に勤しむ物。
石ころみたいに例える者も在れば、
血の通う臓器と呼ぶ者も居る。
金品を出せば買えたり、
巨万の富を持てど
手に入らなかったりする。
突き詰めると、虚しく感じる時もあれば、
有り難さに涙する事もある。
誰にとっても必要な様で、
俺には必要無いよ、と嘲る者も居る。
そういう物である。

それが無いと生きていけない物は
大概目に見えないが、
もしもそれ等が無くなった時に
生きていく為に必要になるのは

「あなた」

という存在なのかも知れない

それが無くて命を失った人達が居て、
その人達にも

「あなた」

という存在が居たならば、

それを失くしたとしても
また、共に探していけば良いだけなのだと
それくらいの猶予は残されていたのだと
気付く事が出来たのかも知れない…

そう、
世界が球体なのは
果てを作らない為
今や想いは何処にでも届く
前に向かって叫ぶ声は
回り回って自分の背中を叩くくらいに近く
生涯を掛けて生きていくには充分に広い

あなたにも、
どんなに少なくともひとりの

「あなた」

が居るし、
願わくばたくさんの

「あなた」

が見つかります様に。

そして私達自身ひとりひとりが、
何処かで途方に暮れている誰かにとっての

「あなた」

であるのだと思えたら
世界は少しハッピーに
なっていくのだと思う

それが無いと
生きていけないなんて
感じない位に、

それが有るから、
生きていけるのだと。

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長月ユウタ
チップ…自分の為にお金は使って欲しいし、ライブとか見に来て欲しい。でもいただいた気持ちは何倍にもして返したいと思うよ🥹