白線とアスファルト

いつもの通りを
いつものスピードで
いつもの時間をかけて歩く

誰に急かされているわけでもない
でも何か心が騒がしい

ちょっと先で信号が青に変わった
僕は少し歩調を早めた

正しいこと
悪いこと
とても曖昧な境界線
横断歩道みたいにくっきりと
別れていたらよかったのに

虹みたいにキレイな正しいで
いられたら僕たちは
互いに尊重し合えるハズだ

立つ位置によって
色が変わったり、見えなかったり
グラデーションみたいに重なって
実にハッキリしない

そりゃそうだ
嬉しいや悲しいみたいに
人の想いがひるがえるたびに
信じるものだって移ろうもの

大好きだったあの人も
今ではもう何年も疎遠だなあ…

そんなことを考えていたら
信号は点滅している

僕は考えることをやめ
駆け足で日常に戻っていく