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小売業におけるリモートな働き方について

こんにちは、株式会社TO YOUの岩下です。

今日はTHE株式会社の岩下としての経験を書いてみたいと思います。THE株式会社はいわゆるデザインメーカー、ファブレスの製造小売業で、洗濯洗剤、ハンドソープ、グラス、醤油差し、スウェット、ジーンズ、スポーツバイク、カトラリー、バックパックなどなど多岐にわたるジャンルのTHEってこれじゃない?というアイテムを開発し提案しています。

ツイッターで深津さんが#リモートオフィスのお題を出されていたのを見て、IT業界の方々はきっとたくさん書かれるだろうし、役立つ知見も多いことだろうと思いつつ、私は比較的場所制約が強く(と思われている)、まだまだアナログ色も色濃い小売業におけるリモートな働き方について、3年弱の間経験してきていることを書いてみようと思います。

まず、私のTHE株式会社での立ち位置をご説明すると、南青山にあるオフィスに所属して丸の内KITTE京都藤井大丸渋谷スクランブルスクエアに出店している直営店THE SHOP3店舗(さらに今年の5月末にニュウマン横浜に出店が決まっています)の管理をしています。

セレクトショップR for Dを立ち上げるプロジェクト(株式会社TO YOU側)がすでに動いていた時期に入社したので、いわゆる複業状態、オフィス出勤は週2日、立ち位置的にどうしても管理職となってしまうので雇用形態は正社員、あとはライン、スラック、メールなど平日休日関係なく朝でも夜でもゆるく反応する(緊急ならもちろんなるべく早く)という働き方をさせていただいています。

これだけ見るととても私に都合がいいようになっている風ですが、実際には会社や組織としてのメリットもいくつか挙げられます。

◾️小売店舗はシフトでほぼ毎日休みなしで営業している
◾️中小規模の会社のオフィス機能

◾️小売店舗はシフトでほぼ毎日休みなしで営業している
THE株式会社の場合、出店先は全て駅直結の商業施設です。営業時間は商業施設ごとに決められ、平日も休日も営業するのでショップはシフト勤務で運用されています。結構ありがちなのは店頭でお客さまから問い合わせ系で、閉店間際とか休日にもよく起こったりしますが、オフィスがきっちり平日勤務で残業も少なめとかになると翌日や翌週対応になってしまうところですが、私はゆるくオンライン状態なので、判断すれば済むことはすぐに判断できますし、連絡するのにショップスタッフが気を使う必要もありません。

ショップスタッフが企画準備、調整をしていて土日に相談や確認事項があった時に土日にレスポンスできるとその分だけ準備は捗りますね。

そういう意味では、私のようなオンオフをはっきり取らずにゆるいオンラインワークが合理的な局面というのは実は結構あるのではと思ったりします。
特に意思決定者とか企画周りの比重が大きい役割はあんまり場所にも時間にも縛られる必要なかったりします。判断やアイディアはオフィスで真面目な顔してPC眺めてても決められない人は決められないし思いつかない人は思いつかないですし、個人的には情報をバシバシ入れたり動いた方が良さそうだなという実感です。

とはいえ24時間365日オフィスにいるのは無理だとすると、これを実現できるのはリモートな働き方で、働き方を濃度で考えた時に、多少薄くても広範囲をカバーしている方が効率的な役割はあるのかなと思います。私の場合も週の関与時間でいえば明らかにフルタイム勤務よりも薄いですが、ゆるくオンラインであることによって土日も含めて便利に周りに使ってもらっている側面もあるのかなと考えています。

逆に今週末はキャンプで山にいるためおそらく圏外です、というお知らせを事前にしたりすることもあります。

◾️中小規模の会社のオフィス機能
こちらは出資を募ってキャッシュアウトしながらすごいスピードでスケールをめざすタイプのベンチャー企業ではないし、大企業でもない、いわゆる中小企業の場合のメリットです。

バックオフィス機能って会社の成長に伴って当然より多くのことが求められるわけですが、急拡大急成長している(したい)わけではない会社の場合、ひとりが複数の役割を担当するのはよくあることです。THE株式会社でも商品開発と生産管理ははっきり分けられていなかったり、マーケティングと広報も兼務だったりという具合です。

これって裏を返すと一つの役割に対して(それは必要な役割なのだけど)、丸々一人分の仕事まではない、という状態なんですね。そうすると会社としてフルタイム勤務のスタッフのみを雇用する方針だと「複数の役割をこなせる人」じゃないと雇うことが難しくなるんです。でも実際にはそれぞれ専門性があるから役割として分かれているわけで、そんなに都合のいいひとをサクサク見つけるのは簡単ではありません。バックオフィスの役割でも労務や経理は業務委託できたりもしますが、会社ごとに長い目で見た時にここはインハウスでできるようになりたいって役割もあったりします。

私の場合でいうと、今年の5月末には3店舗から4店舗になって私の役割は明らかに増えます(少なくともショップスタッフ数は4,5人増えます)が、かといって同じ立ち位置にもうひとり配置するほど増えるわけではないんですね。

こうやって考えていくと、リモートワーク、リモートオフィスというのはやっぱりあくまでも手段で、それをうまく使える役割では導入していく、というのが小売業での現実的なやり方なのかもしれません。

仮にバックオフィスがフルリモートになっても、店頭にショップスタッフはいる必要があるわけで、そこまで原理主義になる必要性もないし、そんなことはまだ難しいかなという手応えです。

まぁでも今回のコロナウイルスののように外出をなるべく自粛すべき状況で1週間とか1ヶ月とか期間限定でもフルリモート対応できるという準備はできるだけ進めていきたいですね。

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