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退職希望者にどう向き合うか

小彌太は市長選挙や議会議員選挙などに使う物品を作っている関係で、選挙が多い時期は繁忙期となる。基本的にその繁忙期は決まった周期でやってくるが、ただ一つ例外がある。
それは、、、衆議院選挙。
首相が衆議院を解散すればすぐ選挙が始まるので、選挙運動に必要な候補者表示物やポスター掲示板の納期は、たったの1週間。岩手・秋田・青森のほとんどと、その他全国の自治体にも納めるので、通常は納品に2ヶ月以上かかるものを1週間で作らなければならない。

今回の衆議院は、約2週間、休日なしで夜中までフル稼働し、新卒1年目や入社したての社員にも限界まで働いてもらった。
その結果「キツい」「あり得ない」「退職したい」との声が。
そうだよね。当然だと思います。
小彌太に入社5年目、2023年の統一地方選挙で3ヶ月間ほぼ休日なし残業尽くしを経験し、更に前職でも鬱になりかけるくらい仕事していた私ですら、今回は心が折れかけた。
あまりに納期が短かったし、普通に進めればどうやっても間に合わなかった。だから受注管理票(商品を製造するのに必須の書類)と、校了(お客様からの印刷OKの指示)を待たずに生産開始して、作業内容も決まらないうちにアルバイトさんを10人以上手配した。
案の定、印刷数量のミスや、アルバイトさんが作業するものが用意できない無駄時間が多く発生した。そして上から怒られた。お客様にも何度も謝った(期間が短いからと許してくださったところがほとんどでした)。結果、何とか納期には間に合ったが、繁忙期を終えたときは充足感よりも反省や気分の落ち込みの方が大きかった。

「昔の人はタフだった」とか、「これだから今の若い人は」とか言う人が社内にもいるが、そんな問題じゃない。同年代でもめちゃくちゃタフな人はいるし、今は若い世代が頑張っている。もちろん昔の人たちも死ぬほど大変な経験をしたのは何度も聞いている。
ただ、もう環境が違う。今は多様性の時代、働き方改革は必須で、職場には物理的だけじゃなく心理的な安全性が必要だ。
休日なし残業尽くしなんて今も昔もやりたくないだろうし、そもそも労基が許さない。
だからこれからは、機械化できるところはどんどん機械化し、人の手でやるところは環境整備・マニュアル化・ダブルキャストで効率的に回していかなければならない。

おそらく、辞めたくなる理由は「体力的にキツい」だけじゃないと思う。
これまで同僚が辞めていく中で、だいたいの辞める理由は"人間関係"だった。
忙しいと余裕が無くなる。笑顔、元気が無くなる。声が小さくなる。たまに感情的になってしまう。ギスギスする。

余裕がなければ良い人間関係はできない。また、今のままでいけば従業員はどんどん定年を迎え、減っていく。だから採用活動をする。
仕事の効率化もまだまだ必要で、効率化を進めるには業務知識、つまり教育が必要になる。
採用も教育もいろいろ取り組み始めた。辞めたくなるきっかけが減るように。

かと言って、退職を考えている人になんと伝えたら良いだろう。期待している社員に「やめたいです」と言われると、けっこう辛い。
いろいろ考えたけど、「これから会社が良い方に変わっていく」ことを伝えるのが一番良いのかなと思う。
これまで5年やって、私ひとりでは変えられなかった。良い方に変えようと思っても、成功したところは少なく、変えられなかったり、むしろ悪化させたことも多いように感じる。
でも今は新卒たちの若い力もあって会社がどんどん変わっている。間違いなく良い方に進んでいると、私は思える。
今後に期待します。

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