希少なGoエンジニアを採用するためのマストアクション2選
こんにちは!ポテンシャライトの新井と申します。
突然ですが、
Goエンジニアの採用って難易度が高くないですか?
人気のプログラミング言語となっているGo言語ですが、Go言語経験者の採用に苦戦している企業様は多い印象です。
今回は、ニーズが高まっている「Goエンジニア」の採用成功事例をご紹介できればと思います。
採用できている企業様が何をしているのか?を紐解いていけたらと思います。
それでは早速いきましょう!
1. Go言語とは?Goエンジニアとは?
まずは、Go言語とは?というお話しからです。
Go言語は、Googleが開発したプログラミング言語です。2009年に開発されたオープンソースのプログラミング言語となります。Go言語は他の言語に比べて、機能を削ぎ落とすことでシンプルなコード記述を実現し、可読性が高い点がメリットです。
近年人気のプログラミング言語であり、「エンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング」で1位になっていますね。
また、Goエンジニアのニーズが年々高まっていると言えます。
求人媒体の転職ドラフトにて、Go言語の経験者は指名(スカウト)獲得数が増加傾向にあるというデータが出ています。
下記参考資料です👇
Goエンジニアの採用に携わった方であればお分かりかと思いますが、Goエンジニアは市場に少なく採用難易度の高いポジションです。
では、具体的にどのくらい難しいのか、求職者の数を見ていきましょう。
いくつかの媒体で求職者様の人数を調査してみました。
媒体により前後はあるものの、求職者様の数はRubyやPHPと比較して「半数以下」であることがわかります。
そんな希少なGoエンジニアの採用をどのようにして行ったのか、2つの成功事例をご紹介できればと思います。
※社名や個社を特定できる内容は、伏せてご紹介させていただきます。
2. ケース1:Fintech系企業
あるFintech系企業A社の事例です。
結論、約1年で3名の正社員Goエンジニアの採用に成功しました。
どのような採用活動を行ったのか、なぜ採用できたのか、採用活動の一途を辿っていきます。
2-1. どのように採用活動を実施したのか
A社が、1年間で活用した採用手法は下記です。
求人媒体3つ、SNS1つ、リファラルの計5つの採用経路ですね。
この中で採用に至ったのは、「Wantedly」「LAPRAS」「Linkedin」の3つでした。
A社は採用活動を進めて行く中で、採用ターゲットを下記のような「順序」で変更していきました。
A社の大きな特徴は、日本人のみならず外国籍や海外在住のエンジニアにもリーチし、ターゲットを広げたという点です。
採用ターゲットを広げた結果、下記のタイミングで採用に至りました👇
7〜9ヶ月目では、ScalaやJavaの経験者にターゲットを拡大することで採用することができました。
2-2. 決定要因① 柔軟な採用ターゲットの変更
A社の場合は、採用ターゲットを柔軟に変更できたことが決定要因の一つと言えます。
A社は、
と2段階で採用要件を広げていきました。
どの企業様も、データベースが枯渇したタイミングで次なる手を探るようになるかと思いますが、この場合以下のような分岐が訪れます。
ここで判断基準になるのは、「採用緊急度」です。
つまり、「Go経験者でなければならない理由」と「時間」を天秤にかける必要があります。(他の職種にもいえることですね)
もし、すぐにでも採用しなけば開発が回らないという状況であれば、「採用要件を広げる・下げる」必要があるかもしれません。
組織は生ものなので、緊急度も状況に応じて変化します。
その都度、柔軟に対応する必要があります。
また、Go言語を使用し開発ができることは求職者様の魅力にもなりえます。
冒頭でお伝えした通り、Goは人気のプログラミング言語であるためです。
つまり、他の言語を経験しているエンジニアをターゲットにすることができれば、採用速度も一気に高めることができます。
ペルソナ設計の考え方については下記ブログをご覧ください👇
2-3. 決定要因② 転職”潜在層”へのアプローチ
2つ目の要因は、転職”潜在層”へのアプローチです。
A社の場合は、 イベントを実施し登録者をプールすることで、求人媒体には登録していない層にもアプローチを行なっていました。
求人媒体でアプローチできるのは、基本的には「転職”顕在層”」と言えます。近年では、LAPRASのように「転職潜在層」にアプローチできる求人媒体もありますが、基本的には、転職や求人情報の収集を目的として求職者様は登録をしています。
対して、イベントやカンファレンスは、転職を目的としていない方と接点をもつことが可能です。この体制を構築できたことが採用成功のもう一つの要因だと言えます。
3. ケース2:WebマーケティングSaaS企業
続いては、マーケティングツールを開発するSaaS企業B社の事例です。
B社のGoエンジニアの採用実績は、「6ヶ月で1名」の採用です。
B社は、もともと正社員での採用を想定しておりましたが、業務委託の採用に切り替えたことで採用ができました。
3-1. どのように採用活動を実施したのか
B社が活用した採用手法は、下記の5つです。
採用までにかかった期間は、 約6ヶ月です。
この6ヶ月のうち、最後の1ヶ月は業務委託の採用も並行して行なっていました。
つまり、業務委託の採用を開始してからは1ヶ月で決定に至りました。
3-2. 決定要因① 採用ターゲットの変更
決定要因は、A社と同じく採用ターゲットを変えたことによって採用成功に繋がりました。
ただA社は「求めるスキル」を変更したのに対して、B社は「雇用形態の要件」を変更しました。
B社 は、組織構成の背景もあり、スキルの要件を緩和することは難しい状況でした。そのため採用難易度を落とすために、業務委託の採用も並行して行いました。
4. Goエンジニア採用のマストアクション
2つの採用成功事例から、純粋なGoの経験者の採用は非常に難易度が高いと言えます。
事業を拡大させるにあたり、「すぐに採用をしたい」という状態である場合が多いかと思いますが、根気強くかつ計画的に採用活動を行なっていくことが重要です。
Goエンジニア採用のポイントを大きく2点にまとめました。
4-1. 採用要件緩和に伴うメッセージングの設計
2社いずれも採用要件を緩和した上で、採用に至っていることから、事前に採用要件の第2候補を検討する必要があると言えます。
Go言語の経験者かつ正社員に絞って採用活動を進める場合は、採用に6ヶ月以上かかる場合もあることはご認識いただければと思います。
もちろん、まずはGo経験者を採用するために、最善(媒体でスカウトを枯渇するまで送り切るなど)を尽くすことが前提となります。
その上で、次の手を早期のタイミングから準備することで、スムーズに採用を進めることができ、最短距離で採用成功に至ることができるのではないでしょうか。
例えば、B社のようにスキル面での採用要件を緩和できない場合、「対象の雇用形態を広げる」ことも選択肢の一つとなります。
そして、採用要件を変えた際に抑えていただきたいポイントがあります。
それは、「メッセージング(魅力訴求)」の変更です。
採用要件変更”前”のターゲットである「Go言語の経験者」は、主にWeb系事業会社に在籍していることが多いです。
対して、採用要件変更”後”のターゲットを「Java、C、C#の経験者」と仮定すると、SIerや受託開発企業に在籍しているエンジニアも対象になります。
表にすると下記のようになります👇
ここでなぜターゲットが「Java、Scala、C、C#の経験者」になるかというと、開発言語の特性に理由があります。
開発言語は、「静的型付け言語」と「動的型付け言語」の2種に分類できます。
その中でJava、Scala、C、C#は、Go言語と同じ「静的型付け言語」であるため親和性が高いといえます。(今回は開発言語の詳細については割愛させていただきます)
在籍企業の性質が変わり使用言語も変われば、エンジニアのインサイトも変わります。
つまり、そのインサイトに応じたメッセージングを作る必要があります。
メッセージングを作るフローを、弊社では「TIM」と呼んでいます。
「T(ターゲット)」の「I(インサイト)」に対して訴求できる「メッセージング(魅力)」を作ることを指します。
TIMの作り方を知りたい方は、下記のブログで取り上げていますのでご覧ください👇
4-2. 長期戦への備え
今回取り上げた2社の傾向を見ると、 GOエンジニアを1名採用するには、6ヶ月前後の期間を要しています。そのため場当たり的な施策ではなく、中長期を見据えた採用活動の設計が必要となってきます 。
4-2-1. 早期での採用ブランディング実施
どの企業様もまずターゲットとするのは、「最も求める人物像に近い」求職者様からアプローチをしていくかと思います。
しかし、適切な魅力の打ち出しを行った上でアプローチができないと、せっかくのアプローチも無駄になってしまいます。
下記の図をご覧ください👇
つまり、「採用力」はPDCAを回す中で向上していきますが(仮定です)、「母集団」は基本的に減る一方です。この2本の線が合致する地点が「採用決定」になると言えます。
限られた求職者様を採用するために、募集を開始した初期の段階で、採用力をピークに近い状態にすること目指したいですよね。(あくまでも理想です)
2本の線が合致するタイミングを早めるために、採用ブランディングを早期のうちに実施しましょう。
募集を始める早期に適切に魅力を打ち出すことができれば、「求める人材」を「早期」に採用できる可能性が高まります。
4-2-2 スカウト再送の設計
母集団が少ないGoエンジニアは、スカウトの再送がポイントになります。
初回のアプローチで採用ができればベストではありますが、採用まで6ヶ月、1年を要することもあります。
そのため、スカウトを進める中でアプローチの切り口を変えていく必要があります。現在のエンジニア採用では、 3回以上再送を行っている企業様も増えてきています。
どのように再送をすべきかは、下記のブログをご覧ください👇
最後に
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
いかがだったでしょうか?
ニーズが高まっているGoエンジニアの採用においては、下記の2点がポイントになるとお伝えさせていただきました。
今回の内容もふまえて、今後も採用事例やノウハウはアップデートしていけたらと考えています。
ポテンシャライトでは、Goエンジニアのみならずベンチャー・スタートアップ企業様の採用・人事組織系のご支援をさせていただいております。
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