世界が平たく無いから

疑いも無く疑う
我は懐疑の申し子
信用出来ない事は信用出来る
御前は虚偽の落とし子
敵の敵は味方
ならば味方の味方は？

見方は違えどそれは
大きな輪の端と端を
背中合わせに眺め
守っていた味方が敵で
戦っていた敵が味方である様な
二枚舌と八方美人から生じた
混沌たる人間関係の成れの果て

我等は、
争いも平和も望まずに
その争いと平和に臨む
まるでその過程を求める
求道者の様に

不和と不便にて
人のスペックは向上し、
だからこそ我等は
他者と比べ、その欲求こそが

「格差」

ランキング、カテゴリー、
足跡、いいね、共有…エトセトラ

共感を欲しがる癖に
個性を主張する
共存を望む癖に
利益を搾取する

本物と偽物が手を繋ぎ、
しかしホンモノとニセモノは
どこか似ていて、
そして決定的に違う

良く見てみればその違いに
気付くのかも知れない
だが我々はその細部に
気を回すにはあまりに疲弊し過ぎている

そして、争いの火種は
そこら中に撒かれているのではないか
或いは因果は全て予定調和であって
不可避の物なのでは無いか

『待て、しかして希え』
あれは復讐に身を堕とした者の言葉
命の炎を燃やして
彼奴の現在を終わらせる者の弾丸

疑いも無く疑う
御前は懐疑の申し子
信用出来ない事は信用出来る
我は虚偽の落とし子
味方の味方は敵
ならば敵の敵は？

背中合わせに向けた刃が
回り回って自らへ