2024年上半期 映画ベスト10
2024年早いことにもう前半が終了しました。去年は上半期のランキングは出していないですが今年は映画を沢山観ていることもあって書いてみたいです。
感想と評価は映画を観た1週間以内にFilmarksに書いているのですが、上半期や年間ランキングとなると少し評価が変わってくるものです。観た直後は面白かった映画が数ヶ月たってみると印象がうすくなっていたり、静かな映画のほうが記憶に残りつつける映画だったり、自分の人生観に影響を与えていることが影響していそうです。
それではベスト10を書いていきたいと思います。Xに投稿したベスト10はこちらです。大体2024年上半期で観た映画本数は50本程度でした。
第10位 オッペンハイマー
第10位は「オッペンハイマー」。
クリストファー・ノーラン監督の作品は映画館で観たいので勿論観るつもりでしたが、公開前から色々あり公開日が中々決まらなかった状況から満を持して公開された作品。勿論池袋グランドサンシャインシネマのIMAXで鑑賞。
登場人物が多く会話劇が中心で、時間軸が過去、現在、未来で入れ替わる構成。ロバート・オッペンハイマーの視点で進み、原爆開発とその後の赤狩りが主題。マンハッタン計画の成功から共産主義者として追求されるまでを描く。ノーラン監督の自伝的要素も感じられた作品でした。
第9位 哀れなるものたち
第9位は「哀れなるものたち」。
「哀れなるものたち」はヨルゴス・ランティモス監督作品で、魚眼レンズのようなカメラワークや色鮮やかな美術が特徴的でした。予告を観た時から不協和音が頭を離れず、不気味で観たことがないタイプの映画でした。
ウィレム・デフォー演じるゴッドウィン・バクスターが女性を蘇生させるところから始まり、エマ・ストーン演じるベラの成長を描いています。ベラは大人の姿のまま多くの人と出会い、様々な価値観を吸収しながら成長し、最終的に医者を目指すことになります。
この映画は、常に新しい思想を取り入れ続けるベラを通じて、偏見を持たずに大きく変化し続ける重要性が描かれていました。
第8位 デューン 砂の惑星PART2
第8位は「デューン 砂の惑星PART2」。
「デューン 砂の惑星 PART2」を池袋のグランドシネマサンシャインのIMAXで鑑賞しました。映像、音響、戦闘シーンが素晴らしく、砂の惑星にいるような没入感を得られました。PART1を再鑑賞し、用語や背景を調べてから観たので理解が深まりました。PART2はスピーディーな展開で、166分があっという間でした。ポール・アトレイデスの生き延びる姿から銀河系を巻き込む壮大な話へと進み、キャスト陣の演技も圧巻でした。続編が楽しみです。
第7位 悪は存在しない
第7位は「悪は存在しない」。
「悪は存在しない」は長野県水挽町が舞台の映画で、グランピング施設の建設を巡る東京の芸能事務所と現地住民との対立から始まります。主人公の巧は寡黙でぶっきらぼうな父親です。芸能事務所は補助金目的でグランピングの建設を進めてきました。
担当者たちは徐々に地域住民に寄り添うようになりますが、物語は花ちゃんの行方不明を機に急展開。ラストシーンが唐突すぎて様々な解釈ができそうな映画でした。
第6位 マッドマックス:フュリオサ
第6位は「マッドマックス:フュリオサ」
「マッドマックス:フュリオサ」は前作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の前日譚で、フュリオサの半生を描く物語です。幼少期のフュリオサが暮らす楽園から始まり、彼女が絶望する理由が明らかになります。物語要素が強く、フュリオサの出生の秘密や故郷への想いが語られ、マッドマックスの世界の成り立ちにも初めて触れられます。敵キャラのディメンタスの登場で、イモータン・ジョーのカリスマ性が際立ちます。ド派手なアクションシーンも健在で、IMAX鑑賞がおすすめです。
第5位 コット、はじまりの夏
第5位は「コット、はじまりの夏」。
「コット、はじまりの夏」はセリフが少ないが、細かな描写と表情で心の変化を描く映画。荒れた家庭で未来に期待を持てないコットと、大事な息子を亡くしたアイリンとショーン夫妻の物語。コットは親戚の家で夏休みを過ごし、心を閉ざしていたが夫妻との生活で次第に心を開いていく。無口なショーンがコットに安心感を与え、最後には抱擁する感動的なシーンがある。映画の結末は希望を感じさせ、コットの新たな始まりを描く。
第4位 あんのこと
第4位は「あんのこと」。
「あんのこと」は実話に基づいた映画で、主人公杏を河合優実さんが自然な演技で演じています。佐藤二朗さんと稲垣吾郎さんも現実的なキャラクターを演じ、物語にリアリティを与えています。
杏は貧困と家庭崩壊の中で育ち、漢字も書けない状況でしたが、社会復帰を目指して努力します。しかし、現実の厳しさに何度も挫折し、薬物依存から一時は立ち直りそうになるも再び絶望に陥ります。映画は人生の不平等さと現実の厳しさを描き、負の連鎖から抜け出す難しさを強調しています。
全体を通して、杏の苦難と希望、そして現実の厳しさが暗いトーンで描かれ、観客に深い考えを促します。
第3位 パスト ライブス/再会
第3位は「パスト ライブス/再会」。
セリーヌ・ソン監督の実体験を基にした初監督作品。人生の選択による「イニョン(縁)」をテーマにした作品です。映画は、韓国で成績トップの少女ノラと、彼女に一度だけ負けたヘソンが、ノラの家族がカナダに移住することで別れるシーンから始まります。12年後、二人はFacebookで再会し、Skypeで連絡を取り合うが、会わずに再び別れることになります。さらに12年後、ニューヨークで再会します。
この時のニューヨークの風景が素晴らしい。ニューヨーク行ったことないですが行きたくなるようなシーンが沢山ありました。ノラが過去を乗り越え、異国の地で前に進む姿が描かれます。
第2位 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
第2位は「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」。
アレクサンダー・ペイン監督の作品で、今年のアカデミー賞で5部門ノミネート。1970年冬のボストン近郊を舞台に、全寮制のバートン高でクリスマスを家に帰らず過ごす3人の物語。孤独な教師ポール、母親に見捨てられた生徒アンガス、料理長のメアリーが、互いに理解し合い助け合う様子を描いた作品です。70年代の設定が独特で、3人が少しずつ心を通わせていく様子が自然に感じられていきます。ずっと自然な感じで大きなどんでん返しや感動させようという感じがないが、凄く印象に残った作品です。
第1位 夜明けのすべて
第1位は「夜明けのすべて」。
原作未読で予告も見ず、初めて三宅唱監督の作品を鑑賞。仕事終わりもあって疲れている自分には映画の優しさが響きました。日本的な決まった演出やどんでん返しは無く淡々と進んでいくが、どことなくずっと優しい雰囲気が漂います。PMSを抱える藤沢さんと、パニック障害でコンサルを辞めた山添くんの物語。二人は苦しみながらも職場でお互いを理解し合い、恋愛に発展せずとも良き理解者となる。かつてブラック企業だった栗田科学が、今は優しい職場になった背景も描かれている。人生の困難も、二人を見ていると乗り越えそうだと思わせてくれました。
まとめ
2024年上半期映画ベスト10でした。振り返ってみるとジャンルもバラバラでした。2024年の下半期も素敵な映画に出会えることを期待して週1本は映画を観ていきたいなと思います。
年末には年間ベスト10も書く予定です。