闇雲に「認知」を獲得しようとしていませんか? 採用マーケティングで「認知」よりも重要な「認識」という概念
みなさんこんにちは!ポテンシャライトの新井です。
先日、あるスタートアップ企業様の人事の方から、下記のようなご相談をいただきました。
肩透かしのようになってしまい恐縮ですが、上記のご質問について考える前に見落としがちな観点があります。
その見落としがちな観点とは、「認識(イメージ)」です。
「認識(イメージ)」とは、ある企業を思い浮かべた時に「第一想起されるイメージやキーワード」のことです。
本ブログでは、この「認識(イメージ)」を戦略的に作るために必要なことを書いていきます。
0. 採用マーケティングとは
まずは、前提として採用マーケティングの定義からお伝えいたします。
採用マーケティングとは、採用活動における「応募”前”」までのフェーズを指します。
下記の図で色付けをした部分のことです👇
1. 「認識」とはなにか
一般的に言われている採用活動のファネルは、先ほどのスライドの通りかと思います。
しかし、このファネルに「ある疑問」を抱きました。
つまり、図にすると下記のようになります👇
再掲となりますが、
「認識(イメージ)」とは、ある企業を思い浮かべた時に「第一想起されるイメージやキーワード」のことです。
例えば、「楽天」と聞いてどのようなキーワードが浮かぶでしょうか?
などなど、あらゆるイメージ(キーワード)が思い浮かぶかと思います。
このパッと浮かんだイメージが「認識」です。
つまり、求職者様が企業様を認知した後に、その企業様へ「興味」を持つかは、「どんな認識(イメージ)」を持たれたかによって大きく左右されると考えています。
そして、この「認識(イメージ)」を戦略的に作り出すことができれば、自然と「興味」や「応募」に繋げることができ、好循環を生み出すことができます。
2. 採用マーケティングにおける5段階のレベル
本題に入る前に、採用マーケティングの「実施レベル」についてお伝えいたします。
各社採用マーケティングを実施していますが、数多くの企業様を見る中で「5段階のレベル」があると感じています。
基準はこちらです👇
それぞれ簡単にご説明いたします。
戦略的に「認識(イメージ)」を設計するためにはどうすべきなのか。
本ブログでは「レベル5」にフォーカスしてお伝えしていきます。
3. マーケットでのポジショニング確立
採用マーケティング「レベル5」は、「マーケットでのポジショ二ングを意識したアウトプットができている状態」だとお伝えいたしました。
ここでポイントになるのは、「〇〇といったら新井テクノロジー」のように、特定のフィールドでNo.1であるという「認識(イメージ)」を持っていただくことです。
突然ですが、
「日本で"1番"大きい山を教えてください」
こう聞かれたらもちろん「富士山」であると答えるはずです。
では、
「日本で"2番目"に大きい山を教えてください」
こちらは即答できる方は少ないかもしれません。
知名度や資金面で大手に劣るスタートアップ企業の場合は、「広大なフィールド」でNo.1を狙うよりも「ニッチなフィールド」で「認識(イメージ)」を持っていただくことが重要になってきます。(言わずもがなですが・・)
そして、特定のフィールドで求職者様に「No1の"認識(イメージ)"」を持っていただくためには、自社が「魅力」だといえるフィールドを見つけることが必須です。
3-1. 自社の魅力を把握する
戦略的に「認識(イメージ)」を作るために、まずは自社の魅力を整理していきましょう。
なぜなら、自社の魅力を「認識(イメージ)」してもらうことができなければ、特定のフィールドでNo1になることはできないからです。
つまり、他社との差異がなければ「認識(イメージ)」をされません。
当社のフレームワークである、「6P+CGM+T」という枠組みで魅力をMECEに分類することができます。
そして魅力が整理できたら、整理した自社の魅力の中でどの項目に強みがあるのか把握できるとベストです。
自社の魅力を可視化する方法は、下記のブログに記載をしておりますのでご覧ください👇
3-2. 採用競合企業の「認識(イメージ)」を把握
次に「採用競合企業」と「その採用競合企業が市場から持たれている"認識(イメージ)"」を把握していきましょう。
ここでいう採用競合企業とは、「採用活動でバッティング」する企業のことです。
つまり、面接で自社の選考に進んだ求職者様の併願先企業のことです。
(事業競合≠採用競合)
採用競合企業が、どのような打ち出しをしているのかホームページや求人媒体から情報をとりにいきましょう。
とはいえ、採用競合となりうる企業は幅広く存在するかと思うので、断定できない場合もあるかと思います。
そこで、今回は架空の採用競合企業を設定してみます👇
株式会社新井テクノロジーの採用市場での「認識(イメージ)」が、仮に「社会貢献性の高い企業」だった場合、それ以外の「認識(イメージ)」を作りに行きましょう。
3-3. 他社にない「キーワード」でポジショニングする
ここまでで「自社の魅力」と「採用競合の認識(イメージ)」を把握できました。
ここからがポイントです。
「自社の魅力」かつ「採用競合の”認識(イメージ)”ではない」領域にポジショ二ングしていきます。
例えば自社の魅力・強みが「成長環境」だったとします。
上記魅力が採用競合企業よりも勝っている魅力であれば、求職者様に「認識(イメージ)」されるように、採用マーケティング活動を行っていきましょう。
また、エンジニア採用においてポジショニングを設定する場合は、「技術的な内容」であると尚良いです。
例えば、プロダクト開発に「DDD(ドメイン駆動設計)」を取り入れており、DDDの知見が深いメンバーが多いということであれば、
「DDDと言ったら〇〇」
のような「認識(イメージ)」を持っていただけるとベストです。
この場合は、先ほどお伝えした通りニッチな領域でもよいかと思います。DDDに関するTipsや取り組みを積極的にアウトプットすることで「認識(イメージ)」を持っていただくことができるかと思います。
余談ですが、エンジニア採用という枠組みで「認識(イメージ)」を設定する場合は、CTO協会が公開している「DX Criteria」の項目に基づいて、自社が得意としている領域を洗い出すこともできます。
4. 決めたポジショニングで「認識」をしていただくために
ここまでは「認識(イメージ)」のお話しをさせていただきました。
ここからは、決めたポジショニングで実際に「認知」を取りに行く活動を開始していきます。
※ここからは「認識」ではなく「認知」獲得のための手法論にお話しが移ります。
認知獲得のための方法は「どこで」「どのように」の観点で考えていきましょう。
4-1. How(どうやって)
これはアウトプットの「表現方法」のことです。
Wantedlyのストーリーやnoteなど「テキスト」が主流ですが、他にも「音声」「動画」などの方法も存在します。
各手法ごとに特徴があるので、「何を」アウトプットするかによって「表現方法」を適切に選定できると効果を最大化できます。
4-2. Where(どこで)
ここまで決まれば、あとは「どこ」のプラットフォームに情報をアウトプットしていくか決めるだけです。
近年ではnoteが主流になっています。
また、技術系の記事をアウトプットする場合は、はてなブログ、Qiitaブログが主流です。
最後に
いかがだったでしょうか。
「認識(イメージ)」を作る活動は一朝一夕にできるものではありません。
どうしても優先度が下がってしまいがちな領域ではありますが、本ブログでお伝えした「レベル5」まで実践することができれば、近い将来の採用活動に大きなレバレッジを効かせることができると考えています。
採用マーケティングのご支援に限らず、スタートアップ企業様の採用・人事組織は全般的にご支援をさせていただいておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひ下記よりご連絡をいただけると幸いです👇
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