Innocent When You Dream by Tom Waits 4 桂田祐介 2024年10月21日 19:31 先週、これまでの「21日の音楽」を総括したなかで、わたしの敬愛するトム・ウェイツの曲が(カヴァーを含めて)多いことを書いた。その直後ではあるけれど、やっぱりトムの曲を紹介したくなった。今回はほかのミュージシャンによるカヴァーではなくトム本人によるオリジナル・ヴァージョン。しかしこの映像は、映画『Smoke』のエンディング。わたしが5月に書いたポール・オースター追悼記事にも貼り付けていたものだ。ビデオのタイトルになっているAuggie Wren's Christmas Storyは映画の元になったオースター作品。ビデオ中のタイプライターもこのタイトルを打っている。オースターお得意の自作をリンクさせる手法だ。このモノクローム画面のエンディングは回想場面。最後にハーヴェイ・カイテル演じる主人公オーギー・レンのカメラの秘密の明かされている。It's such a sad old feelingThe fields are soft and greenIt's memories that I'm stealingbut you're innocent when you dreamトムの声は「かつての悲しい気持ち、柔らかく緑の大地、そんな思い出を盗み出す自分……しかし、夢見る時はいつも無邪気だ(拙訳)」と繰り返す。この曲はこの映画のためにあるような曲である。夢見る時は無邪気(Innocent when you dream)ということは、現実はその反対なのか。最近、わたしは10年ぐらい前の子供たちが登場する夢をよく見る。その理由に心当たりがないわけではない。現実逃避かもしれない。良いではないか、夢ぐらい。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #音楽 #スモーク #ポール・オースター #トム・ウェイツ #ハーヴェイ・カイテル 4