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お花見できた日、風の強い日。

今日は風が強く吹いていた。
僕は自分のものかと勘違いしてどこからか飛んできた紙切れをつい拾ってしまった。
よく見ると、身に覚えのない崎陽軒のレシートだった。
まったく、一体どこの誰だ。
風が強くたってもちろんシウマイは飛んでこないし、
シウマイの臭いさえどこからも香ってこなかった。
崎陽軒を食べたことの無い僕への当てつけだろう。
そんな今日だが、僕は念願のお花見をした。
普段通りすがりに視界に入り混む景色の一部とは違い、
きちんとじっくり眺める桜は華やかさが段違いだ。
満開になった青春真っ盛りの桜、
もう既に葉桜となり始め、初夏へと向かう先輩桜、
まだそわそわと満開を控える後輩桜。
それぞれの木から色とりどりの花びらが散り、無邪気に
風と踊っている様はまるで宴のように賑やかだった。
僕は木々の目の前に位置するベンチに座り、
ただただ様子を眺めてはレモンスカッシュを飲んだ。
カップの底に溜まった蜂蜜の甘さとあらごしのレモンピールのほろ苦さがストローを通って口の中に広がった。
桜たち、待っててくれてどうもありがとう。


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