未来に向けて「投資」をしよう
最初の投稿(お金=未来を作るツール)で、持っているお金をどう使うかが重要であり、浪費ではなく未来に向けた投資をしなければいけないのだ、とという意見を書いたが、今回は「投資」というものにフォーカスしてみたい。
一般に「投資」と言った場合、まず思いつくのは「金融投資」だろう。株式、債券、為替、不動産、ビットコインなどなど。それに加えて、「自己投資」についても考えてみたい。
まず、投資の大原則は「投資に100%はない!」ということだ。言い換えれば、「必ず」とか「間違いなく」という言葉付きで行われる投資の話は怪しい可能性が極めて高い。将来に起こること、という誰も分かりえないものが対象なのだから当たり前といえば当たり前だが、このルールが浸透しきっていないように思われる。ちなみに、金融機関で働く中でも、どんなプロの投資家に対してもこうした言葉は絶対に使ってはならないと口酸っぱく教育される。
次に、投資をするうえで重要なのは「長期的目線」だ。例えば金融投資であれば、「この株は上がるはずだ!」と思っていても、突然思いもしないニュースが流れて株価が下がるということは短期的には起こりうる。ただ、そうした短期的な上下を経ながら、長期的には、その企業が社会にとって必要とされている限り株価は上がっていくはずだ。
ところが、「投資」と聞いた時にまず人々がまずイメージするのは短期的な投資だろう。「投資ってギャンブルでしょ?」という人が多いが、たしかに一般の人が行う短期的投資はギャンブルに近いと思う。なぜなら、短期的投資で利益を出すことを生業とし、毎日相場に張り付いて売買をしているプロでも失敗をするのだから。日本の高校では2022年4月から金融教育がカリキュラムに組み込まれたようだが、そこで議論される「投資」はもちろん長期的なものであろう。
最後に、投資にかかる重要な考え方は「複利」というものだ。簡単にいうと、途中で得られた利益も元本として組み込まれ、元本がどんどん大きくなっていく仕組みだ。例えば、ある株式に1万円投資をして、途中5000円の利益を受けることができれば、元本は1万5000円になる。そうすると、利益率は同じでも元本が雪だるまのようにどんどん大きくなることでリターンも増えることになる。
「金融投資は若いときから始めた方がいい」というのは、ふもとで見ると、山頂から転がし始めた雪だるまが、5合目から転がし始めた雪だるまよりも大きくなる可能性が高い、というのと同じ理屈だ。
ここまで述べてきた投資の特徴は、当然自己投資にも当てはまる。音楽で生きていこうと、機材や本、レッスンなど精一杯投資したけれど最終的に全く別の領域で仕事をしているかもしれない(投資に100%はない)。ただ、長い目では、音楽で全力を尽くしたからこそ今の選択ができているかもしれない(長期的目線)、あるいは音楽をやる上で学んだ「人の喜ばせ方」が今の仕事の成果を増大させている(複利)、といった風に。
これはあくまでひとつの例だが、まとめると、投資をする際は、将来の不確実性をすっぱりと受け入れて「未来に向けて今できる全力」を尽くすこと、というのが1番大事なのではないかと感じる。
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〈以下、私の想い〉
私は金融機関で働く者として毎日相場を見ています。
今年は強烈な円安と、日本株の上昇が顕著だったと思います。ただ日本株が買われた理由としては、円安によって海外投資家から見たときに割安に見えたからと言われています。つまり、日本経済の成長を期待したわけではなく、単に割安だから買ったというわけです。
私はこの一件で、日本経済がこのままだとヤバイと危機感を覚えました。そこで、私の持っている投資に関する知識を使って、日本の人たちがもっと投資に興味を持てるような活動をしたい、と当初考えました。
ただ、よく考えると、今日本の人たちがより必要としているのはそうした投資の知識ではなく、持っているお金をどう使って何を成し遂げたいか、ということを考える機会なのではないかと思いました。
お金と向き合うことがなんとなくタブー視されるこの国で、目的を持ってお金を使い、自分の人生にもっと意味を見いだすことができれば、もっと皆が楽しく暮らせるのではないかと。そうして人々が活性化すれば経済にも波及するはずだ、と思っています。
ただ、自分にできることは何か分からず、とりあえずこのNoteを始めてみました。今日は金融投資で語られることの多い投資の原則を自己投資と絡めて話してみました。
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