前を見て
アレにしようか、これにしようか、紹介したい映画はいくつかあるのに、まだ上手に言葉にできていないものばかり。気持ちばかりが先行してしまって言葉が追いつかない。
どうせなら憂鬱としたこんな世の中だから、ハッピーでポップな映画を紹介したかった。けれど、今回は非常にヘビーな内容の映画。
それでも夜は明ける
今でも人種差別が根強いアメリカ。そのアメリカがまだ奴隷制度を当たり前としていた1850年。
自由黒人のソロモン・ノーサップが12年の生涯を通して目に焼き付けた壮絶な人生と、自身が記録した伝記が元になった映画です。
人が人でいられなくなる瞬間
とにかく、この映画に言葉を付け加えるには荷が重すぎる。物語が忠実に再現され、ありのままを演技で見せつけられる。
観ているこちら側は常に目を背けたくなるシーンで埋め尽くされるし、息する暇ないほどに延々と痛々しいシーンが続く。
いま、LGBTQなんかが世間でよく叫ばれているけど、この映画を観てしまうとそういった差別的なものの考え方が変わる。
「差別」の定義をもっと考えた方がいいのでは、そんなことが頭をよぎる。
まず、人が人を商品のように扱うこと自体が衝撃的であって、その常識の土台の上に様々なルールがあって、その連続にも色々と追いつかないものがあって。
正義が通用しない世界とはこういうことなのかもしれないと思った。
真理
法律は変わるが、普遍の真理は変わらない。そこに明白で簡単な事実がある。
“一人の権利は全員の権利”
白も黒も平等さ。
この言葉は雇われカナダ人大工のサミュエルバスの言葉。
主人公のソロモンが助けを求めた人物で、映画の後半からソロモンに手を貸す人物として現れる。
この言葉にどれだけの価値があるのか、考えただけで値打ちがつけられないと思ってしまう。
確かに、真理を動かすことができれば苦労はしない。だからと言って力で支配する気にもなれないし。
一は全、全は一。みたいな、言葉にすれば安っぽくなってしまう正義感みたいなものに飽きてしまった。
どこまで行ってもミスにミスを塗り重ねてしまうボクらは、一体何なんだろうか。途方に暮れてしまうような問題が時々、頭をもたげてくるけどそんな悲観的になっているヒマもなくて。
だから前に進めるしかないんじゃないか、行動しなければ答えどころかヒントもない。これも付けくわえるべき
真実だと確信している。
たぶん結局のところ、全員が全員を分かり合えるなんてことはないと思う。これは真実に限りなく近い事実なのではないかと最近になってようやく確信してきた。
ただそれを野放しにする勇気は持ち合わせていない。
そうなってしまう原因、怪物みたいなものは排除しなければならない。
それが今の答え。
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