期待に鳴る

どろどろとした暗い空間に
閉じ込められてしまっていた私

死ぬ事にしか救いが無い様な
人生だって存在した筈なんだ

見上げればぽろぽろと
五線譜からオタマジャクシが降ってきた

頭で分からない事を
言葉で丁寧に導いてくれた

それは、優しい居場所だった
それぞれの個性という旋律が
複雑に絡み合って和音と成る様に

しかし向く先はしっかりと精悍に定め
歩む道は皆で切り拓く様な
そんな家族と同士を
足して2で割った不思議で稀有な場所

私は、
ここで何が出来るのだろう
ちょっぴり不安みたいな気持ちが
心を通り抜けた
それは一陣の冷たい風
或いは背を押す追い風みたい

けれど私は知っている
これは通過儀礼の様に
この感覚は、
とても心地の良いものなんだ

先の事なんて分からないけれど
高揚とした気持ちを抱えて
私の胸の鼓動は今、

期待に鳴る。